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花火開始までは1時間弱らしく、とりあえず食事を始めようと、思い思いのドリンクを各自グラスに準備する。互いに気を使わずにいられるベストな方法だなと思っていると竹野内さんが
「今夜はとてもラッキーなことにこんな部屋が使えることになりました。これもひとえに俺の日頃の行いのおかげという事で俺に感謝しつつお楽しみ下さい。乾杯」
と冗談交じりに乾杯の音頭をとり
「「「「乾杯」」」」
私…こんな事は…誰かと乾杯って初めてで…声を出せば何か込み上げて来そうでぐっと堪えた。賢祐は気づいているのだろう…私の背中を数回擦り自分のグラスを私のグラスに小さくコツンと合わせた。
「桜子は病み上がりだから今日はナマモノは避けてオーダーしたからな。どれもたくさん食べて」
竹野内さんの声に礼を言う前にマミさんの声がする。
「キャーここにも出来る男!今夜のお酒は美味しくなるわ」
「ふふっ、竹野内さんありがとう。いただきます」
部屋には椅子もソファーもあり、私はソファーに向かった曽根さんに
「曽根さん…一緒にいいですか?」
後ろから声を掛けてみた。
「…ええ、もちろん…」
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