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メイドカフェをでて、一旦、ホテルへ向かいながら、さっきも夕食にビールを飲んだけど、途中のコンビニでお酒を買い足した。
アンドリューに、「30分位ね。用意出来たら、ノックして」と言って、繭ちゃんと私の部屋へ入って、繭ちゃんに飲み物を勧めておいて、先にシャワーを浴びた。
オフィスに顔を出すように、仕事用の細いリボンのついたブラウスにパンツスーツだったけれど、夜、出かけるにはかっちりしすぎている。
繭ちゃんは、なんでホテルへ戻るのか?と不思議がっていたけど、アンドリューも一日出歩いていたから、シャワーが浴びたいと言っていたし、私も資料を持ち歩きたくなかったから、丁度いい。
留学してた時の経験だと、家で少し飲んでから、オシャレして、勢いをつけて夜の街に繰り出すというのが多い。アンドリューもそういうつもりなんだと思う。私も、ちゃんと夜の街に繰り出すなんて、留学してた頃しかないから、そんなつもりでいた。二次会、三次会とオフィス着でそのまま回るのとは少し気合いが違う。
ざっとシャワーを済ませて、メイクをし直す。
鮮やかな青い、ボートネックの膝上ワンピースに、カジュアルな7分袖の黒いジャケットを掛けて、黒白ツートーンのピンヒールを合わせた。
「うわ! ヒールに気合いが感じられる」と繭ちゃんに言われたが、「繭ちゃんは、背が高いから、いいじゃない」と言い返す。
コンビニのお酒を飲みながら、おしゃべりしつつ、ピアスを嵌めていると、コンコンっとノックがあった。
繭ちゃんが出ると、チノパンにTシャツ、ジャケット姿で、一層かっこいいアンドリューが入って来た。
「良いね」
お互い褒めあって、少しお酒を飲んだ。
そうこうしていて、時計を見るともうすぐ九時で、「よし、ロビーに行こう!」と三人で張り切って一階に降りた。
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