聖族と冥族の誕生

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聖族と冥族の誕生

三年後また新たな戦いのきっかけが動き出す。ある日魔界の冥王が風の国を訪れていた。冥王「エアリス。アルフォードはいるか?シリアスでも構わないが?」エアリス「二人ともいません。アレックスならいます。」アレックス「俺で構わないのなら話を聞こうか?」冥王「そうか。仕方がない。アレックスが適任か。」エアリス「あたしも聞く。立ち話もなんだから座って話しましょう。」冥王は重たい口調で話始めた。冥王「実は希に魔界に迷い着いたマナの世界の人々が死ぬことがある。これをどうにかしたい。魔界の奥底深く最深部には邪精霊を生み出す核が存在する。この核の性質を変えるか、もしくは無くしてほしい。核が無くなることで魔界が消滅することはない。なぜなら邪精霊が飛び散り核だけが消滅する。邪精霊が個性を持ちマナの世界の人々、魔族にも影響を与えずに生き続けるからだ。聖冥の剣ならそれが可能だ。ただひとつ問題がある。」アレックス「何だ?一体何が問題なんだ?」冥王「魔界の奥底深く最深部にはネクロゼクスという魔界、いや冥界の巫女が存在する。私も冥界に行ったことはあるが、無言の一撃で追い返された。」エアリス「そんなに強いの。今のあなたでも同じことになるのよね?それだと私は足手まといね。」アレックス「う〜ん。俺たちだと果たして出会えるのか?ネクロゼクスに。不安だな。」冥王「それは問題ない。私が案内する。無言の一撃で追い返されたのは挨拶だったのか、次行った時には話を聞いてくれた。お前たちに会いたいそうだ。会うならシリアスが適任か。」アレックス「問題はそれだ。今のシリアスは半魔族。完全に魔族として巫女の姿になったわけじゃない。だからネクロゼクスとは戦えないかもしれない。」シリアス「黙って聞いてれば随分ないわれ様ね。」シリアスは聞き耳をたてていた。シリアス「あたしなら大丈夫よ。最近巫女としての力を取り戻してきたからね。ネクロゼクスとならあたしだけが戦える。」アレックス「お前な〜〜。せめて俺とゼットのサポートは必要だろう。」シリアス「確かにそれはそうね。ただ問題は邪精霊が個性を持ち、魔族、人々に何も影響を与えずに生き続けることね。おそらく邪精霊は誰かに寄生することで存在意義を示している。それが無くなるということは邪精霊の消滅を意味する可能性もある。それが魔界の消滅へと繋がらないのよね?」冥王「それは問題ない。元々魔界は邪精霊がいない世界だ。魔族が滅ぶことの方が恐ろしい消滅へと繋がり、下手したらマナの世界の人々を巻き込むかもしれない。それを防ぐ為にもお前たちに依頼したんだ。」アレックス「話はわかった。アルフォードに伝えておく。ただ俺たち全員が行くとは限らない。結論を出すには時間がかかる。それは問題ないのか?」冥王「ああ。じっくり考えてくれ。俺は最新部までの道を造り出す。」アルフォード「一体何の話してるんだ?」風の国へと帰って来たアルフォードにアレックスは冥王からの依頼を話した。アルフォード「なるほどな。聖冥の剣があるからこその考えだな。まさかそんな巫女が存在するとはな。問題は行くメンバーだな。エアリスはマナの世界に残るとして。う〜ん。」しばらく考え出した。冥王は魔界へと帰り、最深部までの道を創り始めた。数日後。エアリス「あたしがマナの世界に残るとして、アルフォード達で行くのがベストよね。あの依頼だとシリアス、アルフォードの両方の力が必要だしね。」アルフォード「う〜ん。それが妥当か。よし。冥王を呼んでくれ。」アレックス「お前の剣で呼べるだろ。」シリアス「私が呼びます。」シリアスは冥王を呼び結論を話した。冥王が再び風の国を訪れた。冥王「決まったようだな。今から行くか?それとも一日だけ準備してからか?」アルフォード「随分ゆっくり出発できるんだな。いつでも行けるよな?」ゼット「問題ない。」アレックス「大丈夫だ。」シリアス「ええ。緊張感はあるけどね。行きましょう。」冥王「よし。なら案内しよう。遅れるなよ。まずは聖域に行く。そこから魔界へ行き、最深部へと向かう。因みに最深部は洞窟になっている。その奥にネクロゼクスがいる。」冥王、アルフォード、シリアス、ゼット、アレックスの五人は魔界の奥底深く最深部へと向かった。聖域に着いたアルフォードたち。異変に気がつく。聖域は以前と違い、邪精霊が漂っていた。アルフォード「聖域が大分変わったな。魔界への入り口がある影響か?」冥王「お前は特にそう感じるだろうな。ただ魔界への入り口は不安定だ。それぐらいがいいんだが、このまま邪精霊の力が強まれば出入口ではなくなる。」アルフォード「もし俺達が今通過して閉じたらどうする?」冥王「それなら私がこじ開ける。最悪魔界の奥底深く最深部から一気に風の国へと帰す。骨が折れるがな。」アレックス「そうならないようにするのが俺たちの役目だろ。」ゼット「シリアス。何ともないのか?」シリアス「ええ。大丈夫よ。ただ相変わらず強くならないのね。魔族の力が。」冥王「そのうち嫌でも強くなるだろう。その上で巫女としての力を上回らなければいけないからな。」アルフォード「俺も同じ感覚だな。この入り口から一気に魔界の奥底深く最深部まで行くのか?」冥王「ああ。さあ行くぞ。」その頃風の国にいるエアリスは退屈だった。エアリス「はあ〜〜。私もついていけばよかったかしら?突然出発されても暇なのよね。どうしようかしら?」マナの世界では魔族達が風の国へと向かっていた。冥王「ここが魔界の奥底深く最深部冥界だ。