少女たちの素敵な花園

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「ごめんね,明日香ちゃん。私,そろそろ行かなくちゃ。えっとね,人間の腸がどれくらいの圧に耐えられるかわからないんだけど,適当な時間に破裂すると思うから。でも心配しないでね。ほら,ここにある動物実験に使ってた先輩の資料。この資料には同じ実験を豚の腸でしたときの計算式とか書いてあって,豚を殺さないまま腸を破裂させたことも書いてるの。だからみんなも死なないよ。安心してね。また見に来るから」  女の子がそう言って部屋を出ていく音が耳の奥で微かに聞こえていた。涙が止まらず,自分の死も,結子と美樹と同じような身体にされていることも受け入れられなかった。 『オド……ウ……ザ……ン……オガア……ザン……ダズ……ゲ……デ……』  涙が溢れて止まらなくなり,鼻水が垂れ目の前が真っ白になっていった。感覚のなくなった下半身が異常に圧迫されているのがわかり,怖くて目を瞑ったその瞬間,身体がほんの少しだけ宙に浮き,目の前のベージュ色の天井に大小の赤黒い花模様がビッチリと写し出された。 『オネ……ガイ……ダレ……ガ……ダズゲ……デ……』  部屋の隅からも二人の苦しそうな呻き声と,ビチャビチャと湿った重みのあるなにかが床に垂れる音が聞こえてきた。そして健治の満面の笑みと,かつてこの建物で実験動物として学生たちに命を弄ばれて死んでいった恐怖と絶望に怯えた動物たちの震える姿が頭に浮かんでは消えた。 『ダズ……ゲ……デェェ……ゴワ……イ……ヨォォ……』 『ゴワ……イ……ヨォォォ……』 『ゴワ……ィ……ォォォォ……』 『オドウザ……ン……オガア……ザン……ダズゲ……デェェ……』
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