聖冥の剣と魔族の戦い

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聖冥の剣と魔族の戦い

数日後風の国へと向かう敵が現れた。その敵は城へと続く道を突き進んでいた。その気配に気づくエアリス。エアリス(なんだろう。この感覚。アレックスでもシリアスでもない。もっとどす黒い感覚ね。)その城にはエアリスの妹であるエミルも住んでいた。エミル「お姉ちゃん。どうしたの?大丈夫?」エアリス「えっ。あっ。ごめん。気にしないで。」エミル「うん。わかった。」その敵はだんだん城へと近づいていた。エアリス(まずい。近すぎる。)エアリス「ごめん。エミル私外を見てくるわね。」エミル「わかった。無理はしないでね。」「あら気づかれたかしら。ここで待つとしようかしら。」エアリス「あなたね。城に近づいていたのは。何が目的。」「今は言えないわね。あなたの力を魅せてもらえる?」エアリス「わかりました。戦うしかないのね。」じっくりと構えるエアリス。戦い始める敵とエアリス。エアリス(何これ。アレックスよりも強い。こんなの戦い続けられない。)エアリスは壁に叩きつけられる。エアリス「うあ。がは。はあはあ。」「つまらないものね。これで終わりにしようかしら。」敵はエアリスに上から襲いかかってくる。アレックスはその敵の拳を弾き返した。アレックス「大丈夫か?エアリス。」エアリス「ありがとう。アレックス。助かった~。」シリアスも駆けつけていた。シリアス「エアリスは私が回復させておくわね。」アレックス「ああ。頼む。できればシリアスも一緒に戦ってくれると助かる。」シリアス「わかった。もう少し待ってね。それだけ強いのね。」激しい戦いを繰り広げるアレックス。その戦いはアレックス一人では勝てない程だった。シリアスも一緒に戦い始める。シリアス「エアリス。そんな力を持っているのね。できればその力でアレックスを戦いやすくしてくれる?」エアリス「えっ。わかった。やってみます。」「あらいいわね。この感覚。じわじわ効いてくるのね。」エアリスには相手を徐々に弱体化させたり、味方の負担を軽くすることで味方が素早く力強く戦うこともできる力がある。アレックス「こんなに戦いやすくなるとはな。驚いたぞ。これならいくらでも戦える。」その戦いは敵を追い詰めていく。「まだまだ戦えそうだけどそろそろやめにしようかしら。また会えるときが楽しみね。」その敵は姿を消した。アレックス「助かったぞ。シリアス、エアリス。」シリアス「凄い。エアリスのおかげで戦いがこんなに楽になるなんてね。」エアリス「ありがとう。はあはあ。疲れた~。城に戻りましょう。」アレックス「そうだな。ゆっくりと歩いて城に戻るか。」城へと戻っていくアレックス、シリアス、エアリス。その頃アルフォードはある男と戦っていた。アルフォード「はあはあ、お前一体何者なんだ?」「さあな。今のお前には教える価値すらないがな。」アルフォード「なんだと。あああ〜〜。はあ。」アルフォードは聖剣で攻撃した。片腕で受け止め、アルフォードを波動で吹き飛ばした。アルフォード「うあっ。くっ。くそ。」「本当にそれでレイツェルを倒したのか?そんな力微塵も感じないがな。それにしてもこんなに戦っても思い出せないとはな。ヒントだけ教えてやる。俺とお前は数年前にも一度戦ったことがあるぞ。といってもお前が聖剣を持ち始めた頃の話だがなあ。」アルフォード「なっ。何言ってるんだ。俺とお前が戦ったことがあるわけないだろ。」「そうか。どうやら聖剣はそうではないと、俺とお前が戦ったことがあるかのような反応をしているがな。」アルフォードの聖剣が戦い始めた時から光り輝いていた。その輝きはアルフォードが何か力をこめたわけでもなく聖剣がまるで意志を持っているかのように勝手に光り輝いていた。アルフォード「まさか。聖剣が光り輝くきっかけがお前だって言うのか?たとえそうだとしても俺はお前を倒す。はあああ〜〜。」アルフォード聖剣の力を引き出し魔族化しながらも聖なる力を纏い始めるアルフォード。聖剣の力を練り上げ波動を放った。「ほう。そうだ。その力だ。アルフォード。お前の本当の力を魅せろ。そして、思い出せ。この俺が誰なのかをなあ。」アルフォード「なっ。あれを耐えるだと。それどころかまるで通用しないだと。全力で撃ったのに。はあはあ。」ガク。アルフォードは聖剣を地面に指して立っているのもやっとの状態だった。「ふふ。残念だ。今のお前にはその程度の力しかだせないとはなあ。その聖剣は本来ならこの俺を倒す程の力を秘めているからなあ。この程度では100%の内の5%といったところか。なんなら今俺が真の聖なる力を魅せてやる。安心しろ。この世界は気に入っているからな。破壊しない程度の力に抑えて魅せるか。ああああ〜〜。これが本来の聖なる力だ。なんなら今受けてみるか?耐えられるとは思えんがな。」アルフォード「あっ。あっ。そんなの受け止められるわけがない。」「そうか。まあいい。お前が耐えられるか楽しみなんだがな。きっかけがわかっているのなら今度会うときには発揮できるだろう。楽しみにしているぞ。」男は姿を消した。アルフォード「はあはあ。もういなくなったのか?気配すら感じられない。だがまだ光り輝いているということは記憶したのか?シリアスのところにいって確かめるか。確か風の国にいるってあいつに出会う前に言われたっけなあ。いってみるか。」アルフォードは風の国へとゆっくり歩き始めた。その頃風の国ではアレックスとエアリスが修行していた。アルフォードはその様子を観ながらシリアスにストラウドと戦った時のことを話した。シリアス「そう。そんなことがあったのね。まだ聖剣が光輝いているわね。ならアルフォードが聖剣をどんな風に手に入れたかを話さないとね。」アルフォード「ああ。頼む。教えてくれ。」シリアス「それは今から数年前に聖剣の元である只の剣をあなたがひろった時から始まるわ。あなたは昔私と幼なじみでよく一緒に遊んでいたわ。でもそんなある日悲劇が起きた。私とあなたが住んでいた聖域を何者かが滅ぼそうと動き始めたの。あなたはそれを阻止するために聖域にある剣をひろった。その剣で強敵をあなたと私は倒していった。その過程で剣はどんどん成長していき聖剣へと姿を変えていった。私も観ていて不思議な体験だつた。まるであなたが強くなるたびに剣が成長して聖剣になる奇跡を見た感覚だった。聖剣のその姿を見たストラウドは驚いた。それでも戦い続けるストラウドをあなたは倒した。その後あなたはゼットと出会い、相棒の様にずっと一緒にいた。後はレイツェルと遭遇した所からだから大丈夫よね?」アルフォード「ああ。わかった。ありがとう。俺はその戦いで聖剣を手に入れたんだな。ストラウドとさっき戦ったのか?それとも別の男なのか?今考えてもはっきりしないな。ところでエアリスは何をやってるんだ?観た感じ新しい魔法か技を会得しようしてるのか?」シリアス「たぶん。その両方ね。私達もあなたとは違う女性と戦って勝てなかった。だから何かきっかけだけでもつかもうとしてるのよ。」アレックス「きっかけだけでも足りないが、三人で戦った方が早いかもな。」エアリス「それがいらないように今修行してるんだからそういうことは言わないの。きっかけはつかんだけど力が保てないわね。どうしてかしら?」アルフォード「今エアリスがやろうとしているのはシリアスがよく八精霊の力を纏うのを真似してる感覚だろう。たぶんこんな感じか?」そう言うとアルフォードは聖なる力を纏い始めた。エアリス「何でそんなことができるの?」アルフォード「きっかけをつかんだ今のお前にもできるさ。俺もきっかけをつかんだだけだからな。本来の力の5%しかだせてないからな。」アレックス「よし。それなら四人の中で誰が長く纏えるか競争してみるか?ただし倒れるのはなしだからな。気をつけろよ。」シリアス「よし。わかった。やりましょう。コツを掴むのにちょうどいいわね。」エアリス「じゃあ準備はいい?やってみるわね。はあ~。」四人はそれぞれの力を纏い始めた。その四人の力を感じたゼットとセルシウス。ゼット「こっちも負けていられないな。同じように力を纏うか。セルシウス。」セルシウス「ああ。もちろんだ。この世界が崩壊しないようにな。」ゼット「この世界はそんなに脆くはないさ。」やがて六人の力が共鳴しぶつかり始めた。数時間後。エアリス「はあはあ。もうダメ。一旦休憩しましょう。」アルフォード「そうだな。そうするか。」アレックス「飯食って寝れば。回復してるだろうからな。」シリアス「そんなに上手くいくかしら?まっ。いってないと困るけどね。ゼットとセルシウスも同じ事してたしね。」六人の力は消え、ゆっくり休んでいた。「今のがあの六人の本来の力なのね。また会えるのが楽しみね。」「その頃には追い越されるな。」「それは大袈裟。でもそれぐらいの力ね。あの六人は。そろそろ誘ってみたら。セルシウス。」セルシウス「そうだな。数日間様子を見てからだな。」「用意周到ね。精霊さんたちが大変ね。」精霊たち「あわわわわわわ。なんて力だ。この世界が崩壊しないように保つのがやっとだよ〜〜。」「加減というものを知らんようじゃな。奴らは。気をつけるんじゃぞ。お前ら。」「うん。彼等は加減してるだろうからね。バランス調整をしましょう。」六人の修行は一週間続いた。数日後。六人は風の国に集まっていた。シリアス「アルフォード。セルシウスが何か話したそうにしてるから食べるのやめなさい。」セルシウス「別にかまわん。そのままでいいから聞いてくれ。お前たちが数日前に戦った二人は魔界の者だ。何も魔界への出入口ができた訳ではないから安心してくれ。この世界は希にそういうことが起きる世界なんだ。」アルフォード「なんだ?セルシウスの知り合いか?」セルシウス「そんなところだ。それでこれは相談なんだが、六人で魔界へ行こうか?聖域の奥底には魔界へと繋がる道がある。そこから魔界に行こう。」ゼット「その目的は?出入口ができるかもしれないからか?」セルシウス「両方だ。今のお前たちがおもいっきり戦える世界が魔界だからだ。」アレックス「そういうことならいってみるか?準備はできてるんだろう?みんな。」エアリス「ええ。大丈夫。その間風の国は妹にお願いするわね。ほら自己紹介でもしたら。」リスタルティ「はい。お姉ちゃんと一緒にこの城で働いているリスタルティです。」シリアス「立派な妹さんね。それじゃ行きましょう。魔界へ。」アルフォード「シリアス。