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「ごめん、なんか頭の整理がついてなくて。」 「なんかあったから、混乱してるんでしょ?まずはそれを教えてよ。」 「うーーん、田島と何かあった、とかではないんだけどさ、何ていうか、田島って結構分かりやすいじゃない?」 「うん。思考ダダ洩れだよね。」 「え?」 真由も能力あるの?と私は口をあんぐり開ける。 「分かりやすすぎ。誰がどう見ても分かる。」 あ、聞こえてるわけじゃないのね。 「なのに百合は全く気が付かない。百合は結構モテるから、敢えて気づいてないふりしてるのかなぁと思ったこともあったよ。でも、見てたら本ッ当に気づいてないみたいだし。結果、なにも進まない。何この耐久レース?ダダ洩れVS鈍感?」 「・・・なんか、すみません。」 すごい勢いで話す真由に気おされ、思わず謝ってしまう。 「でもやっと気づいたんだね。この戦いにもついに終止符が打たれるわけか。いやー長かった。」 真由が満足気に頷くと、パスタを食べ始める。 「付き合うの?」 「誰と?」 「田島と。」 「え?なんで?」 「はい?」 三度(みたび)の般若顔。 「え?告白されるの待つ、とかじゃないよね?4年も告白しなかったモジモジ君だよっ?百合から言わないと一生付き合えないよっ?」 「え、いや、そうじゃなくて。」 「えっ?あ、断るほう?あぁ!じゃ、佐々木か!佐々木と付き合うんだねっ!同じモジモジ君でも、やっぱ最後は王子かぁ!」 真由が、ポンッと両手を合わせて目を輝かせる。 私はフリーズ状態で真由を見つめる。 数秒間、見つめ合った後、真由の表情が変わる。 「え?え??気づいたんでしょ、田島と佐々木が百合のこと好きだって。」 「いや、そう・・・ではなかった、かな。」 佐々木のは4年前から知ってたし、田島については間違いだと思います。 「うっそっ!!」 真由が大声を上げて立ち上がる。 「え?私バラしちゃったっ!?うわぁっ!どうしよう!佐々木っ、田島っ、ごめんっ!」 天に向かって手を合わせる。 「二人ともまだ生きてるから。せめて地平線に向けてあげて。」 「はぅぅ・・・。」 真由が涙目で私を見る。
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