3947人が本棚に入れています
本棚に追加
その日1日同じようなことを繰り返し、夜幾分か楽そうに眠りについた桜を見てホッとする。洗濯機を回しリビングに戻るとスマホが音を立て、桜を起こすまいと相手も確認せずに出ると竹野内さんからだ。
‘昨日から桜子に送ったメッセージに既読もつかないのですが何かありましたか?’
「あー夏風邪で熱出してダウンしてます」
‘えっ…そうでしたか…具合は?’
「今夜眠れたら楽になると思います。何か連絡ありましたか?」
‘今週末に都内で行われる花火大会がよく見えるホテルの部屋を、知人が半年以上前から予約していたのに都合が悪くなったそうで、もったいないから使ってくれと連絡もらったんです。部屋から5、6人で楽しめると聞いたので西野さんと桜子、マミさんも良かったらどうかと思って’
「ありがとうございます…桜…きっと行きたいでしょうが…3日後の様子がお約束出来ないので他の方を誘って頂いても…」
‘いえ、当日まで待ちます。西野さんも体調に気をつけて是非来て下さい。また連絡します’
爽やかに通話を切られたスマホを眺め、つくづくいい男だと思う。俺も友人になれそうだと思いつつマミにメッセージを入れておく。俺と桜が行けなくてもマミは誰とでもうまくやれるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!