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<出掛けたり、映画見に行ったり、色々したい。あ、旅行も行きたい。絶対楽しい。よーし、金貯めよ。>
田島の心、結構おしゃべりなんだね。今まで本当に気持ちを抑えてたんだなぁ。じんわりと苦い感情が胸に広がり、横顔をじっと見上げていると、田島がこちらを見る。
<ガン見だな。>
「ガン見だな。」
いつものシンプル思考に安堵感を覚えて微笑むと、田島も微笑んで、唇を重ねるだけの優しいキスをされる。
これからは聞こえても、聞こえなくても、田島の心にしっかり向き合うよ。
田島の目を見つめて、心の中で誓う。
<ん?足りない?>
「ん?足りない?」
田島がまた口づけをする。さっきよりもしっかりと引き寄せられて、唇を舐められる。少し開くと、田島の舌がするりと入ってきて、私の舌を誘い出すようにゆっくりと動き回る。
私は蕩けるような感覚に没頭する。力が抜けそうになり、しがみつくように田島の服を握る。
角度を変えて、さらに深くなる。水音と、田島の息づかいと、全てが私を興奮させる。
ああ、これはマズい。また腹キュンが・・・。
<ヤバ、ムラムラしてきた。>
田島が唇を離す。
<今日はできないから、この辺で止めとかないと。無理強いしたくない。>
田島の心の声にまた腹キュンを起こす。
んー、ごめん、私が我慢できないみたい。
「もっと。」
<こら、こら、こら>
「いや、これ以上したら止まんなくなりそうだから。」
「私も。」
<エローーーーいっ!>
「百合はいつからそんなにエロくなったんだ?嬉しいけど。」
「田島のことエッチな目で見るようになってから。」
<俺のせいだってよーーーーっ!>
「もう無理。我慢無理。」
田島が私を押し倒し、唇を塞いだ。
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