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「賢祐は…いつも…我慢ばっかり…頑張ってばっかりだ…桜、さく…らって…」
子宮あたりを温めるように撫でながら話を聞き、ここからか?という時に桜はガソリンが切れたようにプツンと寝入った。ふっ…気持ちだけ吐き出したら今の体力の無さには勝てなかったな。我慢ばっかりなのは桜なんじゃないか…いつも俺優先だろ…そう考えながら俺の意識も深く沈んでいった。
寝返りをうとうか…いや、桜を起こさないように少し体の位置だけ変えたい…っ?桜?いない…
「桜っ!?」
「賢祐、起きた?チャーハン食べる?」
姿はすぐに見えなかったがキッチンから声がする。
「おはよう、賢祐…3時だけどね」
「3時…」
「6時間ほど眠れたんじゃない?私は30分ほど前にお腹が減って目が覚めちゃった」
「…熱は?喉は?」
「ありがとう、喉は少し違和感あるけど痛くないし熱はないよ」
「良かった…薬はもらった分、飲みきって」
麦茶をふたつのグラスに入れ、干しエビ、レタス、玉子のチャーハンを食べる。一気に食べ終え
「あー生き返った気がする」
「賢祐…ちゃんと食べてなかったの?」
「いや…大丈夫だ」
「賢祐の大丈夫は当てにならない」
俺がよく桜に言う台詞を真似る彼女の額をつつくと
「ん、熱はないな」
「ひどい確かめ方ね、うふふ」
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