お前は聖域にいる方が良くないか?」シリアス「なんで仲間外れにするのよ。私はもう闇の力なんて何の影響も受けないから大丈夫。行きたい〜〜。」シリアスが駄々っ子になり騒ぎ出した。アルフォード「わかった。わかった。連れていくから落ち着け。セルシウス今すぐ。魔界に向かってくれ。」セルシウス「ああ。わかった。行くか。」アルフォード達はセルシウスと共に魔界へと向かった。魔界へとたどり着いた。エアリス「これが魔界なのね。何てどす黒い世界なの。」魔界。それは邪精霊が沢山住む世界である。セルシウス「それじゃ、俺は二人を探すとするか。ここで待っているか?それぞれの行動で動いても構わないぞ。」アルフォード「わかった。じゃあそれぞれで動こう。」魔界に着いた六人はばらばらに散り始めた。数分後。セルシウス「なんだ。お前らここにいたのか。」「ああ。連れてきたんだな。あいつらを。さあ。会いに行くとするか。」「そうね。私もあのお姫様を探そうかしら。」セルシウス「お姫様ってエアリスのことか?エアリスは風の国の女王だぞ。」「あらそうなの。知らなかったわ。行きましょう。」セルシウス「まあ。いい。お前らも好きにしていいぞ。」「あいつら五人はばらばらに動いてるんだったな。アルフォードから探すとするか。」セルシウスと二人はばらばらに散り始めた。その頃エアリスは森のなかを抜け、広い草原に着いた。エアリス「だいぶ。魔界を歩いたけど魔物一匹もいないわね。もっといっぱいいるのを想像してたんだけどな。」「あらそんなところだと思ってたのね。エアリス。さあ魅せてもらおうかしら?あの頃からどれくらい成長したのかをね。」エアリス「はあ〜。不思議ね。あの頃の力の差を今はあまり感じない。私が強くなったからなのね。そういえばあなたの名前を教えて欲しい。」「メデューサよ。何ならわたしの過去でも語ろうかしら?」エアリス「そうね。聞かせて。私も知りたい。」メデューサ「私は小さい頃から魔界で育ったの。不思議と魔族として育ったからかお腹が空くことはなかった。あなたが育った世界は何て言うの?」エアリス「マナの世界っていいます。」メデューサ「そう。そんな名前なのね。マナの世界の人が魔界にもたまに現れた。私はその人を殺したこともあった。いろんな魔族と出会い戦ってどんどん強くなっていった。そしてセルシウスと出会い戦って私は負けた。初めて負けを知ったの。屈辱的だった。その時に倒れている私をみつけたのがストラウド。」エアリス「ストラウドってもしかしてアルフォードが戦った男のこと?」メデューサ「そうよ。私が傷が癒えた頃にはいなくなっていた。たぶんマナの世界に行ったのね。セルシウスと共に。私は魔界でその二人よりも強くなろうと必死だった。でもみつからなかった。二人よりも強い敵は。レイツェルにも会った。戦わなかったけどね。レイツェルもマナの世界に行った。」エアリス「どうしてレイツェルとは戦わなかったの?」メデューサ「たぶんお互いに興味がなかったからよ。私もまだ完全に傷が癒えてなかったしね。そして私はどんどん強くなっていった。今のストラウドとセルシウスに負けないくらいにね。さあ今度はあなたの。いいえ。エアリスの過去を教えてくれないかしら?」エアリス「ええ。もちろん。私はマナの世界の風の国で生まれ育ったの。風の国のまわりには魔物が沢山いた。私は女王になるために魔物と戦いながら成長した。両親の後を継ぐためにね。そんなある日風の国は魔族に襲われて滅んだの。私の両親も魔族に殺され、私と妹、何人かは地下に逃げる事ができた。私は妹と皆に風の国の復興を任せて、魔族を追うことにしたの。魔族を追って旅をしている時にアルフォード、シリアス、ゼット、アレックスに出会って、五人はばらばらに動いて、それぞれが倒したい魔族を倒していった。私は風の国を滅ぼした魔族を倒した後は風の国に戻って復興を手伝ったの。戦いは終わり平和が訪れた。私は風の国の女王として即位して、四、五年経ったある日、ぼろぼろのアルフォード、ゼット、アレックスの三人が傷を癒しに風の国へ来た。確か後からセルシウスも来たわね。傷を癒した四人は黒竜の導師とレイツェルを倒しに行った。その間私は風の国で暮らしていた。レイツェルを倒した後はなぜかアレックスと一緒に暮らした。アレックスは風の国が気に入ったからだと言っていた。」メデューサ「それはエアリスも好きだったからじゃないの?」エアリスは顔が赤くなりながらも否定した。エアリス「そんなわけないでしょ。変なこと言わないで。」メデューサ「あらこの前戦った時はそんな印象を受けたけど間違いだったかしら。」エアリス「うるさい。さあかまえて。お互いに過去を語り終えたんだから、戦いましょう。」メデューサ「ふふ。まあ。いいわ。お互いに全力で戦いましょう。」エアリスとメデューサはかまえ戦いは始まった。その頃アルフォードは戦っていた。アルフォード「今思い出した。確かお前はストラウドか?」ストラウド「そうだ。やっと思い出したか。思い出したのなら俺について語るとしよう。なぜアルフォードの聖剣が俺に反応して光り輝いているのか?それは俺が聖なる力を纏っているからだ。俺は魔界で育ちセルシウスと共にマナの世界へと行った。聖剣を持ち始めた頃のアルフォードと出会い戦って負けた。その時に俺はお前に倒されたが俺の肉体と魂は魔界へと行き、大量の邪精霊を吸収し、魔族として生まれ変わった。その時にてっきり聖なる力をなくしたのかと思っていたが、最近になって発揮できるようになった。たぶん。お前とまた戦ったからだろうがな。」アルフォード「そいつはよかったな。俺もまさかあの頃に倒したお前とまた戦う事ができてうれしい感覚だ。不思議だな。そろそろ出てきたらどうだ。ゼット、アレックス。」ゼット「なんだ。ばれてたのか。」アレックス「お前ら二人の戦いを見守るつもりだったんだがな。」ストラウド「ふふ。何なら三人で俺と戦ってもかまわないがな。それよりいいのか?今頃エアリスはメデューサと戦い、シリアスはセルシウスと戦っているのに助けに行かなくて?」アルフォード「ちょっと待て。メデューサってこの前シリアスとアレックスとエアリスの三人で戦った敵のことだよな。そのメデューサとエアリスが戦っているのはいいとして、何でシリアスとセルシウスが戦っているんだ?」ストラウド「まさか本当に気づいていないのか?お前らはセルシウスが冥王としての力を取り戻すために利用されていたことに。助けに行かせる気はないがな。」アレックスはストラウドに襲いかかった。アレックス「どけ~。」ゼット「アルフォード。お前はシリアスの所へ行ってくれ。ここは俺がストラウドを倒す。」アルフォード「わかった。頼んだぞ。」ストラウド「行かせないと言ったはずだぞ。」ゼットはストラウドに向かって斬撃をぶつけた。ストラウド「行ったか。まあ。いい。お前を倒してからアルフォードとケリをつけるか。」ゼット「そんな簡単には俺は倒せないぞ。本気でこい。」ストラウド「ああ。もちろんだ。はあ〜〜。」二人の戦いは激しさを増した。その頃エアリス「はあはあ、まだこんなに差があるなんて。ってあれ?どこ?」メデューサ「下よ。はあ〜。」エアリスはメデューサに吹き飛ばされ岩壁にぶつかった。エアリス「かはっ。はあはあ。くっ。」メデューサはエアリスを何度も殴り、自身の後ろへと投げた。ダン。ズザザー。メデューサ「やはりあなたではわたしには追い付けないのね。」エアリスは太い鞭に捕まり動けずにいた。メデューサ「このまま。絞め殺すか。」エアリス「うっ。うあっ。かはっ。」アレックス「エアリス~。」メデューサ「遅かったわね。」エアリスを太い鞭が貫いた。ズッ。アレックス「エアリス〜〜。」エアリス「ごほっ。はあはあ。大丈夫よ。アレックス。私なら。不思議ね。こんな状況なのに力があふれだしてきた。うまくあつかえるかしら?ああ〜〜。はっ。」エアリスは太い鞭を粉々に吹き飛ばした。メデューサ「まだそんな力が。一体何が起きている?」エアリス「フェンリルバスタードランサー。」メデューサはフェンリルバスタードランサーを耐えた。メデューサ「くっ。はあはあ。まだだ。はあ〜〜。」メデューサとエアリスは互いに激しくぶつかり合いエアリスの槍がメデューサを貫いた。メデューサ「かはっ。これがあなたの本当の力なのね。エアリス。あなたと戦えて楽しかった。さようなら。」メデューサは光輝きながら消えた。エアリス「はあはあ。勝ったのね。お願い。アレックス。私を止めて。」エアリスは魔族化して暴走していた。アレックス「まさか。お前。魔族化して暴走してるのか?わかった。はあ〜。」荒れ狂うエアリスをアレックスは全力で戦い暴走を止めた。エアリス「はあはあ。もう大丈夫。魔族化は解けた。ありがとう。」アレックス「ああ。お互いゆっくり休もう。」アレックスとエアリスはその場でゆっくり休んでいた。シリアス「まさか。セルシウスと戦うことになるとはね。はあはあ。なんて強さなの。」セルシウスはシリアスの背後から波動を撃った。シリアス「うあっ。くっ。はあはあ。」セルシウスはシリアスの腹を殴り首を絞めた。シリアス「うっ。あっ。ああっ。かはっ。」アルフォード「セルシウス。はあ〜〜〜。」アルフォードはセルシウスに向かって波動を撃った。シリアス「けほっ。こほっ。助かった。アルフォード。ありがとう。」アルフォード「ああ。セルシウス。もしかして数年前に聖域を滅ぼそうとしたのはお前か?」セルシウス「ようやく思い出したか。その通りだ。俺もストラウドとメデューサと同じように魔界で育ち、マナの世界を魔界へとかえるために手始めに聖域を滅ぼそうとした。だがお前が防ぎ俺は魔界へと戻された。俺とストラウドが魔界へと戻されたのは聖剣の力だ。聖剣に斬られ力を失った俺は魔界で死ぬと思っていたが、その時に俺は黒竜の導師にとり憑かれた。それがきっかけで俺は力をわずかだが取り戻し、黒龍の導師を追い出そうとした。だが追い出せなかった。その後はお前たちと共にレイツェルを倒し、どんどん力をつけ、完全に取り戻した。お前らのおかげでな。」シリアス「まんまと利用されていたってことね。アルフォード。ゼットは?」アルフォード「今ストラウドと戦っている。そろそろ決着がつくんじゃないか?」その頃ストラウドはゼットを追い詰めていた。ゼット「はあはあ。まさか。お前がこんなに強いなんてな。次で終わりにするか。はあ〜〜〜。」ストラウド「ふん。終わればいいがな。」ゼット「剣龍波。」ストラウド「聖龍波。」二人の力がぶつかり合い、ゼットは更に追い詰められた。