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懺悔
僕が服役する前まで住んでいたアパートに戻ってくると、そこには目を塞ぎたくなるような光景が目の前に広がっていた。
誹謗中傷の言葉で埋め尽くされたドアや壁は、元がどんな風であったかわからないほど、スプレーで書かれた文字や貼り紙でいっぱいになっていた。
大家さんは僕の姿を見つけると、すぐに出ていって欲しいと粗雑な物言いで言葉を吐き捨てていった。
僕は後悔した。これほどまでに大変なことをしてしまったのだという自責の念に苛まれた。
シイ タケルという男を轢いてしまったのだ。そして愚かにも逃げてしまった。何という卑劣な行為をしてしまったのだろうか。
決して故意に事故を起こした訳ではない。シイ タケルという人物は、僕の知人ではあったが、警察から話を聞くまでは、全く気付いていなかった。
後に知ったことだが、僕が起こした事故のせいで、彼は亡くなってしまった。本当に悔やんでも悔やみ切れない。今はただ深く反省し、このことを忘れずに生きていくことしか、僕には許されていなかった。
郵便受けの中には、中傷された紙や溜まった郵便物でいっぱいだったが、その中に一通の宛名のない封筒があった。
部屋に入って、封を切ると中には十二枚の手紙が入っていた。
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