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顧客とのミーティングを終えて、コンビニに昼ごはんを買いに立ち寄ると、たまにフットサルに参加している片桐さんが、宅急便のユニフォームのまま、風邪薬を買っているとこだった。
風邪でも仕事が休めないくらい忙しいのか?と思って、「大変ですね」と声をかけた。
「おう。あ?これは友達の。頼まれちゃって」
「あぁ、そうなんですか。片桐さんが風邪かと思いました」
「なに? 偉い人と仕事中? スーツ、格好良いな」
普段、もう少しカジュアルな服が多いが、顧客が企業で、大きなミーティングだったのでスーツで参加した。
「えぇまぁ。そんなとこです。終わって、休憩です」
「友達にこれからそれも配達するんですか?」
「んーそう。俺、これから違う地区の配達なんで、ちょっと後になっちゃうんだけど。知ってる? 俺と樹の同い年の佐藤葵ちゃん。今年から、こっちに戻ってるんだけど、なんか風邪引いてて、頼まれた」
葵さん?
「え?知ってますけど。土曜に葵さんと木元たちと皆んなで川遊び行ったんで、風邪引いたのかな。送っていった時は元気そうだったんだけど」
「あー、そうなの?お前のせいか」
先輩はあっさり俺のせいにする。
「きつそうだったし、家、知ってるんだったら、コレ、持ってってよ。お前、休憩中なんだろ?」
とお釣りと買ったばっかりの薬の入った袋を渡された。
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