ストラウド「どうした?お前の力はそんなものではないだろう。もっと本気でこい。」ゼット「くっ。はあはあ。まだだ。もっと力を出せ。はあ〜〜〜。」ストラウド「そうだ。この俺の力を超えてみせろ。」ゼット「もっとだ。もっと。はあ〜〜〜。」ストラウド「いいぞ。その調子だ。」ゼット「これで終わりだ。はあ〜〜〜〜〜。」ゼットの力がストラウドの力を超えた。ストラウド「はあはあ。まさか。俺より強い奴が二人もいるとはな。アルフォードとは決着をつけられなかったが楽しかったぞ。ゼット。じゃあな。」ストラウドは光輝いて消えた。ゼット「勝てたのか?もうストラウドの気配は感じない。倒したんだな。はあはあ。さて。アレックスとエアリスを探すか。アルフォードと合流するのはその後だ。」ゼットはアレックスとエアリスの所へと向かった。ゼットはアレックスとエアリスをみつけた。ゼット「なんだ。こんなところにいたのか。さあ。アルフォードの所へと行こう。」アレックス「ああ。」エアリス「場所はわかるの?」ゼット「アルフォードの力を感じれば大丈夫だ。たぶん。この森の奥にいる。」エアリス「そうなのね。行きましょう。」ゼット、アレックス、エアリスの三人はアルフォードの所へと向かった。アルフォード「どうやら。ゼットが勝ったみたいだな。ストラウドの気配は感じない。倒したんだな。さあ。俺たちも戦うか?ところでセルシウス。お前の目的はなんだ?冥王になるだけならお前を倒さなくていいんだけどな。」セルシウス「目的か。冥王として即位できればいいが、その後の事は考えていなかったな。中々に気に入ったからな。マナの世界を。だがマナの世界を滅ぼすのも悪くはないなあ。とりあえずそれが目的かな。」アルフォード「そうか。じゃあ倒すしかないな。いくぞ。」セルシウス「ああ。こい。」アルフォードとセルシウスの戦いが始まった。ゼット「始まったみたいだな。」アレックス「ああ。」エアリス「凄い力ね。私。見れるかな。力が凄すぎて全く見れない気がする。」アレックス「力が凄いのがわかるのなら問題ないさ。」ゼット「そろそろ着くぞ。」エアリス「えっ。もう。ほんとだ。私。目で追えてる。」アレックス「目で見るんじゃない。体全体で感じるんだ。その方がより激しい戦いだとわかるぞ。」エアリス「うん。やってみる。」アルフォードはおされていた。シリアス「嘘でしょ。アルフォードでも勝てないの?」アルフォード「くそ。はあはあ。なんて強さだ。」セルシウス「どうした。俺はまだ息切れしてないぞ。何なら半分も力を出してないがな。」シリアス「アルフォード。あたしのサポートはいる?」アルフォード「いや。いい。黙って観ててくれ。でも回復があるとありがたい。」シリアス「なんだ。いるのね。素直にそう言いなさいよ。やせ我慢しないで。ほら。」アルフォード(どうすれば。勝てる?何か考えろ。)「ん。何で聖剣が光り輝いている?俺は何もしてないぞ。あいつの力は闇なのに。もしかしてもっと聖剣の力を引き出せば勝てるのか?やってみるか。はあ〜〜〜。」セルシウス「どうやら聖剣は俺から冥王としての力を感じているようだな。光り輝いているのがその証拠だ。もっと魅せろ。聖剣の力を。アルフォード。」聖剣の力を引き出していくアルフォード。シリアス「アルフォード。その聖剣の力をを全身で纏って戦わないと勝てない。思い出して。剣を聖剣へと変えたあの時の感覚を。」アルフォード「はあはあ。くそ。なんでだ?聖剣の力を身に纏うことができない。そうか。シリアスが常に纏っているのは聖なる力だ。ならシリアスの真似をすればいいのか。こうか?はっ。」アルフォードは聖剣の力を全身で纏うことができた。シリアス「その調子よ。その全身で纏った力をきっかけにもっと聖剣の力を引き出して。」だんだんアルフォードがセルシウスを追い詰め始めた。セルシウス「いいぞ。こうでなければ。楽しくなってきたぞ。もう少し力を出すか?はあ〜〜〜。」アルフォードとセルシウスの戦いを見守る者がもう一人いた。「これは楽しみだな。聖剣と冥剣が戦うその時がな。もうしばらく見守るか。」シリアス「まずい。あたしの回復が足りない。このままじゃあアルフォードがあたしのせいで負けちゃう。」エアリス「シリアス。私も手伝う。アルフォードの負担を軽くすることなら私にもできるから。」シリアス「ありがとう。エアリス。アルフォードがもう少し聖剣の力を引き出せば、あたしたちの回復がいらない感じになるんだけどな。聖なる力で回復しながら戦えるから。」アルフォード「もっとだ。だんだん聖なる力が溢れ出してきた。息切れしなくなってきたぞ。回復しながら戦えてるからだな。もう少し引き出すか。はあ〜〜。」セルシウス「信じられん。まだ上があるのか。本気でいくぞ。アルフォード。」アルフォード「ああ。こい。」アルフォードは聖なる斬撃をセルシウスに向かって撃った。セルシウス「くっ。はあはあ。まだだ。足りないぞ。限界まで力を出せ。ああ〜〜〜。」セルシウスはアルフォードに体当たりをした。アルフォード「こんの。はっ。」セルシウスは吹き飛んだ。セルシウス「はあはあ。冥龍波。」アルフォード「真聖龍波。」アルフォードとセルシウスの波動は激しくぶつかり合い、アルフォードの波動がセルシウスの波動を超えて、セルシウスはなんとか耐えた。セルシウス「ぐああああ〜〜。はあはあ。これで終わりだ。はあ〜〜。」アルフォードはセルシウスの波動の中へと突っ込み、セルシウスを斬った。セルシウス「かはっ。はあはあ。お前の勝ちだ。アルフォード。」セルシウスは光輝いて消えた。その時アルフォードはある力を感じた。アルフォード「シリアス。逃げろ。」シリアス「えっ。うあっ。かはっ。あっ。くっ。はあはあ。あなたは一体誰なの?」「この俺が冥王だ。死ぬがいい。」アルフォード「させるか。ああ〜〜。」冥王「ほう。お前は動けるのか。聖剣の力のおかげだな。だがまだ冥剣の方が上だ。はっ。」アルフォードは冥剣の波動に吹き飛ばされた。アルフォード「うあっ。かはっ。はあはあ。くそ。」シリアス「アルフォード。今はあなたが逃げて。うっ。うあ。」冥王「まあ。いい。この女を連れて行くとするか。去らばだ。聖域で待っているぞ。」冥王は姿を消した。アルフォード「シリアス〜〜。」ゼット「くそ。何もできなかった。動くことすら。冥王って名乗ってたけどあいつはセルシウスよりはるかに強いやつだ。」アレックス「今の俺達じゃシリアスは助けられない。それでも行くのか?」エアリス「たとえそうだとしてもあたしたちは常に成長しながら戦える。行きましょう。私はシリアスを助けたい。」アルフォード「ああ。もちろん行こう。俺はシリアスと出会って聖剣の本当の力を引き出せるようになった。だからこそ助けたい。」アルフォード、ゼット、アレックス、エアリスの四人はシリアスを助けるために聖域へと向かった。そこが魔の聖域だとは知らずに。一方その頃魔界と化した聖域ではシリアスが岩壁から生えた巨大な鞭に捕まり、動けずにいた。シリアス「私を捕まえてどうするつもり?はあはあ。」冥王「お前はあいつらを釣るための餌にすぎないからな。いつでも殺せる。生きた心地がしないだろう。この俺がいることで常に邪精霊がさ迷うこの聖域はな。」シリアス「確かにそうね。でも不思議と邪精霊の影響はないわね。おとなしいのかしら?」冥王「そうか。それはよかった。だがその内地獄の苦しみを味わうことになるがな。さあ。お前たち。あいつらを迎え撃つがいい。」「楽しみだな。」「あら楽しめればいいけどね。」「案外雑魚かもしれないからな。」「仮にもセルシウスを斬った連中だ。雑魚ではないだろう。楽しめるさ。」四人はそれぞれの戦う場所へと移動した。シリアス「そういえば。冥王。あなたの名前を聞いてなかったわね。もしよかったら名乗っていただけるかしら?」冥王「俺の名か?アルティーニだ。お前たちがよく知っているのが俺だ。」シリアス「嘘よ。あなたがアルティーニな訳がない。アルティーニはそんな恐ろしい闇の力なんて追い求めたりしない。騙さないで。本当の事を言って。」アルティーニ「信じられないか?俺も数年前まではこんな力が自分の中にあるとはおもわなかったさ。だが強さを追い求めていくたびに聖なる力より闇の力、いや冥王の力が上回るようになっていった。不思議な感覚だった。元々魔族ではない俺がまさか冥王の力に目覚めたのは。俺が弱く強くなりたい気持ちが生んだこの力を今は心地よく感じる事ができる。まるで当たり前の力のようにな。」シリアス「どうやら。ほんとなのね。うっ。あっ。ああ。くっ。何?いきなり苦しくなってきた。はあはあ。」アルティーニ「ようやく馴染んできたようだな邪精霊の影響が。遅かったのは聖なる力が邪魔したからだ。より苦しみを与えてやろう。殺さない程度にな。」シリアス「かはっ。あっ。くっ。はあはあ。どうしてこれで暴走しないの?ただあたしを苦しめているからなの?まさか徐々に魔族化してるの?」アルティーニ「察しがいいな。その通りだ。マナの世界そのものが魔界へと変わるぞ。刻一刻とな。昔話をしてやろう。最後までもつかな。お前たちとレイツェルを追って成長した俺はやがてレイツェルと戦い、肉体ごと消滅したはずの俺はなぜか魔界で目が覚めた。恐らく俺の中に冥王の力が目覚めかけていたからかもしれない。目が覚めた俺は強さに餓えていた。ただ純粋に強さだけを追い求める感覚だけが残っていた。その感覚に俺は従うがままいろんな魔族と戦っては勝つ度に強くなっていった。負けることなく強くなる俺は誰が相手でも勝てないほどにな。だが一人だけ勝てないかもしれないと思った奴がいた。セルシウスだ。そのセルシウスを斬った奴が現れるとも思わなかった。本当に驚くよ。お前たちを観ていると。」シリアス「一体いつから見ていたの?」アルティーニ「そうだな。レイツェルが現れた時からだ。」シリアス「わりと前から見てたのね。気づかなかった。気配でも消していたの?」アルティーニ「いや。気配なら隠さずに出しっぱなしだったがな。恐らく感じる事ができなかったのだろう。あまりの力の恐ろしさにな。」シリアス「それ。自分で言うの?そんな人柄だったっけ?私の中のアルティーニのイメージが崩壊してきたんだけど。」アルティーニ「全く。俺はお前たちの中でどんなイメージなんだ。前からこんな感じだったぞ。」シリアス「いやいや。もっと何も語らないクールなイメージなんだけどな。」アルティーニ「というかお前意外と大丈夫なのか?さっきまで苦しんでいたはずだぞ。まさか。