少女たちの素敵な花園

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 すぐに時間の感覚がなくなり,何度も意識を失っては目を覚ました。その度に首に取り付けられた細いチューブから点滴のようなもので透明な液体を強制的に身体に流し込まれるのを不安と恐怖を感じながら凝視し,落ちてくる液体に怯えて呼吸が荒くなった。  これが悪戯ではないのは,全裸で拘束され首に針が刺さり点滴を打たれている時点でわかっていたが,どうしても現実を受け入れられず,たちの悪い悪戯であって欲しいと何度も願った。  点滴で私を殺さないように最低限の栄養を与えているのだろうと思ったのは,細い管から液体が落ちる度に針が刺さった首筋の血管が焼けるように熱くなり激しく脈打っているのを感じたときだった。  ステンレス製の台の上で失禁しても,意識が戻ると綺麗に洗い流されていたので,誰かかいることはわかった。最初は微かの残る羞恥心が大便を我慢していたが,すぐに下痢便と尿を垂れ流すようになり,異常に喉が渇くようになった。  太陽光とは違うやけに白い照明の灯りが消えたかと思うと,部屋のなかが淡いオレンジ色の照明に包まれた。こうやって定期的に照明が切り替わることで,昼と夜の違いを表しているのかと勝手に思い込んだが,意識が朦朧として光の違いがわからないこともあった。 『おねがいだから……ひどいことをしないで……こわいことをしないで……』 『こわい……こわいよぉぉぉ……』  頭の中で繰り返し何度も見えない相手に懇願した。
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