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「次回の企画も楽しみにしていてください。ありがとうございました」
と木下さんが会を締めくくる。
話を聞いた感じ、かなり好評だったようだ。
皆、森で汚れてもいい服装だから、婚活パーティーっぽい華やかさはないけど、それが逆に参加しやすさになっていると思ったし、ただキノコ狩りが楽しかったです、という人もいた。
カップルができているかは、木下さんが、後でアンケートを取るそうだ。
木下さんと、佐々木さん夫婦にもお礼を言って、アンドリューを送って帰った。
帰りにスーパーで、なんとなくブナシメジとマイタケを買った。
実家からもらった栗がお家にあるから、栗ご飯にして、キノコを料理しよう。
食べに来てほしい。
それを言うこともできない気がする。
食材を買ったのに、自分のために、料理をする気がなかった。
一人なら、布団に潜り込んで寝てしまいたい。
たのしく一日を過ごしたけど、一日、気を張っていた気がする。
徹君のことを思い出したら、泣いてしまいそうで、思い出さないようにずっと忙しくしていた。
家に帰ったら、記事を書くのは明日にして、もうお布団に入って、泣きたいだけ泣こう。
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