縁側の月

試合

フットサルの試合があるから良かったら見に来てと、徹君に誘われて、土曜日の午後、仕事の後、となりの町の総合運動場へ出かけた。
近隣のチームが何組かで大きめの交流試合を行うらしく、試合の後には、BBQをしたりするそうで、家族連れや友人が応援に来るらしい。

徹君が入っているチームは、地元の中学校の野球部（なぜ草野球じゃないのか謎。）のOBでできているらしく、樹君も参加したり、この前、川遊びに誘ってくれた際に紹介されたメンバーはフットサルの仲間だと聞いている。

総合運動場は、昔からあって、最近新しくなったテニスコートやら、サッカーのフィールドと大きな体育館があるのだが、文化系で運動が苦手な私には、子供の頃から全く縁のない施設だ。

歓声が響く、体育館の中は冷房が効いている。

大きな体育館を2コートに分けて、試合をしているらしい。

たくさん人がいて、色とりどりのユニフォームに、家族、友人らも結構来ているようで、ぱっと見ても徹君は疎か、知り合いが全く見つからない。

自分が運動が苦手な上、彼氏の応援なんかもした事がなかった私は、こういう観戦にも慣れていない。

一旦、ギャラリー席に上がり、様子を見ることにする。

空いているベンチに腰掛けて、着いたよ、とだけメッセージを入れた。
見渡しの良いギャラリーから見ても、今やっている4チームは徹君のグループではない。
試合は、くじ引きで、午前中から間隔をあけてやっていると言っていたから、お昼ごはんに出ていたりするのかもしれない。
もしかしたら別のコートがあるのかもしれないから、一応歩き回って見ようか、と思ってもう一度、立ち上がる。