挨拶

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ふわふわっとした一週間を過ごした。 結婚するという友達がキラキラしているのは見たことがあるが、私は、ふわふわとしている。 私が大好きな人が、私を好きだということ自体が奇跡だと思うのに、私のことをずっと好きだと約束してくれるなんて、家族になるなんて、夢のようだ。 わけのわからないくらいの幸せと不安の中間くらいで浮いている。 毎朝、目が覚めると、もしかして夢だったのでは?と本気で思う。 徹君とのメッセージを開いて、安心するまで、すこし怯える。 徹君が泊まっていった時はそういう焦りもないから、もう本当に一緒に暮らしたいと思う。 土曜日の授業は、私は全く覚えていない。 特に問題はなかったから、多分、まともにやったはずだけど、今思い返すと記憶にない。 授業を終えて、徹君の家に迎えに行くと、スーツで出てきてびっくりする。 「徹君、今日、お休みじゃないの?」と言ってしまった。 「休みですけど……」 徹君が困った顔をした。 うちの親のためにスーツにしてくれたのだと気が付いて焦る。 「あぁ、すみません」 急に緊張度合いが十倍くらいになった。 手土産まで用意してくれている。 私の車で実家へ向かう。 徹君は、窓の外を見て、仕事でもしているような大人の顔をして、あまり話さない。多分、緊張している。 「徹君、お土産までありがとうね」と話しかけると、「ん。ケーキだけど、よかった?」とこっちを見る。 「うん。私、ケーキ大好き」 「それは知ってる。葵のお母さんとお父さんは?」 「あ、好きよ。でも、お母さん糖尿病の薬飲んでいるから、ちょっとしか食べないかも」 「……まじか。ほかの物のほうが良かったかな。」と焦っている。 「いや、大丈夫。ケーキがいいよ」 少しおしゃべりして緊張を解こうと思ったのに、逆効果だった。。。
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