今またなんともないのか?」シリアス「あら。そういえば。不思議となんともないわね。どうしてかしら?もしかして邪精霊の力が馴染んできたんだけど、聖なる力が上回るからかな。知らないうちにあなたと世間話してるしね。」アルティーニ「俺のお前が苦しむイメージが崩壊してきたぞ。ある意味お前が恐ろしい。不思議とお前たちが来るのが楽しみになってきた。気長に待つとするか。」アルフォードたちは聖域へとアルフォードの聖剣で穴を開け移動していた。聖域にたどり着いた。アルフォード「できるんだな。こんなことが。思い付きでやってみたが、びっくりだな。」エアリス「本当にね。できなかったら聖域に一生来れないかと思った。」ゼット「というよりは本当に聖域か?魔界にいるのと変わらないぞ。何でだ?」アレックス「恐らく冥王がいる影響だろう。奴が現れるときも禍々しい冥王の力に圧倒されて動けずにいたからな。今は何ともないな。一体何だったんだ?あの感覚は?とはいえアルフォード。分かれ道が四つあるぞ。どうする?」アルフォード「じゃんけんで決めるか?」ゼット「お前。意外とふざけてるようで冷静だな。」エアリス「本当にね。じゃんけんで決めようかしら?って少しは真面目に考えろ〜〜。」アレックス「まあまあ。あれで二人とも真面目に考えてるぞ。」エアリス「何でそう言えるのよ。あの四つの分かれ道が合流するとも限らないのよ。」アルフォード「おい。エアリス。お前それで大丈夫か?ちゃんと全身で感じればわかるぞ。この四つの分かれ道は合流するように繋がってるぞ。お前が冷静になれ。」エアリス「何であたしがそんな事言われなきゃいけないのよ。って。えっ。あっ。ほんとだ。四つの分かれ道が繋がってる。」アレックス「どうやら今実感したみたいだぞ。お前って意外と天然だな。」エアリス「何か言葉の使い方間違えてる気がするけど、たぶん全身で感じることに慣れてないからかな。」ゼット「本当に不安だ。エアリスだけ迷うだろ。」エアリス「そんな事はない。一本道だから大丈夫。迷わない。」アルフォード「とにかくじゃんけんで決めよう。」結果アルフォードが真ん中、左がゼット、右がアレックス、一番右がエアリスになった。アルフォード「じゃあ。また後でな。」ゼット「誰一人倒されるなよ。」アレックス「ああ。もちろん。そのつもりだ。」エアリス「あの〜〜。それハードル高くない?絶対満身創痍で合流するでしょ。」アルフォード「それなら問題なく合流できるな。いくぞ。」四人はそれぞれの道を進んだ。アルティーニ「シリアス。一つ聞いていいか?お前たちは馬鹿の集まりなのか?」シリアス「あら。馬鹿に見えて意外と冷静よ。あたしたちってそんな感じよ。あなたも天然ね。」アルティーニ「いや。お前らが可笑しいと思うぞ。」まさにその通りである。死地にも関わらずじゃんけんで行く先を決めているのだから尚更。その頃聖域以外の様々なところで異変は起きていた。風の国では魔族化している人々を元に戻すこともできずに殺すしかない悲しい戦いが続いていた。戦士として育った者、強い心をもつ者たちだけが戦っては悲しんでいた。だが唯一エアリスの妹だけが気づいた。光の力なら魔族化を人へと戻せることに。エミル「皆。光の力で戦って。そうすれば元に戻すこともできるかもしれない。賭けましょう。その可能性に。」そんな時。エミルの前に精霊たちが現れた。精霊たち「我々が語りかけて行こう。光の力なら魔族化している人々を救える事を。さすがエアリスの妹じゃ。」と伝え散っていった。エミル「頑張って。お姉ちゃん。あたしたちは無事に戦ってる。絶対生き残ってみせる。お互いにね。」アルティーニ「馬鹿な。なぜ、俺の力が通じない?」シリアス「それがあなたの知らない人々の強さよ。いいえ。かつてのあなたもこの強さで戦って今はなくしてしまったのね。だんだん魔界からマナの世界へと戻って来たわね。うあっ。あっあっ。かはっ。はあはあ。」アルティーニ「うるさい。黙れ。こんなはずではない。もっと苦しむ姿を魅せてくれると思っていた。」シリアス「はあはあ。あたしに八つ当たりしたって無駄よ。今のマナの世界の人々は邪精霊や魔族になんて負けない。いいえ。むしろ私たちなら魔族と一緒に暮らして行くこともできる。それが私たちが目指す未来よ。セルシウスがマナの世界を滅ぼす可能性がなければ倒すこともしなかった。むしろ魔界はセルシウス。マナの世界は私たちで護ることもできた。今となっては魔界を任せられる者がいなくなるから理想像でしかないわね。」アルティーニ「それ以上抵抗して魅せろ。本当に殺すぞ。もうお前は餌としての役目を果たしたからな。」シリアス「あら。甘いのね。いくらでも抵抗する。それが今の私にできる最大の意思だからよ。あなたに殺されたりなんかしない。」アルティーニ「ほざけ。はっ。」シリアス「うあっ。かはっ。がは。うあ。はあはあ。消耗戦にでもしようかしら?」アルティーニ「消耗戦だと。笑わせるな。貴様だけが苦しむ姿を魅せてくれる。」シリアス「くっ。はあはあ。まだ耐えられる。かはっ。が。あっ。あっ。ああ。あっ。体がいうこと聞かなくなってきた。はあはあ。」アルティーニ「しぶといな。消耗戦にでもなるからこれで止めを刺す。はあ〜〜。」シリアス「かはっ。はあはあ。」アルティーニ「本当に耐えやがった。なんて強さだ。お前の言うとおり奴らも抵抗し続けているぞ。」シリアス「はあはあ。それはどうも。消耗戦になってよかった。」アルティーニ「全く休むとするか。あいつらが来るだろうからな。」アルティーニはシリアスを苦しめるのを止め消費した力を蓄えていた。一方四人はそれぞれゼットがシルス、アレックスがヴァーズ、エアリスがリスタルティ、アルフォードがメディウスと出会い、戦いが始まろうとしていた。エアリス「あなたが私と戦う相手なのね。リスタルティ「そうよ。さあ魅せてもらおうかしら?メデューサを倒したあの力を。」エアリス(おちついて。ゆっくり観て戦えば勝てる。あたしも成長しなきゃ。)リスタルティはエアリスに向かって色々な方向から襲いかかってきた。エアリス「くっ。こんなのかわしきれない。うあっ。はあはあ。」リスタルティ「あらあら。まだまだウォーミングアップなのよ。がっかりさせないでくれるかしら?」エアリス「ウォーミングアップ?嘘でしょ。なんて強さなの?だったら。はあ〜。これでどう?」エアリスは身を護るように風の力を身に纏った。リスタルティ「その調子よ。だんだん攻撃する度に傷つけられる。」エアリス「あなた。ドMでしょ。そういう人って戦ってみると気持ち悪い。」リスタルティ「あら。そうなの。お気に召さなかったかしら?ウォーミングアップ突破ついでにあたしたちの昔話でも語ろうかしら。」エアリス「はあはあ。それは光栄ね。」リスタルティ「あたしたち四人はマナの世界で育った。そんなある日。魔界へと飛ばされた。別に誰かが飛ばしたわけじゃなく、まるで鳥が空を飛ぶような感覚ね。マナの世界でも希にそんな事は起きる。と言っても物心ついて間もない時だけどね。魔界へと飛ばされた私達は旅している間に気づいた。私達が魔族だということに。そうしてあたしたちは戦う度に勝った相手を喰らっては強くなっていった。いつの間にかあたしたちは恐ろしい悪魔に成長していった。お互いがそれぞれのペースでね。あたしが一番遅かったかしら。逆にヴァーズが速かった。まわりがとてつもないスピードで成長していくなか私は常に苛立ち、自身を憎みながら強くなるのに必死だった。あなたはどうだったかしら?」エアリス「私は自身を憎むことはなかったけど強くなるのに必死だったのはわかる。私も両親の後を継いで女王になろうと魔物と戦い続けたから。」リスタルティ「かたちは違えど求める強さは一緒かもしれないわね。そうしてあたしは誰よりも敗北を味わいながら成長していった。今のような力を得たのは大人になってからね。それでも常にきっかけは掴んでいた。でもあの時の私たちは魔界を護るために強さを追い求めていた。喰らいながら成長したのは弱肉強食だからね。私が護るのではなく滅ぼすために強くなるきっかけだったのはアルティーニに出会ってからよ。」エアリス「ちょっと待って。確かアルティーニはアレックスの話だとそんな恐ろしい人じゃないはずだけど。どういうこと?」リスタルティ「そうね。それはあたしたちと同じようにきっかけを手に入れたからね。アルティーニ様の所で誰にも負けない喰らい強くなったあたしたちは拠点を持つことなくそれぞれの場で、時には集まって誰を見て強い刺激を受けるか追い求める間にあなたたちをみつけた。私はずっとあなたを観ていた。そういえばあなたの風の国を滅ぼした魔族ならあたしが喰らったわね。今思い出した。」エアリスは驚き、そんなリスタルティをみつめていた。リスタルティ「あら。いい目をしているわね。速く戦いたくて仕方がない?」エアリスは無意識にリスタルティにありったけの力をぶつけた。エアリス「はあ〜。」リスタルティはその一撃を受け止め話を続けた。リスタルティ「焦らないで。戦いが楽しく無くなっちゃう。あなたにもあるのね。誰かを憎む想いが。」エアリス「違う。あの時のあたしの不甲斐なさをぶつけてるのよ。あなたと一緒にしないで。」ズザザ〜〜。リスタルティ「ふふ。あらそれは残念ね。」エアリス「あなたは間違ってる。そんな風に誰かを憎む力で強くなるのはあなたたちだけよ。私たちは誰かを人々を護るために強さを追い求め続ける。」リスタルティ「そう。だったらそんな強さでこれも耐えられるでしょ?」リスタルティはエアリスから離れ、いろんな方向から波動を纏った羽を飛ばした。エアリス「えっ。あっ。くっ。うあああ〜〜。」リスタルティはエアリスの腹を殴り壁に叩きつけ苦しめた。ダン。バキバキ。ミシミシ。エアリス「うあっ。あっ。かはっ。はあはあ。」リスタルティ「本当にそんな力でメデューサを倒したのかしら?そんな力は微塵も感じないわね。」エアリス「うるさい。今魅せるわよ。はあはあ。はっ。あなたたちと私たちは違う強さだってところをね。はあ〜〜〜。感じる。人々が魔族化した人々を人へと戻していく姿が。私も負けてられないわね。」リスタルティ「ふふ。素晴らしい人々。そんな風に私たちに抗えるのね。もしかしたら一緒に過ごしていく未来も悪く無いかもね。とはいえアルティーニ様に消されないようにそんな想いを無くさないとね。」エアリス「どうしてそうなるの?私はあなたのような魔族なら一緒に過ごしていきたい。私はそんな理想の世界をつくりあげたい。」