そんなに急ぐ訳でもないからな。ゆっくり歩くか。シリアスは魔族として過ごしやすいか?」シリアス「それはない。むしろ元々巫女だから全然大丈夫。苦しくもないし。居心地は悪くないって感じね。」アレックス「何本もの獣道だらけだな。これは進むのも大変だな。」ゼット「ああ。冥王。よくネクロゼクスの所までたどり着いたことがあるな。」アルフォード「絶対迷うし。出口を見失うな。」冥界はいくつもの獣道に分かれ、奥に進めない様に結界、太い鞭の様な大木が塞いでいた。冥王が大木を操り、扉を開ける様に隙間を開け進んでいく。ネクロゼクス「誰か来たな。この気配は冥王。あと四人がわからないな。まあ。いい。ボクの所までこれるか?じっくり観察しようか。追い返さないようにね。」冥界はネクロゼクスが操る世界だ。エアリスはある異変に気がつく。エアリス「ん?何これ?初めて会うのに懐かしい様な変な感覚。敵意はないわね。」魔族達は風の国へと着き、エアリスが迎え入れ、話していた。その話はエアリスの謎の感覚をどんどん紐解いていく。冥王「そういえば邪精霊がなぜ生まれたのか?は話してなかったな。歩きながらゆっくり話すか。邪精霊は昔魔族が魔界に集まり始めた時魔族の力が道溢れていき、その集合体が邪精霊を産み出した。だがそれをきっかけに魔族同士で争い、喰らい遭い、魔族の数が増えたり、減ったりする時代が続いた。」アルフォード「それって邪精霊がとり憑いたからか?」冥王「その通りだ。ただその頃に女王、王が何人か生まれ、争いながらも平和な日々が続いた。」アレックス「マナの世界に行けるようにはもうなってるのか?」冥王「それは魔族ではない人の死体を発見した時にその仮説が成り立った。マナの世界に興味を持つ者が現れ、マナの世界のモンスターを連れて帰ってくる奴もいた。帰ってこない奴もな。」シリアス「マナの世界に魔族がいたってことね。魔族はどれくらい生きるの?」冥王「半永久的に生きる奴、人々と同じ寿命、様々だな。俺は半永久的だな。」シリアス「冥王なら私がどれなのかわかるの?」冥王「それはわからないな。聖域の巫女が魔族になるのは初めてだ。誰の仕業だ?」シリアス「アルティーニよ。私が捕まって餌として活かす為にやったのよ。まあエアリスのお陰だけどね。魔族になって自我を取り戻したのは。」アルフォード「話を戻すぞ。俺たちがであったのは黒龍の導師、レイツェルとかだよな。」冥王「お前らが出会った奴はわからん。ただ俺はマナの世界の魔族には最近再会した。王族に成っていたから互いに驚いたがな。そんな連中が何人かいたな。」アルフォード「なあ。冥界に入ったときから気づいたことがある。この世界。操られてるぞ。たぶんネクロゼクスだ。」冥王「なっ。なんだと。それは本当か。だとしたら俺たちは誘われてるのか?」アルフォード「ああ。ずっとそんな感覚だ。」シリアス「私もわかる。それ。」冥王「巫女と聖冥の剣を持つ者だからわかるのか。ふふ。面白いな。お前たちならネクロゼクスの所まで一気に行けるか?」アルフォード「シリアス。二人なら行けるよな。」シリアス「うん。大丈夫よ。今一本道をつくって移動する。」アルフォード、シリアスは二人で冥界を操り、ネクロゼクスの所まで向かった。ネクロゼクス「へえ。僕以外に冥界を操れる奴がいるなんて。驚いたな。来たね。楽しみだ。あいつらと戦うのが。」アルフォードたちはネクロゼクスの所にたどり着いた。シリアス「あなたがネクロゼクス?」ネクロゼクス「そうだよ。はじめまして。驚いたな。まさか冥界を操り、ここまで来るとはね。」シリアス「あなたが邪精霊を生み出したのは何が目的なの?マナの世界を冥界に変えるの?もしそうなら全力であなたを倒します。」ネクロゼクス「それも悪くはない。僕は今君たちに興味津々だからね。戦いたくてウズウズしていたのさ。さあ始めよう。冥界、魔界、マナの世界の命運をかけた戦いを。遠慮なく本気で行くからね。ついてこれるかな?」ネクロゼクスは無数に分かれ襲い掛かってきた。シリアス「なっ。何これ。こんなに相手にできない。がっ。うあっ。ああ〜〜。」ゼット「落ち着け。本体を探すんだ。」アレックス「どれも本体にしか見えないぞ。」冥王「これだ。この力に俺は一撃で魔界に帰されたんだ。」聖冥の剣の斬撃を放ちながら戦うアルフォードはじっくり見渡していた。アルフォード「そこだ。はあ〜〜。」アルフォードは聖冥の剣を軸に真っ直ぐ突っ込んだ。ネクロゼクス「よくわかったね。でも分身は消えないよ。無数の僕を倒しながら戦うんだね。」シリアス「ふざけないで。はあ〜〜。」アルフォードたちは無数の分身を消し、いろんな方向から襲い掛かってきた。ネクロゼクス「ふふ。いいね。そうこなくっちゃ。無数の分身はもう必要ないね。昔話でも語ろうか。僕は冥界に生まれたときから一人だった。冥界でひたすら戦っていた。自分自身の強さと。そうして数年後、レイツェルがここに来たけど、殺さずに魔界へと帰した。冥王。君もね。それにしても成長したね。今は本気の僕と戦えるのだから。」冥王「ああ。俺も驚いている。こんな風にチームワークで戦える自分にな。」ゼット「チームワークか。だいぶ馴染んできたな。俺たちの戦い方が。」アレックス「ああ。頼もしいサポートだ。」シリアス「本当ね。もっとガンガン突っ込むタイプかと思ったら慎重なのね。」ネクロゼクス「話を戻そうか。レイツェルを帰した後、僕は冥界を出て魔界を旅した。その時にみつけたんだ。違和感を。邪精霊がいないのをね。だから僕は邪精霊を無数に生み出した。魔界を邪精霊で満たされた世界へと変えた。だがマナの世界を旅することはできなかった。