西野賢祐

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「日が長くなったね」  穏やかに話す桜に歩調を合わせて歩く。 「そうだな。毎日同じ時間に歩くと良くわかる」 「書き始めたの?」  彼女は作品の内容などは全く聞いて来ないが書いてる時期かどうかは確認してくる。 「始めた。うずうずしていたからな、上々の滑り出し」 「そっか。お昼は食べた?」 「パンとバナナは食べた」 「なるほど…結構書いた感じだね、ふふっ」    マンションへ着いた時、スマホの振動を感じるが無視する。必要のない電話だ。 「ただいま」  靴を脱ぎながら言う桜に続いて 「おかえり、お疲れ」 「賢祐もお疲れ様。今日はまだ書くよね?すぐ夕飯作るから先にお風呂済ませてね」 「ありがとう、桜。夕飯簡単でいいぞ」  
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