婚活

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もう涙は止まったものの、子供のように泣きすぎて、しゃっくりしている葵を土間に入れて、座らせると、「あ、お買い物が車の中だ」と思い出したようにいうので、取ってくる。 片付けようとスーパーの袋を見ると、キノコを買っている。 「なんで、キノコ?今日採ったんでしょ?」 「そう。でもおいしかったから、徹君にも作ってあげたいと思って」 「来るの分かってた?」 「うんん、来たらいいなぁと思って」と小さな声で呟く。 来てよかった。来なかったら、たぶん、葵は今日も泣いていた。 あんなに泣いた後なのに、ちゃんと夕食を作る、という。 目が赤いし、適当でいいのに、こんな時も一汁三菜を作ろうとするから、たぶん、ほんとにしっかりした家に育った子なんだと思う。 一緒にキッチンに立って、手伝って、料理をする。 さっきまで泣いていたのに、今日のキノコ狩りの話を楽しそうにしてくれた。 ただ、珍しいのは、夕食後、洗い物をしていたら、「泊まって行って欲しい。一緒にお風呂に入ろう」と葵から言ってきたことだ。 いつもなら日曜はあまり泊まらない。 すこし喧嘩で離れていたのを埋めるように、ずっとくっついていたいようで、ずっと距離が近い。
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