縁側の月

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何時なのか分からないけど、目が覚めたらもうすっかり日が出ていた。薄いカーテンから、夏の光が差し込んでいる。 昨日の夜、ぐったりした私に徹君がグラスの水を飲ませてくれたのはなんとなく覚えているのだけど、そのまま寝てしまったようで、素肌でシーツの中にいた。 徹君が寝ている間になにか着るものを見つけようと、シーツの中をそっと探っていたら、ぐっと徹君の腕に捕まって、腕の中に抱きしめられた。 「おはよう」と眠たげな声がかわいい。 大きな手が腰に触れ、引き寄せる。 徹君も素肌で、密着すると体温が伝わってくる。 急に昨日の徹君の熱っぽい目つきを思い出して、身体の芯が熱くなった。 それに気づかれないように「おはよう」とさり気なく、明るく言う。 「んー、すげえいい夢かと思った」と言いながら、私の熱に気がついているのか、腰に回した手を優しくゆっくりと背中につたわせる。 「夢じゃあ、ないね」 返事をすると、「ん」と、さらに指先を背中に這わせている。 ゆっくり下降した指先が腰へつたう。 何度もそっと背中から腰へ上下する指先に、どうしても反応してしまう。 下がって来るたびに少しずつ腰から下へ指先が伸びる。 それだけで少し息が上がって来た私の耳元に、「葵は可愛いな。」と優しく呟いて、ゆっくり脚の間に長い指を忍び込ませた。 はしたないほど身体が反応しているのが暴かれてしまう。 昨日の今日では仕方がない。 あぁ もう、明るい部屋では恥ずかしさが何十倍だ。。。 徹君にされるがままになるしかないのだけど、一軒屋とはいえ、夜中と違って午前中に変な声をあげるのがいけない気がした。 んんん。 唇をキツく結んで我慢する。 トオルくんは、優しいけれど、思ったより、熱っぽく愛する人だ。 初めての夜だったせいもあるんだろうけど、充分すぎるほど、私をもてあそぶ。 長い指の先を私がキツく閉じた唇にそっと当てる。 「唇、跡になるよ。声、我慢してんの?」 「だって、朝」 「誰にも聞こえないよ。俺は葵のエロい声、聴きたい」 ドキッとした私を見つめて、意地悪に笑っている。 困っていると、「良いから、我慢しないで」と唇に指先を当てると、少し口の中へ指を入れてくる。
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