おそらく力が強大すぎて、魔界へと変えてしまうから。冥界に帰った僕は邪精霊の意思で魔界を満たした。君たちは何しに来たのかな?」アルフォード「邪精霊に個性を持たせ、誰にもとり憑くことのない邪精霊へと変える。もしくは邪精霊を消滅させる。お前を倒してな。」ネクロゼクス「そうか。それが目的。それなら僕じゃなく、邪精霊の核を消滅させるのをやるべきだ。」ゼット「お前が邪精霊の核じゃないのか。面倒だな。」アレックス「なら二手に分かれるか。ゼット。俺たちで核を消滅させるか?」ゼット「わかった。冥王。三人で行くぞ。冥界を操れる奴が必要だからな。」ネクロゼクス「二人で行ってきなよ。ここからなら一本道で行けるよ。」ネクロゼクスは邪精霊の核への道をつくり、ゼット、アルフォードはその道を突き進んだ。冥王「本当に二人で行きやがった。帰ってこれるのか?」ネクロゼクス「はは。僕が邪精霊の核を消滅させるのを感じたら連れてくるさ。」アルフォード「お前。意外といい奴だな。」ネクロゼクス「ふふ。君たちと戦い続けたいだけさ。」ゼット「あれが核だな。」アレックス「ああ。」ゼット、アレックスが放っていた剣龍と技龍は一つに交わり邪精霊の巨大な核を消滅させた。ゼット「はあはあ。消滅した。」アレックス「待て。なんだ?この揺れは?」ネクロゼクス「ふふ。もうすぐ冥界は消滅する。」冥界は崩壊し始めた。アルフォード「それならお前を魔界へと連れていく。そして観るんだ。今の魔界、マナの世界を。行くぞ。皆。はあ〜〜。」アルフォードは聖なる力を纏い、ネクロゼクス目掛けて突っ込んだ。ネクロゼクスは両手で防ぎながらも魔界へと突き進んでいく。シリアス「待って。アルフォード」ゼット「置いてかれるなよ。」アレックス「もちろんだ。冥王も急げ。」冥王「お前たちには本当に驚いてばかりだ。突いていくさ。全力でな。」ネクロゼクス、アルフォード、シリアス、アレックス、ゼット、冥王は魔界へとたどり着いた。冥界への穴は塞がり、二度と開くことはない。アルフォード「これが魔界だ。魔界からでもみえるはずだ。マナの世界が。」ネクロゼクス「ああ。見えるよ。随分変わったね。二つの世界が一つの世界へとなりつつある。さあ魅せてくれ。もっと二つの世界を。」ネクロゼクスは再び無数に分かれ、襲い掛かってきた。シリアス「くっ。またこれ。」ゼット「さっきよりも分身の強さが増している。」アレックス「このままじゃ。もたないぞ。」冥王「どうする?」その時無数の分身は消滅し始めた。エアリス「アルフォード。戦える者達を連れて来ました。」エアリス、魔族が駆けつけたのである。彼等が風の国へと訪れたのはこの為である。彼等はエアリスにネクロゼクスを倒しにいこうと相談して、エアリスは彼等を連れてきた。魔族「アルフォード。手伝うぞ。」アルフォード「はは。凄げぇな。まさかこんなメンバーが揃うなんて。」ゼット「ああ。頼もしい。」アレックス「魔族が手を貸してくれるとはな。」シリアス「そうね。それでも嬉しい。さあ。いくよ。皆。」アルフォード達の反撃が始まった。冥王は楽しんでいる。冥王「これが魔族、マナの世界の人々の力か。」魔族はありったけの力を発揮して戦った。魔族「さあ。魅せるぞ。俺たちの力を。俺たちの闘志は止まらない。受けとれ。シリアス。」シリアスはエアリスと二人で戦っていた。シリアス「凄い。力がみなぎってきた。これが彼等の力。いくよ。エアリス。」エアリス「それなら私を支援して。シリアス。」シリアス「うん。行って。エアリス。」シリアスはエアリスを支援する。シリアスから受け取った力を纏い、突っ込んだ。アレックスは無数の分身を何度も殴りながら戦っていた。アレックス「はあ〜〜。使いこなせらるかわからないが使いこなして魅せる。この彼等の力を。行くぞ。ゼット。」ゼットは無数の斬撃を放った。ゼット「ああ。俺たちも負けてられないな。魅せようぜ。俺たちも真の力を。」アルフォードはネクロゼクス本体に聖冥の剣を叩きつけた。アルフォード「これが俺たちの本当の力だ。これでもお前は一人ぼっちだって言うのか。違うな。今も。戦い始めたときから。これからも。お前は俺たちの戦友だ。一人ぼっちなんかじゃない。」ネクロゼクスは両手で受け止め、後方へ吹き飛んだ。ガン。ズザザ〜〜。ネクロゼクス「はあはあ。確かにそうかもしれない。だとしても俺はお前らを倒す。魔族、マナの世界の人々が苦しむさまを観るためにもな。はあ〜〜。」ネクロゼクスはアルフォード目掛けて突っ込んだ。アルフォードも突っ込み、アルフォード、ネクロゼクスの互いの力が激しくぶつかり合い始めた。アルフォードは違和感を感じていた。それはネクロゼクスがどんどん強くなっていくことである。アルフォード(おかしい。何であいつの無数の分身を何度も倒す毎にあいつが強さを増していくんだ。本来なら無数の分身を何度も倒す毎に弱くなるはずなのに。このままじゃああいつを倒せなくなるぞ。どうなってる?)ネクロゼクス「ふふ。どうやら気づいたみたいだね。僕がどんどん強さを増していくことに。どうすれば僕が弱くなると思う。それはね簡単な事だ。僕と戦い続ければいいのさ。」アルフォード(待てよ。もしかしてこうすればいいのか?)アルフォードはネクロゼクスの分身と戦いながら探した。無数の分身を何度も倒すと現れる違和感を。そのどす黒い違和感を便りに戦い続ける。アルフォード「あった。これか。はあ〜〜。」アルフォードはどす黒い違和感を何度も破壊した。その時ネクロゼクスの無数の分身が一瞬で消え去り、ネクロゼクスが苦しみだした。ネクロゼクス「ぐはっ。あっ。はあはあ。