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ビクッと肩を跳ねさせた後縮んで行きそうな桜の肩から背中を撫で
「他の人にならそう言って終わり、だけど…」
ぎゅっと抱きしめ直し桜の心に届くよう額を合わせて伝える。
「桜とはきちんと話するよ…絶対に手離さないし、幸せにするために」
そう言うと彼女は俺の胸に顔を埋めてしまうが続けた。
「桜にはくだらなくないことだから考えていたんだろ?桜、聞いて…俺が他の人とどんな難しい話をしようがどんな難しい本を書こうが、それは俺の一部であって一番ではないよ。桜が俺の全てで俺の一番なんだから…桜は一緒にいてくれるだけでいいんだ…いてくれないと何も出来ない…桜は桜のままでいて」
頭に唇を落とし背中を擦るが反応がなく更に続けた。
「それでももちろん桜が知らない事わからない事、聞きたくなったらいつでも聞いて…わかるまで何回でも話するよ」
少し俺の胸と隙間を作り胸元を見つめたままゆっくりと彼女が聞く。
「…賢祐は…私でいいの?」
「桜じゃないとダメ」
「私…賢祐のために…何が出来るかな?」
「何もしなくていいけど…一緒にいてくれるだけでいいけど…色々ともうしてくれてるよ。俺が疲れていたら休ませてくれるし甘えさせてくれる。美味しい食事を作って一緒に食べてくれる。大好きって言って一緒に眠ってくれる…そして俺の名前を呼んで笑ってくれる…十分だ」
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