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情けない女だと思いながらも、翌日、徹君にもう一度、体験談レポートのためだけに、アンドリューも同伴でいくし、大丈夫だから、ということをメッセージした。
うだうだと文面をあれこれ考えて、気合いを入れてメッセージして、その後、すぐに、「大丈夫って、何がだろう?」と一回の婚活イベントでこの私に、なにが起きると思っているのだ?とイライラしてきた。
居間の畳の上で、ゴロゴロして、携帯とにらめっこしている。
やっぱり、ちゃんと伝えようと思って、もう一度メッセージを打ち込む。
「トオル君が心配するようなことはありません。大好きだよ」と打った。
キモイかも。
「大好きだよ」を消してみる。
きっと、そんな心配なんかしていない。頼まれたら、なんでもオッケーするなんて、ばかな女だとあきれているのだ。
書いた文を全部消す。
もうさっき送った文章すら、消してしまいたい。
この気持ちを言葉にかいて伝えるなんて、無理だ。
ずっとうだうだしているわけにもいかず、時間になって、仕事に出かける準備をする。
夕方「了解」とだけ返事がきた。
2クラスの授業の間の休憩時間にそれを見てしまって、半泣きになる。
一旦トイレに隠れたものの、そこで泣き出せるわけもなく、ただ涙がどこかへ行くのを天井を見てやり過ごす。
塾から帰る道の中ではすでに私はキレて、心の中で悪態をついていた。
私、あんな一生懸命説明したのに、もうちょっと何か言えんか?
徹のばか。
子供っぽいんじゃ。
ばーか。
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