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「まぁ、葵が選んだんだから、そういうことなんだろうな」
お義父さんは納得したような顔をした。
「な、岡田君、これは親の希望だけどね。葵に言うと、岡田君に迷惑になるからやらないっていうだろうから、岡田君のほうで、どうにかしてほしいんだけども」と結納の話を持ち掛けられた。
「古臭いかもしれないけど、できたら、ちゃんと結納をお願いしたいんだけど。息子がいるんだが、いつ結婚するのかわからんような奴で、娘は葵一人でね。ただ僕が娘を嫁に出すなら、ちゃんとやりたいってだけなんだけども」
「それに、葵は大学の時、海外に行ってて、成人式に出てなくてね。振袖も着てないんで、着る機会になるだろうしね」
葵の振袖姿か。
俺も見たい。
「それは、大丈夫です。準備させていただきます。結納と両家顔合わせを同時にやらしてもらっていいですか」
「ん。それは、良いと思うよ。まぁ、岡田さんなら、役場で会うことのほうが先になりそうだなぁ」と頭をかく。
「そうですね。明日、父にも紹介に行くので、よろしくお願います」と頭を下げた。
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