よくぞ。みつけた。その聖冥の力を何個も。さあ何度も破壊するがいい。」だがそれでもネクロゼクスは強くなっていく。そう。何も解決していないのだ。魔界は崩壊し始めた。冥王「アルフォード。このままじゃあ魔界が消滅する。早く奴を倒せ。」アルフォード「わかってる。冥王は戦わないで、魔界が消滅しないように食い止めてくれ。」冥王「わかった。それでいいんだな。やってみるか。」シリアス「私とエアリス、魔族が冥王の負担を軽くする。」ゼット「アレックス。俺たちもネクロゼクス本体と戦うぞ。」アレックス「ああ。わかった。いくぞ。アルフォード。」アルフォード「久しぶりだな。三人で戦うのは。ああ。いいぜ。はあ〜〜。」アルフォード、ゼット、アレックスの三人でネクロゼクス本体と戦い始めた。ネクロゼクス「どうしてだ。なぜ絶望しない。こんな状況なのに。」アレックス「こんな状況だからこそ俺たちは希望を失わない。」ゼット「俺たちはあきらめない。絶対に。」アルフォード「絶望に強いからな。俺たちは。それに気づいた事がある。聖冥の力を叩きつければお前は弱くなる。これが俺たちの答えだ。」ネクロゼクス「はあはあ。そんな答えで僕は消滅しない。戦い続けるんだ。」だがそれでもネクロゼクスは強くなっていく力は止まらない。アルフォード「くそ。こうなったら奴が強くなっていくまま消滅させるんだ。」ゼット「できるだろうか?」アレックス「無限の強さなど存在しない。奴が強くなっていくのに耐えられなくなったらそれが限界だ。その時に奴を消滅させるんだ。」アルフォード「そういうことだ。行くぞ。」ネクロゼクス「そんなに上手くいかない。僕はひとりじゃないからね。」ネクロゼクスは二人とも同じ強さの分身へと別れた。ゼット「なっ。くそ。一人でも強いのにこれじゃ倒せなくなるぞ。」アレックス「そんなことはない。二人ともそれほど強くはない。」アルフォード「避けろ。シリアス。エアリス。」その二人がシリアス、エアリスに襲いかかってくる。シリアス、エアリスは締め付けられている。シリアス「あっ。うっ。うあっ。かはっ。」エアリス「はあはあ。私に、構わないで、戦って。アレックス。」ネクロゼクス「ふふ。さあ。早くしないと二人が力尽きてしまうよ。締め付けられていた時から二人の力を奪いながら攻撃しているからね。」アルフォード、アレックスはネクロゼクスに何度も攻撃し続けた。アレックス「そんなことは絶対に起こらない。」アルフォード「その前にお前が耐えられなくなるんだ。はあ〜〜。」ゼット「急げ。俺は二人のネクロゼクスだけを倒す。真剣龍斬撃波。」エアリス、シリアス「かはっ。げほっ。ごほっ。はあはあ。助かった。ゼット。」二人のネクロゼクスだけをゼットが倒した。ゼット「はあはあ。上手くいったか。後は頼んだぞ。アレックス。アルフォード。」ネクロゼクス「くっ。二人が消滅したか。だが僕一人になっても君たちを倒すのは簡単だからね。」アルフォード、アレックス「なめるな〜〜。」その頃、冥王と魔族は魔界を安定させるためにとある所へと向かっていた。魔界の柱があるところへと。冥王「あった。あれが魔界の柱だ。」魔族「どうすれば魔界が安定するんだ?」冥王「誰かが柱の中へと入り、安定させるんだ。だが無事に出てこれるかはわからない。誰が行く?」巫女「私が行きます。柱の中で暴れてる魔族を倒せばいいのよね?」冥王「ああ。そしたら。俺が出口を作り、お前が出てきたら魔界が安定する様に柱へと俺の力をぶつける。」巫女「わかった。じゃあ。行ってきます。」巫女は魔界の柱の中へと入り、暴走してる魔族をみつけた。戦ったが、倒せずにいた。巫女「はあはあ。うっ。うあっ。かはっ。ああ〜〜。」それは魔族がいろんな方向から襲いかかってきたからだ。巫女「はあはあ。こんなの大したことないからね。はあ〜〜。これで終わりにする。」いろんな方向から襲いかかってきた魔族を吹き飛ばし、魔族が消滅した。冥王「今だ。はあ〜〜。真冥龍波。」魔族の巫女は魔界の柱の中から間一髪脱出した。その時魔界が崩壊し始めた時から起きていた地震がおさまった。冥王「さあ。アルフォードたちの所へと戻るぞ。」ネクロゼクス「くそ。魔界の崩壊が止まった。はあはあ。まだまだ。はあ〜〜。」アレックス「ふん。相当焦ってるな。」アルフォード「お前の力が目に見えて弱まってるぞ。」どんどんネクロゼクスの力が弱まっていく。だがゼット、エアリス、シリアスは逆に恐怖を感じていた。ゼット「何だ?この恐ろしさは。」エアリス「そうね。まるで嵐の前の静けさね。」シリアス「急がないと。あの二人じゃ倒せないかもしれないわね。」魔族「どうした?冥王。」冥王「感じないか?ネクロゼクスの力がどんどん強さを増していくことに。」ネクロゼクスの力が強さを増していくことに気づきつつある。アルフォード、アレックスの二人以外は。ネクロゼクス「さあ。アルフォード、アレックス。僕を倒してみせるんだ。そうすれば僕はもっともっと強くなっていく。」アレックス「ハッタリか?」アルフォード「いや奴の力は強くなっていく一方だ。罠かもしれないが倒すんだ。そうすればおのずと答えはでる。行くぞ。アレックス。」アレックス「ああ。いいぜ。」アルフォード、アレックスはネクロゼクスを倒せる攻撃を繰り出した。ネクロゼクス「どうしたの?まだまだ足りないよ。本気で撃たないと、今度は跳ね返すからね。」ネクロゼクスのオーラが変わった。アルフォード「お前は気づいていないだろうが、もうすぐお前は消滅する。」アレックス「その証拠にお前の体はひびだらけだ。」ミシミシ。ネクロゼクス「あっ。ほんとだ。ふふ。