外車の男と真珠の女

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今朝、ばったり徹君と会ってから、大ちゃんはちょっと仕事に行くわ、と出かけて行った。休みを取ったと言っていたはずなのに、わざわざ車で一時間かかる本社に顔を出すのだろうか。いつも仕事をしている。 私も仕事があるので、準備をして出かけたけれど、その間、特に徹君についてはコメントがなかった。 強いて言えば、朝、いちゃついているとからかわれた時に、私が「結婚するからいいでしょう」と言ったら、返って来た「まぁ、良いんじゃね」の一言だ。 何なんだろうか。 一日休みだと思ったから、今夜、徹君を紹介しようと思っていたのに、さっさと仕事に行ってしまって、今夜こちらに帰ってくるのかさえ、疑問だ。 大ちゃんは、会社の近くのマンションで一人暮らしをしている。多分、仕事が忙しいのなら、こっちにはわざわざ帰ってこないだろう。 塾の休憩時間に「大ちゃん、今日、夕ご飯、予定通り来るの?」と聞いてみた。 すぐ「悪いけど、仕事で無理だわ。もう葵の彼氏の顔、見たし、いいわ」と返事がきた。 もういいのか。 嵐のような人だ。 徹君に一応予定を空けてもらっていたのに、申し訳ない。 「お兄ちゃん、仕事が入ったそうなので、今日は帰りました。ご飯、一緒する?」と徹君に連絡する。 徹君のほうが終わりが早いので、徹君の家でご飯を頂くことになる。
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