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家全体を一通り見て、居間へ戻る。
「さっき紅茶だったから、今度コーヒーか緑茶にする?」
「あ、どちらでも。そのまま紅茶で良いですよ。」と徹君が先に答えた。
「そう? お漬物あるんだけど。」
「じゃ、緑茶で」と徹君が笑って、「またなにか自分で漬けたの?」と聞いてくる。
「うん。昨日実家からアスパラ貰ったから、面白いかなと思って、浅漬け」
台所に戻り、お漬物やお煎餅など、お茶に合いそうな物をトレイに乗せて、運んだ。
居間では、なぜか樹君が徹君の頭をくしゃくしゃっにしていて、じゃれ合っていた。
「ウザっ!」と樹君の手を振り払って、徹君が髪を直す。
格好良い兄弟のじゃれ合い、萌える。。。
「けんかしなーい!」とおばさん口調で居間に入ると、「けんか、ではない」と樹君が笑った。
お茶を飲みながら、樹君が持ってきてくれたパンフレットをいくつか見せてもらって、好きなイメージを伝える。
まだまだ予算の関係で全然先になるかもしれないと思っているから、実際どんなのがいいとか決められていない、と正直に伝えると、樹君は、「良いよ。大体の見積もりのパターン、出して連絡するから、本当にやりたくなったら、また連絡して。やる時はうち以外にも見積もり取って比べて決めてほしいし」としっかり説明してくれた。
「それにしても、まぁ、面白いね。葵ちゃんっぽいって言えば、そうなんだけど」と古い家を見渡す。
「そう? ただ予算的にこういう家になったんだけど」
「んー。いい家になるんじゃない。コイツが出来ることは手伝うって言ってるし」と、徹君をさす。
「本当、色々すみません」
申し訳なくって頭をさげる。
「いや、こういう家って勉強になるし、古い家、好きなんで、いいんです」
徹君がそう言うと、「そう。勉強させてやって。好きだから」と樹君がからかうように笑った。
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