やればできるじゃないか。これで僕は強くなっていく。きっかけを与えてくれてありがとう。アルフォード、アレックス。さあ現れるがいい。僕の新しい姿よ。」ネクロゼクスのオーラがない姿はゆっくりと消滅し煙に包まれた。煙ではなくまるで霧へと変わっていく。アルフォード、アレックスはその霧へと包まれた。ゼット、シリアス、エアリスも包み込み、冥王、魔族はその霧に弾かれる。冥王「くそ。俺たちは入れないのか。こじ開けるぞ。」魔族「よせ。力の無駄遣いだ。時期に晴れる。アルフォードの所まではまだ距離がある。向かうぞ。」ゼット、シリアス、エアリスはアルフォード、アレックスと合流した。アルフォード「もうすぐ霧が晴れる。恐ろしいな。ネクロゼクスは。」霧が晴れていく。ネクロゼクスの恐ろしい禍々しさが増していく。ネクロゼクスは姿を変えたのだ。第二形態へと。その姿はまるで巨大化した堕天使のようであった。ネクロゼクス「さあ。始めようか。ここからが第二形態へと変わった僕との死闘を。」シリアス「私達は援護に徹する。エアリス。」エアリス「ええ。シリアスが回復、私は強化、ネクロゼクスの弱体化ね。」アレックス「俺たちも仕掛けるぞ。ゼット。」ゼット「ああ。任せろ。俺たちに構わないで戦い続けてくれ。アルフォード。」アルフォード「ついてきてくれ。シリアス、エアリス、アレックス、ゼット。遅れないようにな。」始まった。ネクロゼクス第二形態、ゼット、シリアス、エアリス、アレックス、アルフォードの戦いが。死闘を極めた戦いが始まったのである。アルフォード「アレックスは後方から攻めるんだ。ゼットは左右から。俺が正面から行く。」アレックス「わかった。」ゼット「援護してくれ。シリアス、エアリス。」ネクロゼクス「ふふ。あまいね。」ネクロゼクスは衝撃波で三人を吹き飛ばし、波動を放った。三人は一旦距離を取り、波動を放った。だがびくともしない。ネクロゼクス「どうしたんだい?まだまだウォーミングアップだよ。困るな。こんな調子じゃ。」アルフォード「気にするな。俺たちもテンポよく上げて行くぞ。」とはいえこの二度目の戦いから限界を向かえとても長続きしそうにない。限界を超えるきっかけを何かしら見つけない限り戦うことすらままならない。援護する者も同様である。シリアス「はあはあ。援護してるのが苦しくなってきた。大丈夫?エアリス。」エアリス「え。ええ。大丈夫よ。はあはあ。くっ。弱体化が駄目なら三人を底上げすればいいだけのことだからね。」魔族であるシリアス。槍魔士のエアリス。二人とも常に自動回復しながら戦えないからだ。逃げ場のない戦いが、冥界と化した魔界での慣れない環境で続いていた。一方冥王たちはどうだろうか?冥王「くそ。まだたどり着かないのか?ただでさえ俺が慣れない環境で向かっているというのに。」魔族「お前も慣れないのか。この禍々しさが物語ってるな。にしてもずっと霧の中を進んでるけど、たどり着くのか?」冥王はふと立ち止まり、しばらく考えた。魔族「どうした?」冥王「やはり俺たち。霧の中をさ迷っているだけだ。幻の気配を追って。合流できずに朽ち果てるかもしれない。何かこの霧を晴らす方法はあるはずだ。」冥王たちは知恵を出し合い、禍々しい霧を晴らす術を見いだそうとしていた。その頃アルフォードたちは限界を超えるきっかけをつかみかけていた。アルフォード「はあはあ。やっと順応し始めたか。これならいけるぞ。」アレックス「ああ。力がみなぎってきたぞ。」ゼット「みなぎってはいるが、これで奴を倒せるのか?」シリアス「あたしもだんだん慣れてきた。これよこれ。この感覚がたまらないのよ。」エアリス「言ってることがもう魔族ね。あたしにそんな力あるのかしら?」エアリスは意識せずに無意識に禍々しい環境に適応していた。ネクロゼクスはその様子を見て安堵するも喜びに満ち溢れていた。ネクロゼクス「ふふ。いいねえ。これでこそ真の魔族の戦いだ。」アルフォード「勘違いするな。俺たちはマナの戦士だ。冥王たちやお前と一緒にしてもらっては困る。共に歩んでいく身としては申し訳ないがな。」アレックス「マナの戦士の恐ろしさをおもいしれ。」アルフォードたちの逆襲が始まった。まるでアルフォードたちは空を飛んでいるかのように軽やかに移動しながら、ネクロゼクスのいくつもの波動を交わしながら、攻撃し続けた。ネクロゼクス「ふふ。いいねえ。僕の波動が当たらないこの感覚。心地いいよ。さあどんどんおいで。」だがネクロゼクスの体力は想像を超えていた。先ほどの体力は一万だとして、今の第二形態の体力は何十万にも達している。アルフォードたちの攻撃はそのうちの三桁。つまり何百かを削り、運が良ければたまたま千いくかいかないか程度のダメージに過ぎない。それだけネクロゼクスの防御力が格段に上がっている。まるで剛鉄のタイヤに対して折れることのない木刀で戦っているように。そんなアルフォードたちをシリアス、エアリスは必死に援護していく。お互いが限界を超える力で支えあっている。それは次第に禍々しい霧を晴らすかのように勢いを増していく。冥王「ふっ。どうやら俺たちはあいつらに振り回されてるに過ぎない。それでも行くか?」魔族「当然だ。例えそうだとしても俺たちは行く。気づかないか。冥王。霧が晴れたことで俺たちのまわりに更なる強さを求めるものたちが集っていることに。」冥王「なんだ?この異様な数の気配は?」今の魔界はマナの世界にも繋がっていて、アルフォードたちのような強い者たちは往復することができる。その証拠に信じられないほどの数が十数人の戦士達が冥王の所へと集った。冥王「ふふ。そうか。これが真の魔族、マナの戦士の絆。