五月

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「買い替えって、網戸って全部一緒?タイプとかあるの?」 ホームセンターで売っているというのだけど、DIYストアに行くことはあっても、網戸は見たことあったっけ?  「いや、タイプはあることはあるんですけど、これは一般的なやつなんでサイズだけ念の為測って、同じの買えば多分、大丈夫ですよ」 縁側でカツサンドをつまみつつ、説明してくれる。 「心配なら、俺が買ってきましょうか?」 嬉しい申し出だけど、ちゃんと買い物位できないといけない気がする。 「んー、ありがたいけど、私もホームセンターに慣れないとね。雨といは直せたし、網戸買うくらいは出来そう」 「車、網戸、乗ります?」 しまった。 雨といははみ出しても、大丈夫だったけど、網戸は大きすぎるかも。 「うーん。。。」 実家に軽トラあるけど。ミッションで運転できない。兄に頼もうかなぁ。案外単純そうで、面倒な事態だな、なんてサンドイッチを食べながら考えていると、 「俺が車出しますよ、良かったら。会社のトラックなら絶対乗せれるし。一緒に行きましょうか」 親切心の塊。 仏様。 後光がさしちゃってるんじゃない? と思ってまじまじと顔を見る。 「迷惑じゃなかったら、ですけど」 あんまり私が徹君の顔を見るので、困ったのか、照れたように付け足した。 「全然迷惑じゃない。嬉しい!」 ぶんぶん首を縦に振った。 「お礼、全然できてないのに。ご飯位で。色々ありがとう」 ペコリと頭を下げると、徹君は、「いや、佐藤さんの飯、美味しいから。餌付けされてますね」と前を向いたまま言った。 お世辞でも嬉しいっていうか、ちょっと今度はこっちが照れる。 餌付け、か。 もっとしたい。
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