少女たちの素敵な花園

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 意識が遠のく瞬間,微かに人の気配を感じることが何度かあった。その瞬間,現実に引き戻され,助けを請おうと必死に意識を保ちチャンスを逃さないように全身に力を込めたが,いつも目が覚めるとベージュ色の天井が見えるだけだった。 『ダ……ダズ……ゲ……デェェ……ダレ……ガァァァ……』  喉が潰れ声にならない声が呻き声のように漏れた。人の気配を感じて以来,何度も助けを求めて叫び続けた。何度か人の気配を感じたが,その度に意識を失っては絶望のなかで心が張り裂け笑いと涙が止まらなくなった。手足の感覚がなくなり,背中の痛みすら麻痺して感じなくなっていたとき,ようやく人影が視界の隅に入っていることに気がついた。 「あれ……もしかして明日香ちゃん,もう目が醒めちゃった? やっぱり体質ってあるんだね」  聞き覚えのない声に名前を呼ばれ動揺した。視界の端に微かに見えるその影は私の死角をよくわかっていた。ゆっくりと近づくが,その姿を見ることはできず,不自然な呼吸音が頭の周りで響き渡った。 「久しぶり。明日香ちゃん,相変わらず綺麗ね。こうやって再会できてとっても嬉しい」  声の主は頭の上のほうから話しかけてきたが,その姿を見せようとはしなかった。 「ずっと昔から綺麗だったけど,いまも本当に綺麗……うっとりしちゃう……」 『ダレ……オ……レガイ……ダズ……ケデ……』  小さなボールの間から微かに声が漏れたが,もはや完全に言葉になっていなかった。大量の涎が喉の奥でゴロゴロと鳴った。目からは涙が溢れ出し,感覚のなくなった手足が痺れているような気がした。 『ダズ……ゲ……デェェ……ゴワ……イ……ヨォォ……』
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