婚活

4/21

4805人が本棚に入れています
本棚に追加
/312ページ
父に彼を紹介するのは、彼に結婚を無理やり意識させるようで嫌だと回避したのに、彼に婚活イベントに参加すると言わなくてはいけなくなった。 これのほうが、彼女が強烈に結婚を意識しているという感じがある。 というか、彼がいるのに、婚活に参加する女というのは、尋常じゃない焦り方をしている人に違いない。 墓穴をほった。 結婚、ドレス、ゼ◯シー、妊娠、子供、婚活 そういう言葉も30歳を過ぎると彼の前では、全部地雷だと思う。 結婚を意識している重い女だと思われたくない。 結婚したくない、というわけではなくって、もちろん、徹君と結婚したらずっと一緒に居られて、どんなに幸せだろうと思う。でも、叶わない可能性ある将来のことを、わずかにでも望んでしまうのが怖いので、なるべく考えないようにしている。 まだ二十代で、付き合ってそれほど経っていない徹君には、この話題は重いだろう。 だから「婚活」なんて話題にしたくないのだけど、地域情報誌に体験談を載せるとなると、事前に話しておかなくてはいけない。 秘密を持つことだけはしたくなかった。 話せば、わかってくれるだろうと思っていた。
/312ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4805人が本棚に入れています
本棚に追加