縁側の月

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かはっと喉で笑うと、「ずるいな、やられた」と言うや否や、スルッとパジャマに手を掛けて引き下ろした。 「もう、知らないよ」と呟いて、ぐっと抱きしめられたと思ったら、もうベットの上に組み敷かてていた。 指先まで潜るこませるように、両手を繋いで、シーツに貼り付けられる。 そのままキスを浴びせられて、ただただ浮ついた息を繰り返す。 夜の間、何回、呼び捨てで名前を呼んだか覚えていない。その度に、トオルくんに自分の印をつけているような感覚になった。 暑苦しい夏の夜に、二人で融けた。
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