リスタルティ「あなたはあまちゃんね。そんな思いじゃこの苦しみから逃れられないわね。」エアリス「うあっ。はあはあ。私はこの思いから逃げたりなんかしない。きっと人々は魔族と解りあえるから。あなたたちが誰かを喰らいながら成長するように、あたしたちは誰も喰らうことなく成長するから。もし魔界に風の国のような所があるなら仲良くなりたい。」リスタルティ「あら。いろんな個性的な魔族や邪精霊なら数えきれないほど魔界にいる。そんな者たちと仲良くなれるかしら?」エアリス「仲良くなりたい。あなたを倒した後でね。何なら妹に任せて魔界をいつでも旅できるくらいの世界に変えていきたい。伝わるかしら?こんな思いを妹に。」リスタルティ「あたしに痛いほど伝わってるからきっと大丈夫よ。むしろあなたたちの思いが伝わるのがこんなに楽しいなんて思わなかった。それでも私はあなたを殺す。それが今の私の中の芽生えた思いよ。はっ。」エアリス「うあっ。くっ。はあはあ。だったら負けない。あたしは全力であなたを倒す。はあ〜。」エアリスは様々な方向から波動の槍を放った。リスタルティ「くっ。うあああ〜〜。はあはあ。これよ。これ。堪らない。そろそろ本気で行こうかしら?これだからあなたたちは楽しませてくれる。」エアリス「はあはあ。不思議と力がみなぎってきた。このピンチが心地よく感じる。はあ〜〜〜。」エアリスとリスタルティの力は聖域が崩壊しない程にぶつかり合い、極限の力へと変わっていった。リスタルティ「ふふ。まさかこんなに限界を突破できるとはね。はあはあ。でもさすがに限界ね。これで終わりよ。はあ〜〜。」リスタルティは様々な方向に散らばった波動を一つに束ね、エアリスへと放った。エアリス「はあはあ。はあ〜〜。真槍龍波。」互いの波動はぶつかり合い徐々にリスタルティの力が勝っていた。エアリス「はあはあ。もっとよ。もっと。足りない。あたしの思いは。力はこんなものじゃないんだから。はあ〜〜。ああ〜〜。」エアリスの思いを創造する様に力は増していきリスタルティを粉々に吹き飛ばすほどの力へと変わっていった。リスタルティの波動が消えエアリスの波動がリスタルティを包み込んだ。リスタルティ「はあはあ。あたしの負けね。殺しなさい。そうすればあなたはもっと強くなれる。」エアリス「はあはあ。ばいばい。リスタルティ。また会いましょう。」リスタルティ「ふふ。会えるといいわね。お互いに一緒に暮らしていける世界でね。」リスタルティは光輝き消滅した。エアリスはゆっくりと休んでからシリアスの所へと向かった。エアリス「はあはあ。さあ行こうかしら?シリアスが待ってるからね。」ゆっくりと歩を進めていった。アレックス「お前が俺の相手をしてくれるのか?」ヴァーズ「体は正直だな。震えているぞ。」アレックス「これは喜んでいるだけだ。怖いわけじゃない。」ヴァーズ「そうか。それなら構わないが。いくぞ。」アレックス「ああ。こい。」アレックスとヴァーズの戦いがゆっくり始まった。だがアレックスを圧倒し始めた。それがヴァーズの力そのものである。アレックス「はあはあ。くそ。まだまだ。はあ〜〜。」ヴァーズ「そんな姿で戦い続けたら最後までもたないぞ。」アレックス「心配するな。はあ~。」ヴァーズ「その勢いだ。はあ〜〜。」互いの力がその空間を包み込み闘志の熱気で汗だくになりながらも戦いは続いた。ドガ。バキバキ。まるで地震が起きつづけているかのような激しい戦い。だが圧倒されながらもアレックスは一歩も引かずに時には血だらけになりながらも立ち上がり戦った。アレックス「はあはあ。これでもまだ本気を出さないのか?」ヴァーズ「ああ。出すに値しないな。三割なら出してやろう。」アレックス「はあはあ。まだだ。こんなもんじゃなかった。あのセルシウスとアルフォードの戦いは。息切れしないほどの力を発揮するんだ。はあ〜〜。」ヴァーズ「そうだ。もっと魅せろ。」だんだん互いの力が拮抗し始め闘志のオーラで上の壁が壊れ始めた。アルティーニ「ほう。これがお前たちの戦いか。さすがだな。どうだ?お前はもう抵抗する力すらないのか?」シリアス「はあはあ。そんなことはない。私だって次第に強くなれる。それが戦いの力が伝わっている証拠よ。はあ〜〜。あっ。くっ。うあ。どうして?」アルティーニ「ふふ。どうやら思いが全然発揮できてないようだな。それでは誰かがたどり着く前に死ぬぞ。」シリアス「そんなことないってば。はあ〜〜。」シリアスは捕まっていた巨大な鞭を吹き飛ばし、殴ろうとするが、再びシリアスは体がいうことをきかなくなり苦しみながら捕まった。シリアス「うあっ。かはっ。はあはあ。」アルティーニ「おとなしくしていろ。殺してしまっては勿体無いからな。」シリアスの苦しみが終わることはなかった。一方その頃アレックスはまだヴァーズと戦っていた。アレックス「はあはあ。はあ〜〜。よし。だんだん呼吸が掴めてきたぞ。この感覚だ。これがあの力を纏っている感覚だ。」ヴァーズ「さあそろそろ本気で行くぞ。」アレックスとヴァーズの戦いは数分間続き互いが吹き飛ばし合いながらもおさまることなく強くなりいつの間にか限界を突破していた。ヴァーズ「はあはあ。こんなにも戦える力が発揮されていくのか?これがお前たちの戦いか。これだから止められない。高まる気持ちがそうさせるのだ。さあまだまだ戦えるぞ。闘志みなぎるその力を。」アレックス「この力はまだ技にもなっていない。纏っている力を技として奴に叩き込まないと。」だんだんアレックスの姿が闘将へと変わっていった。それでも劣勢な状況へと変わり、アレックスは吹き飛ばされた。アレックス「うあ。かはっ。はあはあ。」ヴァーズ「どうした?さっきまでの力が感じられないぞ。」アレックス「もっとだ。もっと力を抜け、それが技を纏うきっかけになる。」ヴァーズ「さっきから何をしようとしている。これで終わりにしてやる。」その時アレックスの姿が輝きだしヴァーズの力がかき消されていった。ヴァーズ「なっ。馬鹿な。俺の力が通じないというのか?本気で放った力だぞ。ふざけるな。ああ〜〜。」ヴァーズは何度も力を叩き込むがその度に風のようにアレックスは突破して、ヴァーズを捕らえ殴り続けた。ヴァーズ「なんて拳の重さだ。これが思いを乗せた拳の重さなのか?信じられん。ぐあああ〜〜。かはっ。はあはあ。」アレックスの姿が次第に回復し、逆にヴァーズが血だらけで満身創痍で動けずにいた。ヴァーズ「こんなはずではない。ああ〜〜。奴のような力がなぜ発揮できない。」アレックス「はあ〜〜。このまま終わらせるぞ。はっ。」その途端アレックスの力がつきかけた。アレックス「なっ。そんな一体何が起きてるんだ?あれでまだきっかけにすぎないのか?はあはあ。」ヴァーズ「はっはっはっは。今度は俺が圧倒する番だな。くたばれ。アレックス。」アレックスは輝きだしていた力が消え、防戦一方になるのが精一杯だった。アレックス「はあはあ。くそ。まただ。きっかけは掴んだのに果てしなく遠くなりやがった。それでもいいんだ。また掴めばいい。掴みながら自分の者にしていくんだ。はあ〜〜〜。」ヴァーズ「なっ。どこからそんな力が生まれる?」アレックス「お前にはわからないのか?マナの世界の人々が戦う力が。それが俺の。いや。俺たちの力だ。」ヴァーズ「馬鹿な。貴様は人々の思いさえも力に変えられるのか?信じられん。だが俺はまだまだ強くなる。そんな力など木端微塵にしてやる。はあ〜〜。」アレックス「きっとそんなことにはならない。俺がそうはさせない。ああ〜〜。再び輝け。この俺の力よ。いや。纏い極めろ。ああ〜〜〜。」まるでアレックスの力が高まっていくのに呼応しマナの世界の人々は輝きだし魔族化するものが現れない状況へと変貌していった。リスタルティ「これがアレックスの力なのね。頼もしい。皆。無理することなんてない。少しずつでいいから。アルフォードたちに特にシリアスに力を与えて。」その力はだんだんそれぞれの場で戦っているアルフォード、アレックス、ゼット、エアリス、シリアスへと伝わり、だんだんシリアスが捕まっているが傷が回復するほどの力が芽生えた。アルティーニ「なっ。これがマナの世界の人々の力なのか?恐ろしい。だがこうでなくてはおもしろくはないがな。」アレックスとヴァーズの戦いはまだまだ続いていた。アレックスは再び風のように突破してヴァーズが吹き飛ばされた。ヴァーズ「くそ。なぜだ?この俺にはなぜ味方しない?」アレックス「それはお前が邪悪な力しか発揮できてないからだ。力の質が違うんだ。」ヴァーズ「ふざけるな。負けはしない。そんな力に。があ~。ああ〜〜。はっ。」ヴァーズは苦しみながらも限界を突破する事を止めなかった。それは自ら滅びるかのような力だった。アレックス「よせ。お前は力の使い方を間違ってる。さっきまでのお前ならこんな力の使い方はしなかった。」まるでアレックスの思いが哀しみへと変わりそれでも退くことができずに圧倒していった。ヴァーズ「はあはあ。だんだん俺の力が追いつかなくなってきた。これが思いを乗せた力の差なのか?思い出せ。俺にも発揮できる。アレックスのような力を。」アレックス「そうだ。お前もこい。お前なりの純粋な強さでたどり着け。俺の高みへと。それがお前の本当の力だ。」ヴァーズ「ふふ。おかしな奴だ。敵である俺を強くなれと思いをぶつけてくるとはな。ならば。俺にもその思いに答える力を与えてくれ。はあ〜〜。」その途端ヴァーズの姿もアレックスと呼応するように光輝き互いの力が拮抗し始めた。ヴァーズ「おおおお。これがアレックス。お前が与えた力が邪悪な力しか発揮できてない俺でもたどり着く強さか。なんて心地よく感じられるのだろうか。はあはあ。だが俺はアレックス。お前のように長くはもちそうにない。きっかけを掴み纏うだけで精一杯だ。残念だが終わりにしよう。この戦いを。」アレックス「くそ。俺はたどりついているのになぜお前はたどり着けない?これが純粋な強さと人々の思いの強さの差なのか?」ヴァーズ「それはおそらく違うな。俺のこの場での鍛練が足りないからだ。お前のようにまるで常に鍛練してきた力とは誰もが何年も鍛え上げたどり着く強さではない。常にきっかけは大雨のように降り続け、その数だけ極みが存在する。俺はそのきっかけをつかめないほどの力だからだ。さあ語り合おう。我々の戦いを。耐え抜いて魅せるぞ。全力でこい。アレックス。」アレックス「はあはあ。はあ〜〜。」互いの力が高まり合いながらも果てることなく続いた。だがそれはまるで数分が一瞬で終わる早さだった。