川遊び

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川遊び

「佐藤さん、川遊び行きません?」 もうすぐ夏だから、川遊びも良いな。 徹君が、フットサルのメンバーと友達で、週末に川遊びすると誘ってくれた。 川遊びっていっても、まぁ、基本BBQですけど、だって。 こないだ、樹くんと再会した時は、微妙な別れ際だったと思ったのに、その後のメッセージもなんともなく、普通に気さくな内容で、ただ私のオーバーリアクションだったと思い知らされる。 この年にもなって、ちょっと髪を触られた位で、焦ってどうする。 年下相手に、恥ずかしい。 樹くんからもメールがあり、大体の予算を教えてくれた。やはり貯金が足りないし、出来るなら好きなデザインで、と思うとバスルームの改装は少し先になりそうだった。 BBQの約束の土曜日、徹君は私がビールが飲めるように、と迎えに来てくれた。 どんな気の使われ方! と思ったけど、正直、嬉しいし、BBQとビールが楽しみなのは否めない。 迎えに来た徹君はシンプルな白いロゴ入りTシャツにベージュのハーフパンツで、上にきたカジュアルな黒いカーディガンの腕をまくっていて、相変わらず様になっていた。 「おはよう」 素敵な男の人の助手席に乗せていただけるだけでも気分が上がる。 「ちょっと寄ります」と、徹くんはキャンプの物を持っている人の家に向かって、BBQの台とテントみたいなのを積み込んだ。 キャンプ用品の持ち主もフットサルのメンバーらしく、荷物を積み込むと後部座席に乗り込んだ。 「こんにちは」とカジュアルに挨拶してくれる。 「初めまして。佐藤です。よろしくおねがいします」 「木元です。よろしくおねがいします」とニコニコしてくれた。 徹君と同い年の木元君は地元の精密機器メーカーに務めているらしい。 地元では有名な会社で多分中学の同級生の誰かも入社してた気がする。 5分ほどで川辺につく。子供の頃から遊んだ川だけど、子供の頃より整備されていて、駐車スペースもトイレも新しい。
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