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一時間ほど、森を歩き回って、佐々木さんの籠に何種類かのキノコが集まった。
全体で集合して、森から出たところにある、自然学習施設に移動すると、そこでグループに分かれて調理をした。
今度の講師は佐々木さんの奥さんだった。
キノコの天ぷらと炒め物。
足りない分は佐々木さんが、昨日もっと深い山でとって来たというから、感心する。
竹ざるにキノコを分けて、四人ずつくらいのグループで調理を行う。
家庭科の調理実習や、キャンプを思い出す。
「普段、お料理します?」「どんな料理が好きですか?」「普段、お酒、飲みます?」なんて、婚活らしい質問も気軽にできて、お料理中はみんな、いい感じだった。
さっき森の中で初対面の感じは済ませているので、すこしやり易いのかもしれない。
キノコの天ぷらは揚げたてでとてもおいしかった。
炒め物も簡単だけど、いつもと違うキノコで、確かめながら食べるのが、面白い。
キノコの天ぷら、今度徹君に作ってあげたい。
(でも、自分で毒キノコを判別する勇気がないから、市販のマイタケで。)
一日中、思い出さないようにしていたのに、作ったご飯を食べていたら、急に思い出した。
おいしいご飯を用意して、ご飯を食べに来てと言ったら、来てくれるだろうか。
それとも、まだ怒っているのだろうか。
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