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酔っ払って、お喋りしながらリズムを取っていると、次も知っている曲がかかって、アンドリューが誘ってくる。
繭ちゃんは、はっきり「無理!」というし、さっきから周りの視線に悩まされれている田口君も「遠慮します」と言うので、二人に飲み物を見ててもらうようにお願いして、アンドリューに引っ張られて踊りに行く。
一曲、ただ揺れるように踊って、こっそりアンドリューに「良い人いる?」と聞くと、なんと狙いはDJだと言う。
坊主で、無精髭を少し伸ばしているけど、日本人の男の子っぽく、そんなにひげは濃くない。かわいい感じ。
「え、そういうタイプ?」
「バーテンダーのほうが良くない? ワイルドじゃん?」
長めの髪を結んだ、長身の色っぽいバーテンダーに視線を流しながら言うと、
「あれは絶対モテそう。それにバイっぽい」
と笑った。
「DJにも手を出してそう」
酔っ払って、デタラメの憶測が楽しくなってくる。
ケラケラ笑いながら踊っていると、カウンターから、サラリーマン風の若い男の子がこっちを見ているのに気がつく。
「カウンター」
と、こっそり教えて、クスクス笑いながら踊る。
「うーん、ありかもしれない」
まんざらでもなさそうだ。
一曲終って、テーブルに戻る。
繭ちゃんと田口君は、二人でお喋りしてるし、大丈夫だったようだ。
飲み物を頼みに行く時に、アンドリューを連れて行く。待っている間、アンドリューはさっきの男の子に話しかけられていた。
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