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会社近くのカフェレストランで、私は真由に凝視されながらパスタを頬張る。 「らにほぉらいってら。」 「はい?」 可愛らしい顔を惜しげもなく般若顔に変形させて真由が聞き返す。私は口の中のパスタを飲み込み、水を一口飲んでから改めて宣言する。 「何もないってば。」 「またまたぁ。対戦相手ってなによ?誰を想定しての質問よ?」 ニヤニヤしながら、真由が聞いてくる。 うむ、困った。 真由が香田と同じことを考えているのか聞きたかったけど、そもそも香田の思考をどう知ったかを話せない以上、真由にも聞けない、ということを忘れていた。 もうここは、 田島って私のこと好きだと思う? ってド直球に聞く?聞いちゃう? いや、ダメでしょ。イタイ人になっちゃうでしょ。 悶々としながら、私がまたパスタを口に運んでいると 「じゃ、とりあえずどっち?佐々木?田島?」 と真由が聞いてくる。 「どっちとは?」 「今日、何もないけど話たかった話は、佐々木のこと?田島のこと?」 「あぁ・・・ええっと、田島。」 「きたぁっ!田島きたぁ!」 真由が両手で口を押さえて目を輝かせる。 仕草も見た目も可愛いけど、発言は競馬場のオヤジそのものだ。 「で、田島がどうしたの?」 真由が、大きな目をキラキラさせて身を乗り出す。 「・・・真由、楽しそうだね。」 「うん、楽しい!で、田島がどうしたの?」 悪びれないなぁ。でも、そこが可愛いぞ、わが友よ。 「いや、田島がどうかしたわけじゃないんだけどさ。」 「うん、うん。」 「ただちょと、ほら、なんていうかさ。」 「うん、うん。」 「なんかこう、田島がさ、田島だしさ。」 「はい?」 再びの般若顔。 いや、ごめん、お怒りごもっとも。歯切れ悪すぎですよね。 私は頭を抱えてうーーーんと、唸る。
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