番外編 12月

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 寒い翌朝、温かい布団から出るのを拒むように二人ベッドで身を寄せ合い話す。 「桜…もう心配事はない?」 「…うん」 「気になる事はない?」 「うん…ない」 「本当に?少しも?」 「えっ?何かある?…ないよね?」 「ははっ、無いならいい…けど、もう一度言うよ…俺の一番は桜だからな」 「うん、ありがとう…私も賢祐が一番で…私が賢祐を幸せに出来たらいいなって…思ってる」 「それだけでもう幸せだ」 「あっ…気になる事あった…お願いっていうか…」 「ん、何でも言って」 「あのね…賢祐…私より…先に死なないで…」  とても小さな声で訴えるように言う。 「そうだな…桜を残しては逝けないな」  俺はそれだけ言うと彼女が折れそうなほど強く抱きしめた。
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