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「地元に戻ったって聞きましたけど」
「うん、この間。これまで東京だったんだけど、地元で暮らしたくなって」
「へぇ、いいですね。俺も東京です」
「あ、そうなんだ。今は休暇?」
「週末だけ、時々帰るんです。俺も地元好きなんで」
ふっと人影が近づいて見上げると、徹君がこっちに来ていた。
「もうやり始めるんで。食べましょう!」
ちょっと離れていたから、わざわざ呼びに来てくれたらしい。
「あ、本当! 楽しみ〜」
木元君が釣り竿をうまい具合に立てかけると、ぞろぞろと4人でBBQへ戻った。
ワイワイ囲むBBQは愉しかった。
日射しも強く、もう暑いほどで、ビールが進む。
徹君と山下君がお肉を焼いて、川西さん夫婦がサラダとかも家から用意してくれたようで、勧めてくれる。
このBBQセットは木元君の持ち物らしいので、時々火加減なんかを手伝いながらお肉を夢中で食べている。
女の子二人組は、お手伝いしながら、わいわいしている。
良い子そうだけど、さっきはなんかトゲを感じた。今はそんな雰囲気もなく、気の所為だったのかもしれない。
「おい、木元、ニジマスは?」
川西さんがからかう。
「いやー、無理みたいっすね。」と木元君が答えると、「お前、肉ばっかり食ってないで、野菜も食べろよ。」と今度は山下君が木元君に絡んでいる。
「え、BBQは肉の祭りでしょ。」
「かぼちゃも美味しいですよー。」「ねぇー。サラダも美味いー!」と橘さんや日野さんが可愛らしく盛り上がる。
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