お前たち絶対に誰一人死ぬことなくネクロゼクスを倒すんだ。行こう。アルフォードたちの所へ。」戦士達「おおお〜〜。我らが救世主となる者たちの所へ。」冥王と戦士達が走り始めた。アルフォードたちの戦場へと。ネクロゼクス「ふふ。素晴らしい。これが真の魔族、マナの戦士の絆。もうすぐ集うよ。僕たちの所へ。僕を倒すべく者たちが。気配を感じるだろう。アルフォード。」アルフォード「おっ。おいおい。嘘だろ。これほどの数の気配は存在するなんて信じられないぞ。シリアス。俺たちの援護はもういい。あいつらを出迎えてやれ。」シリアス「いいのね。エアリス。二人で彼等を導くのよ。ここに来れるように。」シリアス、エアリスはいくつもの細やかな鎖のような細い波動を放った。冥王「おっ。あれか。どうやら導いてくれるようだな。行くぞ。」冥王たちはその細い鎖にまるで導かれるように進んでいく。アレックス「本当に思い切ったら真っ直ぐに行動する奴だ。」ゼット「ああ。そんなアルフォードだからこそ気づかない様な奇跡を起こすんだ。」アルフォード「そうかもしれないな。」ネクロゼクス「ふふ。僕も容赦しない。だが苦しめる様なこともしない。それが僕の彼等に対する礼儀だ。来るがいい。アルフォードたち。」アルフォード「ああ。俺たちも全力で行くぜ。」アレックス「もちろん。今の俺たちは果てしない絆に支えられている。」ゼット「何かおかしくないか。あいつ。俺が冷静すぎるのか。まあ。いい。合わせるか。」シリアス「あたしたちはどんなに小さなことでも大きくできるだけの力を持ってる。いいえ。それは誰もがみんなそう思ってる。でもあなたがやろうとしていることは支配でしかない。そんな世界を誰も望んではいない。」エアリス「みんなが生きとし生ける人々が平和に成長し続ける世界を私達は築き上げる。」冥王「そのために集ったのだからな。これだけの種族が。さあ我々も戦おうぞ。どんな種族とでも共に歩んでいく世界のために。」アルフォード「それが俺たちの絆だ。」今ここに一つのギルドが誕生した。ネクロゼクス「ふふ。そんな程度の絆。僕には通用しない。君たちは滅ぶんだ。」アルフォード「お前は勘違いしている。俺たちは何も全滅する覚悟で戦ってる訳じゃない。俺たちは誰一人どんなに傷つこうが弱かろうが死ぬことなくネクロゼクス。お前を倒して魅せる。」シリアス「そうよ。たとえどんなにあなたが強くても、あたしたちはどんどん強くなれる。あなたの力を超える存在にね。」アルフォードたちは巨大なネクロゼクスを倒すために一人一人が前衛、後衛に分かれ、何度でも攻撃し続けた。あふれだす力をコントロールするかのように、誰一人息を切らすことなく。ネクロゼクス「ふふ。足りない。まだまだ足りないねえ。こんなんじゃあ。もっと楽しませてよ。この僕を。」ゼット「アルフォード。お前は後衛に回れ。奴が弱りきったときに止めをさせるようにな。一番後ろで指示を出してくれ。」アルフォード「わかった。俺は支援に回る。シリアス。全体の支援を任せるぞ。戦士たちは後方支援で攻撃し続ける。ゼット、アレックス、冥王は前衛攻撃。シリアス、エアリスは回復に専念。俺は力を溜めつつ分け与える。」だんだん満たされていく。冥界と化した魔界が聖冥な様々な種族の力で。そこには戦士、魔族、巫女の三種族の最強の力を持つ者たちが揃っている。だがまだコントロール仕切れてはいない聖冥の力を。強すぎる冥力の中では分が悪すぎる。アルフォードが本来の力を発揮するには逆でなければならない。それかアルフォード自身が聖なる力を大量に放出するしかない。しかしそれは自身が冥力に飲み込まれる可能性が存在する。少しずつ溜めるしかない。聖なる力を。アルフォードは考えている。自分自身がどれほどの力を聖なる力へと変えていけるかを。アルフォードは本来は聖なる剣を操る剣士なのだ。だが今は聖冥の剣を操る剣士へと成長したが、聖冥の剣本来の力を発揮するきっかけをつかめてはいない。あくまでもお飾りである。悪く言えば宝の持ち腐れである。ネクロゼクス「どうやらアルフォード。君では本来の聖冥の力を発揮できない。僕が君と同じ聖冥の力を本来の力を魅せてあげるよ。さあ想い知るがいい。これが本来の聖冥な力だ。」聖冥の覇道がゼットたちを吹き飛ばし動きを鈍らせる。回復が追いつかない程の力へと。アルフォード(違う。あれはただ振り回したに過ぎない。もっとこう振り回されることなく、本来の一つの力へと束ねるべきだ。)ネクロゼクスは自身のあふれだす力を解き放っていた。力の使い方がわからないままに。自我を失う可能性のある力を。ネクロゼクスは我を忘れ、自我を失う強さを選んだ。それでも抵抗し続ける自我を失うことなく戦える強さを求めて。アルフォードもネクロゼクスも目指す強さは同じなのである。アルフォードは支援するのを止めた。ゼット「何だ?アルフォードの奴。支援しなくなったぞ。指揮もしていない。どうしたんだ?」アレックス「あいつなりに考えがあるんだろう。俺たちは指揮がなくても戦える。アルフォードが出す答えをしばらく待てばいい。」エアリス「足りない分は私が支える。気にしないで。」シリアス「また何か悩み事。アルフォード。私だって魔族の力は少しずつ出してるけどそれが精一杯なのよね。」アルフォード「違うんだ。セルシウスと戦ったあの時のように聖剣が本来の力を発揮するだけだと足りない。聖剣、冥剣が共鳴するには何かが足りない。奴は力を振り回してるだけだ。今までの俺と変わらない。一体どうすれば?」シリアス「そんなに聖剣の力で満たされてるなら、冥剣の力でおもいっきり溜め込んでもバランスは崩れない。