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風邪
喉のかすかな違和感は、昨夜からはっきりとした風邪の症状に変わっていった。
一昨日のBBQの後、大学時代の親友の繭ちゃんに電話しながら、縁側で一人、晩酌していた。
実家の庭に、雑草のように広がり母を困らせるミントを大量に摘んできていて、適当なモヒートを作って飲んだ。
一緒に暮らした事があるくらい仲の良い友人は、今の私のモヤモヤを聞いて、「良いじゃない?」と言った。
「葵、めったに好きにならないし、3歳差位、この際、どうでも良くない?」
「誕生日が四月だから、ほぼ二歳差。でも、お兄さんに似てるから気になるだけかもしれない」
「二歳なら全然よくない?それに、こないだ会って、お兄さんの方はどうでも良かったんでしょ?」
そうだけど。
「2歳だけど、三学年差って大きいよ。今日、女の子達見てて、私、若くないのを思い知った」とまた年の差に戻ってしまう。
私達、周りは婚活に励みだす年頃なのに、あの子達はまだまだ、恋愛を楽しんでいる。
「葵、婚活、興味ないじゃん?」
「そうだけど……」
煮え切らない私に繭ちゃんはもっともなことを言った。
「片思いでも、なんでも、好きな人がいたら、人生楽しいよ」
確かに。
でも、そういう繭ちゃんは二次元命のくせに・・・。
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