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荷物をもつのを手伝って、川辺へ向かうと平らな場所にすでに数人の男女が場所取りしている。
「おーっす」
グループに合流すると徹君が「春にこっちに戻ってきた、佐藤葵さん」と紹介してくれた。
カップルらしい三十代の男女、女の子二人組、徹君と同い年位の男の子がいた。
頭を下げて、「佐藤です。今日はよろしくおねがいします」と挨拶すると、カップルの男性が「あー、いや、こちらこそ。川西です」というと隣の女性が「レイコです」とペコリと頭を下げてくれた。
川西さんが「奥さん」とレイコさんの紹介を続けたのが、かわいらしかった。
続いて男の子が、「山下です」とだけ言って会釈した。
それに続いて女の子達の一人、帽子にセミロングのふんわりカールで、かわいい雰囲気の子が「日野です」と、会釈してくれて、帽子に隠れる位のストレートの髪で、カジュアルな格好の子が「橘です」と挨拶してくれた。
山下君が徹君達に混じって、荷物を全部おろして設営し始める間、川西さん夫妻と日野さん、橘さんと簡単な自己紹介のおしゃべりした。
川西さんは私より2個上。同じ中学らしいけど、お互いに覚えていない。
奥さんは県の別の地域からお嫁に来たんだそうだ。
日野さんと橘さんは、橘さんが木元君と同じ地元の精密機器メーカーで働いていて、こういう集まりに時々参加する友達で、徹君たちより一つ下らしい。
木元君と徹君は同い年で同級生。
山下君も同い年だけど、中学は違って、高校の同級生だという。
立ち話して、ひとしきり関係性がわかったころ、男の子3人ですでにガス台と簡易テントの設営も終わったようだった。
そのままBBQの準備を始める様子の徹君になにか手伝えることがあるか聞いてみる。
徹君が答える前に、日野さんに「良いですよ、佐藤先輩はゆっくりしててください」と言われ、手持ち無沙汰になってしまった。
「じゃ、飲み物いかが?」
隣からレイコさんが誘ってくれて、一緒にクーラーボックスを開けて、覗いた。
川西さんは飲み物、お肉などの調達担当だったらしい。
ビールを頂いて、レイコさんと河辺に腰を下ろすと、足を冷たい水に浸けて、レイコさんと旦那さんの馴れ初めを聞いた。
レイコさんは、明るい人のようで、ニコニコ、合コンで知り合ったエピソードを話してくれる。
徹君以外知らない人だらけだから、社交的な人がいて助かった。
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