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「あ、昨日見たのはあれです。あの、ぬいぐるみ。」
ギャラリースペースの角っこに、大きなペルシャ猫のぬいぐるみが二体ソファの上に横たわっていた。そのぬいぐるみは、まさしく夢の中で見たものとうりふたつだった。
「わわ、もしかしてバレちまったか? 翔太、早く、中身だけ連れて戻るぞ。」
「ニイちゃん、ちょっと待ってよ。この二匹全然言うこと聞かなくってさ。」
なにかヒソヒソ声が聞こえる。この声は、以前聞いたことのある声だ、そして昨日夢の中でも。妖精さんか、神の使いか。
「このでっかいペルシャ猫たちはあの神殿遺跡の門番らしいから、早く連れて帰らないとな。」
「わかったニイちゃん。」
もしかしたら大きなペルシャ猫もこの透明な王子たちの仲間なのかもしれない。
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