少しずつでいいから溜めてみたら?アルフォード。きっとその方が早い。」その時突然ネクロゼクスの攻撃が止み始めた。ゼットたちも戦うのを休み、静寂な時が過ぎていた。アルフォード「まさか。先に自我を失うのか?ネクロゼクスは耐えられない自身の本来の姿に。一端離れろ。皆。暴れだすぞ。」ゼット「確かにまずいな。奴が静まったのは力を溜めているからだ。アレックス。皆を離れさせろ。」アレックス「アルフォードの後ろにでも離れるのか。」ゼット、アレックス、冥王は離れていく。遠くには魔界から集った魔族たち。その後ろにはアルフォード、シリアス、エアリス。斬撃か波動だけが届く距離へと。ゼット「ん?アルフォード。お前も何か溜め込んでないか?」シリアス「それは冥剣の力だから大丈夫。ただまだ上手く共鳴するには何かが足りないみたいなの。」アレックス「つまり聖剣の力が強すぎて冥剣が力を発揮できてない。俺たちのように魔族化するのとも違う。確かにバランスが悪いな。」エアリス「ん?アレックス。今なんて?どうしてあなたがバランスが悪いなって言えるの?」アレックス「そりゃ観ればわかるだろう。アルフォード。どう観たって魔族化できてないぞ。」シリアス「あのね。アルフォードは魔族化したいんじゃなくて、ただ聖冥の剣を共鳴させたいの。魔族化したら暴走するかもしれない。」アルフォード「それだ。アレックス。サンキュー。魔族化するほどの力を溜めればいいんだ。」シリアス「えっ。まさかそんなことだったの。嘘でしょ。駄目よ。」アルフォード「心配するな。奴みたいにはならないさ。むしろネクロゼクスを取り戻す。もうすぐ自我を失うからな。皆でネクロゼクスを救うんだ。その上でけりをつける。」シリアス「はあ〜〜。呆れた。そんなこと考えてたのね。あんたらしいといえばらしいけどね。ならあたしたちは外からこじ開ける。奴の中に入れる道を。その方が一石二鳥だからね。救うのと同時にけりをつけてくれば。」ゼット「よし俺たちはその間奴の動きを止め続ける。」アレックス「それ結構しんどいぞ。まあ。いい。やるか。」エアリス「あたしも全力で迎撃する。」冥王「なら俺たちは後方に回るのが良さそうだな。」アルフォード「よし。ならゼット、アレックス、エアリスは前衛攻撃。冥王たちは後方支援。シリアスは穴をこじ開けてそれを維持する。俺が脱出するまで。俺は魔族化して全力で突っ込んで中に入り、ネクロゼクスとけりをつける。行くぞ。みんな。」ネクロゼクスは自我を失った。ネクロゼクス「ボ・ク・ヲ・タオセルモノハ・ソンザイシナイ。ガアアア〜〜。」斬撃、波動だけの戦いが始まった。シリアス「いつこじ開けるのかはわからない。いつでも行ける用意しておいて。間に合わなくなるから。」アルフォード「わかってる。ただ魔族化すると不安定だな。今の魔界だからこれくらいなのか?」シリアス「そうね。もう少し安定すると安心するけど、不安定なくらいが逆に丁度いいのかもね。そろそろこじ開ける。行ける?アルフォード。」アルフォード「ああ。大丈夫だ。今から突っ込んで、こじ開けると同時に進入する。はあ〜〜。」アルフォードは聖冥の剣を斜めに構え、溜め込んだ力を解放するように聖冥の剣が突き刺さる勢いでネクロゼクスの体内の穴をこじ開けた。体内に進入したアルフォードはネクロゼクスをみつけた。ネクロゼクス「ふふ。来たんだね。ぼくの体内に。脱出できる保証はあるのかい?」アルフォード「ああ。何ならお前の後ろからこじ開けて二人で脱出するさ。」その時聖冥の剣が産声を上げるように共鳴し始めた。ネクロゼクス「凄まじいよ。それが真の聖冥の剣。共鳴している音が鳴り響いている。僕には到達できない力だ。魅せてあげるよ。冥族化を。といっても冥族は僕しか存在しないけどね。」アルフォード「冥族。そんな者が存在するとはな。」アルフォードは恐怖にも似た魔族とは違う遥かな強さを誇る冥族化を感じていた。それはとてつもない恐ろしさである。魔族化の力が1なら冥族化はそれの一万倍の力である。その力は穴を維持するシリアスにも伝わった。シリアス「うっ。うあっ。何これ。あたしが耐えられない。うあああ〜〜。くっ。もう駄目。かはっ。はあはあ。」こじ開けた穴は閉じられていく。ネクロゼクスの冥族化が強すぎるがあまりにアルフォードは閉じ込められた。大量の汗が流れ出す。その汗を吹き飛ばすようにアルフォードは魔族化した力を大量に解放した。倒せるかどうかわからない相手に賭けにでた。真っ向勝負をしかけたのだ。お互い手加減なし全力の戦いが始まった。その共鳴し合う戦いの最中外では器を破壊しようとゼットたちが戦っていた。エアリス「槍龍乱舞斬。」アレックス「あんまり無茶するなよ。真武龍冥滅波。」シリアス「はあはあ。真聖龍波。」ゼット「シリアスが一番無茶してるな。真斬龍乱撃斬。」冥王「属性八竜を扱うのも大変だな。冥龍だと効果ないからな。真覇龍冥滅斬。」 シリアス「慣れない割にはよくやるわね。覚えたてなのにセンスある。才能ね。もう一度こじ開ける。何なら正常な魔界へと戻す。」集った魔族たちもそれぞれの個性的な攻撃を撃ち続ける。器「ボクハマケナイ。うがああ〜〜。」器が苦しみ始めた。ゼット「あともう少しだ。これならすぐこじ開けられるぞ。」器は振り回す力もないまま苦しんでいる。抵抗しながらも力が強くなることもなくただただ弱っている。奇声を発しながら、まるで力を解き放っていくように。哀しい奇声が鳴り響いている。その奇声は魔界全体へと鳴り響いている。怯える魔族もいれば、ただただ見守る魔族も様々である。解き放たれた力は不思議と魔界を安定させていく。