縁側の月

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恥ずかしくなって俯くと、おでこにキスされた。 「泊まってっていい?」 その意味を一瞬考える。 「嫌なら今日は帰るけど」と優しくいわれて、顔を上げた。 「嫌じゃない」 徹君が、ほっとしたような顔をする。 「ココ、片付けるから、部屋に上がってて」 私のおでこの髪を横に直しながら優しく言う。 「いい? じゃ、お願いします」 サンダルを脱いで、縁側から家の中へ入る。 ビールの乗ったお盆だけ持って、なんとか居間を抜けて、台所まで行って、壁に寄りかかった。 やばい。 ドキドキしすぎている。 数回深呼吸して、水をグラスに汲んで飲んだ。 そ、そういう事でいいのかな?
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