仰ぐ陽

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「え?」と樹君に聞き返す。 徹君を見ると知らんふりをしているし、叔父さんもかなり顔を緩めて笑っている。 「今日のコンペのデザインみた?」 「うん。こないだ、少し見せてもらったけど。素敵だったよ?」 「素敵か、素敵かなぁ。必死すぎて、やばい奴だと思うけど」 樹君がけらけら笑う。 どういうことか?と思ったら、ほかの女性スタッフが、にこにこ笑って、「やばくはないですよー。素敵です。ねぇ?」とフォローした。 「葵にデザインコンセプト名、言ってないんだよ」 徹君が樹君に軽くキレている。 叔父さんが、「はぁ?なんだそれ?お前」と壁に立てかけてあった、大きな黒いデザインバックを持ち出す。 「これ。葵ちゃん、見てやって」 中からリボンのついたパネルを取り出すと渡してくれた。 この前見せてもらったものより、しっかりしたコンピューターグラフィックで徹君の駅舎のデザインがプリントされている。 素敵だと思うけど。
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