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意地の悪い事をすると、天罰が下るのだ。
その後のBBQでも私は徹君を呼び捨てにせざるえなくなった。
一回、人前で呼び捨てで読んだら、少なくとも今日はずっとそのままでなくてはおかしいだろう。
なんであんなに人の多い所で勝負してしまったのか。。。
徹君の身内もいたのに。
BBQは広いBBQ場を貸し切って、チームごとにBBQ台を割りふって行われた。
川西さんが仕切って、お肉を焼いていく。
日野さん達も参加しているし、樹君家族も参加している。
色んな視線を感じて、名前の代わりに「ねぇ」とかで済ませようとしてみる。
「ねぇ」と読んでも、いちいち「ん、なに? 葵?」なんて返すから、徹君はたちが悪い。
ただ日野さんは先程よりは徹君への距離感は少し離れたものの、急に帰ってしまうとかではなかったので、もしかしたら初めから私の勘違いだったのかもしれない。
そうだったら、自分で誤爆したことになる。
しばらくして、マイクを持った人が前に出てきて、試合の結果発表があった。徹君のチームは、12組中5番だった。
結果発表を聞くと、川西さんからもお疲れ様と挨拶があって、樹君と優香さんは、遼君が眠たそうだということで、先に帰った。
帰り際、それまで特に先ほどの事態に触れることがなかった樹君が私を呼び止めた。
「葵ちゃん。変なのに引っかかったね」
と笑っている。
「え、変って、樹君の弟でしょう?」
「ははは。まぁ、よろしくお願いします」
ふざけたように、軽く頭を下げられた。
「こちらこそ、お願いします」
と、慌てて答えた。
樹君にこんなあいさつをされるなんて、なんだか不思議なことになったんだなと思って、二人が遼君を連れて帰るのを見送った。
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