それが幾度となく続き次第にヴァーズの力が変わっていく。だがその力はアレックスと同じ思いをのせた力へと。ヴァーズ「さあこい。長くはもたんぞ。アレックス。」アレックス「ああ。わかってる。だからこそ最大限練り上げる。それがお前と戦いたどり着いた強さだ。行くぞ。はっ。」アレックスの放った力が思いがヴァーズを包み込み耐え抜く力は消えた。ヴァーズ「ふふ。これがお前の本当の力いやお前だけがたどり着くことのできる強さだ。」アレックス「今のお前なら突破するのを期待するがな。」ヴァーズ「本当におかしな奴だ。今の俺にはそんな力など存在しない。だんだん力尽きていくのが実感できるくらいにはな。はあはあ。語ることさえできそうにないな。俺はこのまま放って置いても消滅する。アレックス。お前の好きにするがいい。まあ。見守らずにアルティーニの所へと向かった方がいいがな。」アレックス「なっ。何訳のわからない事を言い出すんだ?今のアルティーニならお前のような純粋で邪悪な力を纏っているのか?」ヴァーズ「ああ。そうだ。今の俺の力が足元にも及ばないほどにな。今のお前ならわかるだろ。そのとてつもない強さがな。」アレックス「ああ。伝わってくる。だんだん俺たちで倒せるか不安になるがな。」ヴァーズ「ふふ。そんなことはない。お前たちは奇跡のような力をいくらでも掴むきっかけがそこらじゅうに転がっているからな。」アレックス「いや。きっかけが芽生えたのはお前のおかげだな。今息切れしてないのが不思議な感覚だ。」ヴァーズ「その意気だ。そのまま高みへと登り詰めろ。アルティーニはすぐに追い越せるかもしれんぞ。」アレックス「ああ。言われなくてもそのつもりだ。お前がそのまま消滅するのなら俺は先を急ぐ。アルティーニの所へと。」ヴァーズ「ああ。行け。俺のことなど振り返らずにな。」ヴァーズの姿も熱い闘志に耐えきれなくなっていた。ヴァーズ「ふふ。どうやら俺も終わりのようだな。そうか。ストームブレスも倒されたか。観てみたかったな。奴等が想像する人々と魔族が生き続ける未来も。その世界での熱い闘志で戦う姿も。去らばだ。アレックス。お前たち。また来世で会うとでもしよう。それを本気で願っているぞ。かはっ。」ヴァーズの姿が黒々とした光で消えた。シリアス「はあはあ。今の私が何もできないのはあなたが恐ろしい強さだからなのね?アルティーニ。」アルティーニ「そうだな。今のお前なら消滅しない程度には加減したからな。」シリアス「くっ。うあああ〜〜。かはっ。はあはあ。耐えるのが精一杯ね。はあはあ。」アルティーニ「どうした?アレックスのように息切れしてないのが当たり前のようになってほしいがな。」シリアス「はあはあ。そんなの無理よ。くっ。こうしてあなたと話せてるのが不思議なくらいね。かはっ。はあはあ。でも息を整えればできるかも。やってみるわね。はあ〜〜。」アルティーニとシリアスの戦いは誰かがたどり着くまで続いた。さあそろそろゼットとシルスの戦いは刻一刻と始まる時が近づいていた。同時にアルフォードとメディウスの戦いも始まり続いていた。その頃、風の国には色んな傷ついた人々が訪れていた。エミル「どうしましょう?さすがにこんなにも人々が来るなんて回復が間に合わない。」人々「女王様〜〜。我々もお手伝いします。いいえ。手伝わせていただきたい。こんな時だからこそすべての世界の人々が魔族が協力しましょう。」エミル「えっ。嘘でしょ。私に言ってるの?こんなのお姉ちゃんに伝えるべき言葉なんだけど。まあ。今はここにお姉ちゃんが来るなんてできないから私がやるしかないわね。やりましょう。皆。人々も魔族も関係ないそんな世界へと変えて行きましょう。」エミルは体が震えるような思いを振り払い、まわりの人々、魔族との深まる絆が広がっていった。ゼットはシルスと戦っている。鳴り止まない剣のぶつかり合い、つばぜり合い、互いの足音。その一つ一つの様々な音が二人の戦いを物語っている。ギギギギ〜〜。ミシミシ〜〜。ダンダン。バゴォン。ズザザー。ゼット「はあはあ。早く本気でこい。」シルス「値しないな。」ガン。ガン。ダンダン。ドンドン。様々な方向から斬撃が襲いかかってくる。一つ一つがまるで竜巻のようにゼットは全てを避けるつもりで動いたため全身傷だらけである。次第にゼットは傷だらけで倒れこんだ。シルスは倒れこんだゼットの首に剣を向けた。シルス「おい。これでは何の戦いかもわからない。」ゼット「はあはあ。なら今お前の腹に刺さっている斬撃は何だ?」シルス「ふふ。そんなことは気にする必要もない。さあ安らかに眠れ。ゼット。」ゼット(一体こんな夢を俺は後何回見続ければ奴に勝てる?俺の頭のなかはその夢で埋め尽くされている。勝つきっかけがまるで見当たらない。)ゼット「はあはあ。俺は負けない。ああ〜〜。」ゼットは全身サンドバッグのように何度も殴打され始めた。シルス「ふっ。つまらん。実にな。何ならこのまま終わらせるか。」ゼット「ぐあああ〜〜。かはっ。はあはあ。体がいうことを効かない。」シルス「ふん。これで終わりだ。」ゼットは聖域の入り口まで吹き飛ばされた。体が岩壁にめり込んだ。ゼット(これって。もう俺は死んでるのか?こんな結果俺は望んでなんかいない。俺は言った筈だ。戦いながら成長する。もうそれすらできないから。俺は死ぬのか?)そんな自問自答が数分間続いていた。ゼット「いや。本気で戦ってこそ意味がある。俺はもう迷わない。全力で戦いたい。はっ。ああ〜〜。」ゼットは全身サンドバッグになっても構わない位の勢いで戦い始める。ようやくシルスは追い詰められていく。シルス「ふふ。これだ。この強さだ。俺が追い求めていたのは。はっはっはっは。」シルスは全身の力を解放し包み込み突っ込んだ。それでもゼットは一瞬でかわして戦っている。ゼット(一瞬でも当たったら入り口まで吹き飛ばされたんだ。奴の動きをよく観ろ。そうすれば奴を倒すきっかけが見えてくる。)ゼットはそれでもあきらめない。次第に素早く動き始める。シルス「何だ?一体何が起きてるんだ?奴の動きを捕らえられない。ぐあああ〜〜。」まだまだ捕らえられないシルス。シルス「はあはあ。やっと捕らえたぞ。終わりのようだな。ゼット。」ゼットの体がすり抜け分身を生み出していた。シルス「ふっ。つまらん。まやかしを。はあ〜〜。」斬撃をあらゆる方向から放ったが捕らえられない。まるでゼットはその空間にいないかのような動きをした。シルス「何だ?どこにいる?ゼット。隠れてないでででこい。」ゼット「もう何度も現れてるぞ。気づかないのか?満身創痍だな。お前が。」シルス「なっ。かはっ。はあはあ。何だと?俺はこのまま勝てないのか?いや俺は負けはしない。はあ〜〜。」シルスは魔族化した。それもとてつもなく恐ろしい姿が現れて捕らえられないゼットを満身創痍に変えていった。そんな未来が偽物。魔族化しているがゼットを相変わらず捕らえられない。魔族化すらしていないゼットを。シルス「何だ?なぜ捕らえられない?ゼット。」ゼット「お前がもがけばもがく程俺は強くなれる。無駄な足掻きだ。」シルス「ふふ。そうか。ならこいつはどうかな?」シルスは斬撃に力を奪う力を込めて放っていた。その斬撃は次第にゼットに当たり始める。それでもゼットの力はどんどん強くなっていく。マナの世界の人々「さあ応援しましょう。アルフォードたちを。伝わって。この思い。人々の思いがアルフォードたちを動かす力と成りますように。」ゼット「ああ。伝わって来た。マナの世界の人々の思いが。さあこい。シルス。これが俺とお前の力だ。」シルス「そうか。それがお前が導き出した答えなのだな。ならば俺は全力でお前と戦おう。はあ〜〜。」ゼット「伝わらないのか。お前にはマナの世界の人々の思いが。その思いが俺を強くする。お前も強くなるんだ。マナの世界の人々を救う戦士として。俺たちと共にな。」シルス「俺はそんな力は望まない。」ゼット「こんの。わからずやが〜〜。」互いの斬撃が怒り憎しみを生み出す戦いを繰り広げていた。魔族と人々が生きていける未来を生み出す戦いを。まるで時間が時空を超えゆっくりと歯車が動き出す。そんな戦いが数分間続いていたその時それがゼットの生み出すマナの世界の人々が生み出す未来。マナの世界の人々も魔族も関係ない全ての生きとしいける未来が。ゼット「シルス。お前もこい。俺の思いえがく未来へと。」シルス「受け入れることができない。俺が否定しているからか?さあシルス。お前が導き出した答えである未来をみせてみろ。かはっ。負けない。ゼットを滅ぼそう。アルティーニ様がくれたこの力で。」ゼット「くそ。それがお前の答えか。いやアルティーニの生み出す未来か。救ってやる。お前を呪縛という名の苦しむ世界から。」互いの魔族化した力が互いを吹き飛ばした。まだ足りないのだ。シルスを救う思いが。ゼット「はあはあ。何だ?何が足りない?俺が今のアルティーニを知らないからか?アルティーニと同じ力を生み出す。それが必要なのか?だったらシルスを。呪いを力に変えるしかない。やってみるか。はあ〜〜。あっ。ぐあああ〜〜。」シルス「よせ。お前が耐えられなくなるぞ。」ゼット「黙ってろ。お前の呪いを解き放つためにやってるんだ。お前も手伝え。二人でアルティーニの生み出す呪いを解き放つ。」シルス「ふふ。わかった。やってみるか。何をすればいい?」ゼット「お前が大事に思うマナの世界の人々。魔族でも構わない。一人か二人はいるだろ?死んだ奴でもかまわない。とにかくそいつの力を共有するんだ。」シルス「そうか。魔族でも構わないのか。やってみるか。」ゼット「くれぐれも闇の力は送るなよ。」シルス「ああ。わかってる。はあ〜〜。」互いの力が光輝き足元から生まれたアルティーニの生み出す呪いを解き放つことに成功した。シルス「はあはあ。かはっ。上手くいったようだな。なら再開しよう。我々の戦いを。」アルティーニ「うっ。くっ。こんなの始めてだ。呪いを解き放つことに成功するとはな。つまらんな。」アルティーニの側にはシリアスがいない。遥か遠い奥の聖域にいるからだ。ゼット「はあはあ。ああ。こい。シルス。これが本当に最後の戦いだ。」シルス「最後?これから戦いが始まるのだろう。」戦いは激しさを増していく。数分間鳴り止まない戦いが続いていた。ゼットは剣に込めた力を纏い始める。シルスも同じ力を纏う。二人は剣を真っ直ぐ構え力をぶつけ合った。だがその均衡はすぐにゼットが圧倒することになる。シルスは纏った時点で力尽きていたからだ。ゼット「なっ。馬鹿な。お前。