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佐々木は、何故か私に好意を抱いている。 気づいたのは入社して半年後、同期で飲みに行った時だった。 隣に座った佐々木から <やった、北見の隣に座れた!> という声が聞こえてきた時は、ん?と思ったくらいで特に気にしなかった。 しかしそのあと <北見、あんまり飲み会こないからなぁ。今日は隣ゲットできてよかった。> と続き、さらに <いっつも、田島が隣座っちゃうんだよな。・・・まさか、あの二人付き合ってないよな。いや、ないない。北見がフリーなのは確認済。あぁそれにしても北見の隣で飲めるなんて幸せ。> と続いたところで、おおっと、これはまさか・・・と思い至った。 王子佐々木に好意を抱かれて、悪い気はまったくしなかった。むしろ、浮かれた。恋愛に後ろ向きだった私でも、佐々木なら、いいんじゃない!?と思ったくらいだった。 ただ、その期待はすぐに消え去ることになる。 佐々木は、その外見、外面とは裏腹に、かなりのエロ男爵で、おまけにかなーーーーり私のことが好きだった。 つまり、彼の近くにいると、私は彼の心の声に悪酔いしてしまうのだ。
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