仰ぐ陽

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「あのぅ。ここで?」 私たちが立っているのは、土間の上がり口だ。 「ここで。嫌だ?」 あんまりにも変な場所で、落ち着かないので、困ってしまう。 「んー、嫌って言うか、ここは落ち着かない」 「じゃ、居間にする」と私を抱き上げた。 「ぇえ?ベットじゃなくて?」 徹君がけらけら笑って、歩きながら、「葵ちゃん。俺、この家の全部の部屋で葵ちゃん抱く気でいるから。覚悟してて」と言った。 本当に居間につれて行くと、私をこの間出したばかりのお炬燵の上にコトンとおろした。 こたつのテーブルの上にのせられて、とても居心地が悪い。そんなところに座る自体、お行儀が悪いのに、徹君はそれ以上のことをこれからしようとしている。 困っている私をじっくり眺めながら、ジャケットをぬいで、緩んでいるネクタイをさらに緩めてシュッと抜き取る徹君が色っぽくて、文句が言えなくなる。 シャツのボタンを、二つ三つはずして、思いついたように手を止めて、私の前に膝立ちになった。 「あと、やって」 ボタンを一個づつ、外していく。 前にもスーツを脱がせたことがあるけど、その時は私も酔っていた。 しらふで男の人の服を脱がせるのは、緊張する。 ボタンを全部外しきると、徹君がシャツを脱ぐ。 「葵は、飲んでないし、寒いかな」 ブラウスを肩にかけたまま、指でブラの肩ひもをずらしてくる。 深いキスをしながら、徹君は背中に回した手で簡単にブラを外した。 そのまま素肌を徹君の指が伝う。 長いキスで目が回りそうになる。 手を私の腰に当てると、私を一度立たせて優しくタイツと下着をぬがせた。 炬燵の台に座らせると、素足の膝にキスを落とす。 スカートの中に徹君の大きな手が入り込む。 テーブルの上にこんな風に座らされてることの恥ずかしさに徹君に触れられる身体が熱くなる。 息が上がる。 身体が震えて、徹君の名前を熱に浮かされたように何度も呼ぶ。 優しく腕の中に抱いてくれるまで、ずっと。
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