まさか呪いが解き放つその時から力尽きていたのか?」シルス「当然だ。アルティーニの生み出す呪いを解き放つ。その結果がこれだ。お前がなんともないのが不思議だがな。ふふ。俺はこのまま粉々に吹き飛ばされる。放っておいてもな。振り返るな。シリアスの所へと向かえ。ごほ。」シルスは立っているのも辛い状態だった。シリアスはもう聖域のはるか遠い奥にいる。アルティーニは門番である。ゼット「それならアルティーニとすれ違いにならないように助ける。できるだろ?」シルス「俺に聞くことではないな。自分たちの目で確かめろ。」ゼットが走り去っていった。シリアス「はあはあ。皆。来ないで。うあ。かはっ。ぐあああ〜〜。かはっ。はあはあ。」シリアスの魔族化は刻一刻と侵攻していた。シリアス「はあはあ。もう自我が保てない。かはっ。ぐあああ〜〜。」もうシリアスは魔族化しても元の巫女としての姿には戻れない。そんなこととは知らずに四人はシリアスの所へと向かっていた。エアリス「なんだろう。この感覚。まるで魔族化が伝わってくる。一体誰が魔族化しているの?アルフォード、ゼット、アレックスなら何の問題もないわよね。まさか。本当に?シリアス?急がなきや。」女王と巫女は互いに一心同体のように繋がっていた。アルフォード「何だ?この胸騒ぎ。聖剣の鼓動が鳴り止まない。無事でいてくれ。シリアス。」メディウス「来たか。さあ始めよう。」アルフォード「どけよ。はあ〜〜。」アルフォードはメディウスの体をバラバラに斬った。メディウス「無駄だ。何度もバラバラに斬ったとて私は死なない。」アルフォード「どういうことだ?本体が別の所にあるのか?」メディウス「さあな。むしろどんどん分かれて倒すのが面倒になるぞ。」メディウスの体は空間中に散らばり襲いかかってきた。アルフォードは回避しながら本体を探した。アルフォード(違う。この空間にはいない。すべてが本体なのか?一端入り口に戻って吹き飛ばすか。)アルフォードは入り口から空間全体に波動を放った。メディウスはそれでも復活して襲いかかってきた。アルフォードはメディウスの体をバラバラに斬りながら奥へと進んだ。メディウス「その本体が私だ。ご褒美に本気で戦おう。何度もバラバラに斬りながら殺すがいい。」アルフォードはメディウスの体をバラバラに斬りながら核を探した。メディウス「ほう。察しがいいな。その通りだ。核を倒した方が早い。みつかるかな?本気でいくぞ。」アルフォードは核をつかんだ。メディウス「何。なぜだ?なぜ捕まった?やめろ。握りつぶすな。ぐあああ〜〜。かはっ。速すぎる。俺を倒す鬼と化したか。」アルフォードはメディウスの体から核を無理矢理出した。そして握り潰した。メディウス「はあはあ。なんて恐ろしい奴なんだ。」アルフォード「何回でも核を潰す。お前の力を上回る速度でな。」その頃エアリスがゼット、アレックスと合流した。エアリス「二人とも無事なのね。」アレックス「ああ。」ゼット「アルフォードはこの奥だ。行こう。」アルフォードの所へと向かう。エアリス「いた。いつものアルフォードじゃないみたいね。鬼よ。あれ。」ゼット「ああ。だがメディウスを倒そうとしてるな。」アレックス「たぶん。シリアスの事が気になって鬼になって戦ってるんだな。どんどん力が膨れ上がってもう俺たちを上回るぞ。大丈夫か?あいつ。」エアリス「大丈夫よ。全然息切れしてない。」アルフォード「外野がうるさいな。早く倒すか。」メディウス「なんだ。核の再生が追い付かない。急がねば。本当に戦えなくなる。はあ~。」アルフォード(これなら倒せる。むしろ力を使いすぎだ。もっともっと抑えていくか。)メディウス「まだまだ。奴は本気を出していない。はあ〜〜。」エアリス「何か。だんだんアルフォードが圧倒する感じね。力は抑えてるけど。メディウスが大変ね。」ゼット「それより。邪魔になるから左から奥に進んで待とう。」アレックス「わかった。先に行こう。」三人は奥に進んで行った。メディウス「外野がいなくなったな。この空間を俺の力で包んでやる。やっとできたぞ。これだ。これでお前と対等の力で戦える。はっはっはっはっはっは。」アルフォード「お前の勘違いだ。まだまだもの足りないぞ。」メディウス「何だと。はあ〜〜。なら俺だとて負けはしない。ああ〜〜。」アルフォード「相当無理してるな。早く倒すか。」アルフォードは様々な残像を生み出す。メディウス「危ない。気をつけないとな。そこだ。なっ。ぐあああ〜〜。はあはあ。くそ。どこに行った。どれが本体だ?」アルフォードは何体もの残像を生み出しながら戦った。アルフォード(これでもヒントを出しながら戦ってるからな。そろそろ残像を消すか。)メディウス「くそ。消したか。まあ。いい。さあ今度こそ。本気でいくぞ。」アルフォード「ああ。本気でこい。俺も本気でいくぞ。」お互いに力が上がって拮抗してぶつかり合った。だが数分後にはアルフォードが圧倒することになる。メディウス「なぜだ。俺だけが成長してないのか?いや。進化しなければ奴には勝てん。魔族としての本来の姿の更にその上の姿をな。」メディウスは力を一点に集め進化し始めた。二人とも激しくぶつかり合い、その度にメディウスは徐々に姿を変え進化していた。だがアルフォードが圧倒することには変わらない。メディウスはまだ進化の答えがみつからないのだ。エアリス「はあはあ。着いた。ここなら大丈夫よ。」アレックス「ああ。ここで休みつつ力を蓄えるか。」ゼット「なら俺はアルフォードの戦いをここから観てみるか。」エアリス「あたしはシリアスを探す。あれ?みつからない?ちょっと二人とも手伝って。」アレックス、ゼット「ああ。わかった。探してる。みつからない。」エアリス「どういうこと?三人で探して感じとれないの?さっきまでみつけてたわよね?」アレックス「ああ。どうしてだ?」ゼット「くそ。こうなったら俺たち三人でシリアスを助けに行こう。」三人は奥へと進んだ。アルフォード「行ったか。シリアスをどうしたんだ?メディウス。」メディウス「ふふ。そう怒るな。俺は何もしていない。アルティーニがやったのならシリアスを徐々に魔族へと変えていきもう魔族になっている。」アルフォード「シリアスは魔族になっても聖域の巫女だ。堕天使のな。」メディウス「そうか。それなら問題ないな。」アルフォード(間に合えよ。シリアス。)アルティーニ「ふふ。結界の奥だからな。誰もみつからない。三人が来るのを迎え撃つか。」シリアスが結界の奥で針浸けにされていた。シリアス「はあはあ。かはっ。はあはあ。もう駄目。自我を失っちゃう。駄目よ。誰か一人が来るまでは失わないようにしないと。はあはあ。かはっ。ぐあああ〜〜。はあはあ。」シリアスの苦しみはまだまだ終わらない。メディウス「お前は俺とここで戦い続ける。アルフォード。」ダン。ズザザ〜〜。アルフォード「はあはあ。落ち着け。このままじゃあ俺は勝てない。聖なる力を纏い聖剣の力を解放するんだ。」メディウス「今さら遅いがな。だんだん加減しながら戦える様になったからな。お互い。本気でいくぞ。」アルフォード、メディウスの戦いは続いた。その頃奥ではエアリス、ゼット、アレックスの三人がアルティーニに出会った。アルティーニ「来たか。さあ。ここからシリアスの所へと向かうといい。行かせはせんがな。」アルティーニはエアリスの腹を膝げりした。エアリス「かはっ。はあはあ。これが冥王の力なの。はあはあ。それでも私は行く。シリアスを助けにね。はあはあ。」ゼット、アレックスが左右からアルティーニに襲いかかり隙をつくった。アレックス「先に行け。」ゼット「俺たちが倒す。」アルティーニが開けた道を突き進んでいくエアリス。アルティーニ「行ったか。まあ。いい。お前らの相手をするか。」エアリスが進んだ先にはシリアスがいた。シリアス「どうして?助けに来たの?私はもう魔族よ。逃げて。エアリス。」エアリス「逃げない。やっとみつけたんだから。任されたから。シリアスを助けるって。ああ~。何これ?壊せない。はあはあ。私も魔族になるの?二人とも自我を保たないと。」シリアス「そうね。あたしも頑張る。」二人は苦しみながらも自我を保ち続けた。その頃、アレックス、ゼットが倒れ、アルティーニが立っていた。アルティーニ「どうした。これがお前達の力か?」アレックス「はあはあ。なんて強さだ。」ゼット「まるで相手にならないとはな。」苦戦し続けるゼット、アレックス。その時シリアスが魔族として覚醒し自我を失った。エアリスを後ろから襲い始めた。エアリス「そんな。シリアスじゃなくなったの。思い出して。魔族でも聖域の巫女は巫女よ。お願い。シリアス。」シリアス「違うの。あたしの自由が効かないの。はあはあ。」シリアスはもう聖域の巫女には戻れないのである。アルフォード「もう終わりだ。メディウス」メディウス「まだだ。まだ終わらん。むしろこれから始まるのだ。お前との戦いが。はあっはっはっは。」アルフォードはメディウスの核を破壊し続けた。メディウス「はあはあ。まだまだ。もっと壊せ。俺の核を。壊せば壊すほど俺は強くなる。」アルフォード(待てよ。この空間の中に本物の核があるはずだ。探せ。あったぞ。そこか。)アルフォードは核を破壊せずに本物の核をつかんだ。アルフォード「これがお前の本来の核だ。」メディウス「よくぞ。みつけた。ここからが本当の戦いだ。」アルフォードが遥か後方で掴んだ核が体となり新たな強いメディウスが誕生した。メディウス「この俺を殺せば俺は倒れる。できるのならな。」アルフォード「やってやるさ。お前を倒して、アルティーニを倒して、シリアスを助ける。」アルフォードは魔族化し、メディウスは魔族としての本来の姿へと変わった。互いの力がぶつかり合い次第にアルフォードが圧倒し、メディウスの核を破壊し続けた。メディウス「なっ。ぐあああ〜〜。何をしている?そんなことをした方が速いとなぜ気づいた?」アルフォード「お前の本来の核もそこから生まれた体も倒し方は一緒だ。何度も破壊し続けた時にこそお前は消滅する。一回つばぜり合いをした時に気づいた違和感の答えがそれだ。」メディウス「何だと。そんなことに気づいたのか。はあはあ。それよりも。ふざけるな。これでは戦いが楽しめないだと。俺は楽しむための戦いがしたいのだ。もっとだ。もっと力を出せ。はあ〜〜。」アルフォード「俺がいつ楽しめないと言った?俺はそんなことを言ってないぞ。どうでもいいがな。」メディウス「はあはあ。まだまだ。何回でもこい。」アルフォード「そんなには付き合ってられないな。早く終わらせる。何なら一回でな。」