甘さと苦さ

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なんだか心がせわしない一日だった。 一日で心がいろんなところへ行ってしまった気がする。 少し疲れて、まだ明るい夕方から一人で縁側で梅酒を飲んでいると、徹君からメッセージが来た。 「フットサル、間に合いました。朝ご飯、ありがとう」というシンプルなお礼のメッセージだ。 昨日の夜は夢かもしれないと思えてくる。 徹君に抱きしめてもらいたくなった。 私のごちゃごちゃした頭の中をそのまま抱きしめて、好きだって言ってほしい。そうしたら全部大丈夫だと思えるから。 「どういたしまして。フットサル、楽しかった?」 自分の中で一周回って、なんともない普通の返信になってしまった。 空の端が赤く変わるのを見ている。 通知音が鳴って、「とにかく暑かった」と返事がある。 確かに夕方でもけっこう暑いのだから、かなり暑かっただろうな。 汗をかきながら、サッカーしている徹君を想像すると、それはかなり良い。頬が緩んで、にんまりしてしまう。 「試合、見に行くの楽しみにしています」 私の妄想を十倍位薄めた濃度で返信した。 過去の事を悔やんだり、遠い未来を心配してもどうしようもない。 好きな人が私を好きだと言ってくれた奇跡だけ大事にして、目の前の事だけ精一杯やろう。
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