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マンションに帰り桜に気分を尋ねても大丈夫だと言うので、先に風呂に行かせる。時間を見計らいハーブティーを淹れたが、なかなか上がって来ない彼女の様子を見に行こうかと思ったところでやっと上がったようだ。部屋に行こうとする彼女に声を掛ける。
「桜、ハーブティー淹れたよ」
「…ありがとう」
俺も風呂に向かおうとしたが、桜の目が赤いことに気づき不自然に立ち止まった。泣いた?やっぱりしんどいのか?
「…桜…どうした?」
「うん?美味しいよ」
彼女は質問には答えずカップに口をつける。
「泣いたのか?」
「ううん」
「目…赤い」
「シャンプーが入っちゃった」
両目に?おかしいと思ったが今は何も言いそうにないと風呂に入った。体調が悪い?パーティーで何かあった?俺が風呂から上がると彼女はもうベッドに入っていた。話をしたくないのだろうが早く聞かなくてはならない…あの頃死にたかったなんて気持ちを10年以上も誰にも吐き出せないような…そんな事二度とさせないからな。
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