メディウス「そんなにはうまくいかない。俺達の戦いはまだまだ続くんだ。」アルフォードは核を破壊し続けた。アルフォード(おかしい。あいつの核を何度も破壊し続けたのに、どうしてだ。まだ違和感がある。あいつは本物の核を俺が破壊して満身創痍。回数も曖昧。まさか。そういうことか。)アルフォードは足元の地面を掘るように破壊した。そうして正真正銘。本物の核をみつけた。それは地下にあった。いままでみつからなかった訳である。その地下にあった核も体へと変わったが、アルフォードが聖なる力で包み込んだ。メディウス「なっ。何だと。ぐあああ〜〜。動けん。はあはあ。ならばこの力ごとお前を倒してやるからなっ。」アルフォード「馬鹿か。そんなことをできると思うか。そのまま俺がお前を消滅させるに決まってるだろ。もう終わりだ。」メディウス「があああ〜〜。なめるな。この程度で消滅するものか。俺がアルティーニ様に1番近いのだ。まだやられんぞ。そんなことをさせてたまるか。はあ〜〜。はっ。」メディウスは聖なる力を吹き飛ばし吸収して自身の力へと変えた。その力をアルフォードの聖剣にぶつけながらアルフォードを吹き飛ばし壁にぶつけた。アルフォードはメディウスを吹き飛ばし、聖剣が割れたが、粉々に砕けた欠片がアルフォードの鎧となり、真の聖なる姿へと生まれ変わった。アルフォードは聖剣でメディウスを貫いた。メディウス「がはっ。ごほっ。はあはあ。アルフォード。お前の勝ちだ。がは。」アルフォード「先に行くか。」メディウスは消滅してアルフォードは先を進んだ。アルティーニ「ほう。もう終わったか。メディウスは消滅した。だが間に合わないな。お前たちがこの姿ではな。」アルフォード「そんなことはない。間に合ったぞ。」ゼット「やっと来たか。」アレックス「遅いぞ。アルフォード。シリアスはエアリスが助けに行った。アルティーニの後ろの奥だ。」エアリス「はあはあ。アルフォードが来たの?お願い。自我を取り戻して。シリアス。真槍龍波。元に戻って~。シリアス〜〜。」シリアスはアルフォードの所へとエアリスが吹き飛ばし自我を取り戻していた。シリアス「はあはあ。あっ。あれ?アルフォード?いつの間に?って今来たの。あたしは無事だから。おもいっきり戦って。」アルフォード「その魔族の姿で言われてもあまりに説得力ないけどアルティーニを倒すか。」エアリス「はあはあ。お願い。アルフォード。」エアリスは寝始めた。アルティーニ「一言言っていいか。お前の仲間は独特だな。俺の仲間だった頃とあまり変わらないやつもいれば、新しくであった奴は特に独特だな。あれでは女王の威厳がまるで無いな。」アルフォード「まあ。そう言うな。あれでも女王だからな。変わらないのはゼット、アレックス、シリアスだろ。さあ。行くぞ。」アルティーニ「ああ。こい。」アルフォード、アルティーニの戦いが始まった途端にどんどん激しくなり始めた。アルティーニ「ほう。これだ。これ。これが本気の戦いだ。そろそろ本気を出すか。はあ〜〜。」だがアルティーニ、アルフォードはその場から動かずにぶつかり合い、その戦いが数分間続いた。ゼット「はあはあ。これが本気の戦いだろうか?信じられないな。」アレックス「本当にな。この戦いの中でもよく寝れるな。エアリス。」シリアス「はあはあ。それより。魔族の姿を維持するコツ知らない?何かアルフォードみたいな一体感がないのよね。」アレックス「纏えないのか?アルフォードみたいな鎧として。聖なる力が強すぎるからか。」シリアス「そうなの。やってるけどうまくいかない。普段から纏ってるのと同じ様にやればいいのよね。」ゼット「もうお前は立派な魔族だぞ。精霊の力が足りないからそう思うんだろ。お前のペースで維持するんだ。」シリアス「そうね。やってみるわね」アルフォード「はあはあ。はっ。何だろう。安定感がないな。この鎧。」アルティーニ「使いこなせていないからだろう。お前の力も大分独特だな。」だがそれでもたがいに互角の戦いを繰り広げているもののアルフォードが劣勢にたたされていた。おいつめられているアルフォードは必死に聖なる力とは違う新しい力を生み出そうとしていた。アルティーニ「どんなに答えを求めてもみつからないぞ。俺を殺す方法はないのだからな。ヒントを掴んだ頃には死んでいるぞ。」アルフォード「はあはあ。何だ。この感覚。まるで奴の力が感じられない。」アルティーニの力が上がってアルフォードが追いつけないほどである。ゼット「おされてるな。」アレックス「ああ。」シリアス「そうね。」エアリス「私たちもサポートするなら何ができるのかしら?アルフォードに力を与えた方が良さそうね。やりましょう。受け取って。あたしの力を。」ゼット「そうだな。やるか。俺の力も。」アレックス「よし。それなら俺の力も使え。」シリアス「なら。私も使いこなせるかわからないけど聖なる魔族の鎧を与える。アルフォード。みんなの力を使って。マナの世界の人々の力を。」エミル「さあ。もう人踏ん張りよ。皆。アルフォードに力を与えて。」人々「おう。もちろんだぜ。魔族の皆も頼むぜ。」魔族「仕方がない。くれてやるか。」アルフォード「さあ。全力で使いこなしてみせる。マナの世界の人々、シリアス、ゼット、アレックス、エアリス、魔族の力を。はあ〜〜。」アルティーニ「そんな力など通用するものか。」アルフォードが聖なる魔族の鎧を全身に纏って戦っても、アルティーニは片手で受け止めていた。アルフォード「くそ。何が足りない。まだ使いこなせていないのか?」アルティーニ「何なら吹き飛ばしてやる。は。」ダン。ズザザ〜〜。アルフォード「かはっ。はあはあ。くっ。うあっ。だったらお前の力も吸収して使いこなしてみせる。はあ〜〜。」アルティーニ「今の貴様に使いこなせるかな。やってみせろ。この俺の様な姿にはならないだろう。魅せるがいい。聖冥の力を。アルフォード。」アルフォード、アルティーニの戦いが激しさを増していき、だんだん加減しながら戦える様に使いこなしていた。アルフォードが聖冥の鎧となり聖冥の剣も生まれた。アルフォード「これが俺の答えだ。受け取れ。アルティーニ。はあ〜〜。」アルティーニ「素晴らしい。それこそが俺の見たかった姿だ。素晴らしいものだな。さあ。もっとだ。アルフォード。はっはっはっはっはっは。」次第にアルティーニはアルフォードにおいつめられているのを楽しんでいた。だがアルフォードもそれは同じである。それをきっかけにマナの世界、魔界が一つへとなり始めた。一つの道で繋がる。別々の世界のままで。その途端に亡くなったセルシウス、メディウス、リスタルティ、シルス、ヴァーズ、黒龍の導師、レイツェルたちの力もアルフォードの力へと変わってきた。もちろん亡くなった人々、魔族の力を、様々な力を纏ったアルフォード。アルフォード「はあ〜〜。こい。真聖龍波。」アルティーニ「この俺の力も負けはしない。消滅するがいい。アルフォード。」次第にアルティーニ、アルフォードは奥へと進んだ。その戦いを後方から追いかけていた。ゼット、アレックス、エアリス、シリアス。そうここがシリアスが魔族となった場所である。魔界となった聖域は生まれ変わった。シリアス「すごい。こんな聖域へと生まれ変わったのは始めてね。奥が魔界へと繋がっている。」ゼット「シリアス。お前は聖域から脱出するルートを探してくれ。」アレックス「この戦いが終わったら脱出する。五人でな。」シリアス「わかった。やってみる。」アルフォード「そろそろ終わりしよう。アルティーニ。行くぞ。はあ〜〜。」アルティーニ「ああ。こい。残念だがな。一瞬で終わらせようぞ。アルフォード。あああ〜〜。」アルフォード、アルティーニの戦いが終わりを迎えようとしていた。互いの波動が、聖冥がぶつかり合い、次第に聖冥の剣がアルティーニを貫いた。終わったのである。アルフォード、アルティーニの戦いが。アルティーニが消滅する瞬間が訪れたのだ。アルティーニ「はあはあ。アルフォード。どうやら貴様の勝ちのようだな。ぐほっ。去らばだ。任せたぞ。新たな聖冥の剣を持つ戦士と共に歩んでくれ。マナの世界と魔界を。がは。」アルフォードは聖冥の剣を地面へと突き刺し疲れきっていた。アルフォード「はあはあ。勝てたのか。さあ。脱出するぞ。お前ら。」シリアス「そうね。なるべく早く行きましょう。風の国へと。」アルフォードたちは風の国へと帰還することができたのである。エミル「お帰りなさい。よくぞ無事に帰って来ましたね。ゆっくり休んで。」エアリス「大丈夫よ。私とシリアスは手伝う。まだ傷ついてる人々、魔族がいるだろうから。」ゼット「アレックス。俺たちは休むか。」アレックス「ああ。そうだな。休むとするか。アルフォード。」アルフォード「それよりここで寝ていいか?エアリス。」エアリス「そうね。アルフォードはここで寝ていい。アレックス、ゼットは部屋に移動してから寝て。手当ての邪魔だから。」ゼット「何か俺たちへの対応が違うけど。いいのか?」アレックス「問題ないな。あれがエアリスなりのツンデレだ。」エアリス「いつデレたのよ。」エアリスは顔が赤くなっていた。その頃魔界では新たな冥王とマナの世界のとある国の女王が出会っていた。冥王「できれば風の国の女王と出会いたかったが忙しいからな。それでもお会いできて光栄だ。女王。」女王「こちらこそ。このような場で出会えたことが嬉しいです。今度は風の国の女王と二人で、いいえ、マナの世界の王と女王、魔界の王、女王が出会えることを願います」その出会いを知ったエミル。エミル「お姉ちゃん。お願い。落ち着いたらでいいから新たな冥王に会いに行ってくれない?私じゃあ荷が重すぎるから。」エアリス「わかった。今すぐにでも行きたいけど、落ち着いたらね。」数日後。アルフォードたちは魔界へと訪れ、すべての王が、女王が出会っていた。アルフォード「何か。場違いな感じがするけど大丈夫か?」ゼット「来ておいて。それを言うか。」アレックス「問題ないな。何なら誰かと踊ってきたらどうだ。」シリアス「そうよ。あそこにいるマナの世界の人々、魔族達と踊りましょう。アルフォード。ほらほら。早く。」アルフォード「わかった。わかった。行くから。アレックス、ゼット。聖冥の剣を頼むぞ。」ゼット「何の心配をしてるんだ。あいつは。」アレックス「誰も盗らないだろう。この剣。聖なる結界に包まれているからな。」平和な日々が続いていたのであった。
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