縁側の月

DIYストア

その後もローテーブルを見たり、畳のお値段を調べたり、家の中で気になっていた所の物をあちこち見て回った。

大型店を見て回るのに、段々疲れて、結局網戸を買って帰ることにする。元々、人混みと買い物はそんなに得意じゃない。

「ごめんね、付き合わせて」

「いえ、大丈夫ですけど。疲れました?」

「うん、ちょっと。ここまで来たんだし、お茶して帰ろう。奢るよ」
お礼もしたいし、もう少し一緒に遊んでいたくなった。

市内のはずれの国道沿いのショッピングエリアだから、駐車スペースの広いカフェもある。
それか、少し戻って、国道沿いのケーキ屋さん。

私が地元を離れていたうちに、結構新しいお店も増えている。

「行きたい店、あります?」と徹君が聞いてくれる。

「んー、どこでもいいけど、甘い物と冷たいコーヒーが飲みたい」と言うと、「じゃ、もしよかったら、俺が知っているとこで」と私の知らないカフェへ案内してくれた。

国道を少し先に行って、田舎道に少しそれたら、シンプルな黒い壁のカフェについた。
いくら田舎でも、網戸を乗せたトラックは駐車場に完全に場違いな感じのオシャレカフェ。

「あら、お久しぶりです。岡田さん、来てくださったの!」

店内に入るとカウンターの中の女性が徹君に話しかけた。