ネクロゼクスとアルフォードの戦いは激しさを増していく。互いの力は激しくぶつかり合う。アルフォードが不利な状況のまま。ネクロゼクスの強さに追いつけないでいるアルフォードは満身創痍である。アルフォード「はあはあ。まだだ。足りない。魔族化が足りない。聖なる力が強すぎる。恐れるな。魔族化を。奴と同じだけの力を引き出すんだ。はあ〜〜。」アルフォードは苦戦しながらも魔族化していく。暴走しないように。ネクロゼクス「いいね。だんだん僕に近づいていく。君もきっと冥族になれるよ。」アルフォード「勘違いするな。俺は冥族になりたいわけじゃない。共鳴する聖冥の剣を覚醒させたいだけだ。」もうすぐ目覚めようとしていく聖冥の剣が鼓動を発していく。ドクン。ドクン。ドクン。と剣の鼓動が鳴り響いている。ネクロゼクス「素晴らしい。これが聖冥の剣。だが君自身が覚醒しないと目覚めはしない。終わらせるよ。その前に。」アルフォード「なぜそんなに恐れる?まさかお前知ってるのか?聖冥の剣の本来の力を。だから恐れるんだな。だったら魅せてやるよ。聖冥の剣の本来の姿を。」聖冥の剣は姿を変えていく。恐ろしさと神々しい姿が一つになるかのように。アルフォードも同じように変わっていく。アルフォードはシリアスの言葉を思い出していた。(シリアス「気をつけてね。聖冥の剣が本来の姿を、力を発揮する時あなたが押し潰されないように。私だってそんな姿を見たことがあるわけじゃない。でもわかるの。聖冥の剣の本来の恐ろしさが。でもきっとアルフォードなら信じてる。使いこなせるって。」シリアス。今がその時なんだな。)シリアス「覚醒した。聖冥の剣が。アルフォードが。とうとうできたのね。聖冥の剣が覚醒した姿へと。あたしたちがこじ開ける必要はなくなった。来なさい。アルフォード。ネクロゼクスと共に。」アルフォード「行くぜ。ネクロゼクス。俺はもう止められない。お前が実験台だからな。」ガン。ガン。ガン。ガガガガ。ガーーーー。ネクロゼクスは圧倒し追い詰められていく。器の出口へと。アルフォード、ネクロゼクスは器から脱出した。アルフォードはネクロゼクスを地面へと叩きつけ、まずは器を消滅させた。アルフォード「さあけりをつけるぞ。ネクロゼクス。」ネクロゼクスの体は震えていた。恐怖と興奮が入り交じった感情を表すように。ネクロゼクス「ふふ。まさかこんな機会が訪れるなんて。素晴らしいよ。アルフォード。聖冥の剣を覚醒させるなんて。始めよう。二つの世界の命運をかけた最後の戦いを。」始まろうとしていたアルフォード、ネクロゼクスの最後の戦いが。シリアス「始まるのね。あの二人の最後の戦いが。」エアリス「見守るのね。あたしたちは。」ゼット「手出し無用だからな。」アレックス「邪魔する気にもなれんな。先を超された気分だ。」冥王「必ず追いつくからな。でなければ魔界は守れない。」ネクロゼクス「行くよ。アルフォード。」アルフォード「ああ。来い。」サッ。ガン。始まった。二人の力がぶつかる度に衝撃波が吹き荒れる。冥王「どうして俺がお前たちに魔界の柱を破壊するのを依頼したのか?ネクロゼクスの存在その者が脅威だからだ。確かに俺が出会なければ奴の存在を知ることはなかった。だが俺はマナの世界と共に歩むことを決めた時、調査したんだ。魔界の柱を。その時に出会ったんだ奴と。恐怖に満ち溢れた存在と。だからこそ頼むぞ。アルフォード。滅びを求めている奴を。ネクロゼクスを救ってやってくれ。お前だけができることなんだ。アルフォード。」シリアス「アルフォードなら大丈夫。彼は知らぬ間に人を惹き付ける。どんなに知らない者であろうとね。それはネクロゼクスも同じこと。だからきっと救える。ネクロゼクスを。」エアリス「ねえ。一つ聞いてもいい?アレックス。シリアスって絶対にアルフォードのこと好きよね?」アレックス「ああ。そうだろうな。」ゼット「好きというよりは血の繋がらない兄妹だからな。昔は幼なじみだった。俺と出会う前からな。今は戦友それ以上の関係だ。お前らも大して変わらないだろう。」エアリスは顔が赤くなりながらも否定しなかった。エアリス「そうね。あなたたちと出会えてよかった。こんなに強くなれたのはあなたたちのおかげよ。だから頼むわね。アルフォード。」シリアス「私たちの希望よ。アルフォード。お願いね。」シリアスたちは祈るように見守る。アルフォード、ネクロゼクスの最後の戦いを。ネクロゼクス「僕は負けはしない。この僕が支配する世界はもうすぐそこだ。」アルフォード「それは違う。お前がしたいのは支配なんかじゃない。お前はただ追い求めているだけだ。お前自身が消滅するその時を。」戦いは激化していく。混沌の渦を巻き込みながらも。祈るように見守るのは帰りを待ち望んでいるエアリスの妹リスタルティもである。マナの世界と魔界の王、女王たちも見守っている。それほどにも伝わっているのだ。この戦いは。アルフォード、ネクロゼクスの体からは互いに共鳴するかのように光り輝く精霊があふれでていた。蟻のように小さな精霊が。そうそれが聖冥の精霊である。後に迎え入れるであろう。八精霊たち。新たな精霊を生み出す戦いは更に強さを追い求めていく。真の聖冥の剣を覚醒させるかのように。いつのまにかネクロゼクスも剣を覚醒させていた。真の冥王の剣を。冥王「驚いたな。あれが真の冥王の剣。禍々しいエネルギー状の剣ではあるが真の聖冥の剣と瓜二つだな。そのうちエネルギー状ではない真の冥剣が誕生するぞ。」冥王のその言葉が指し示すように真の冥王の剣は姿を変えていく。真の冥剣という新たな重さのある剣へと。ネクロゼクス「ふふ。できたよ。僕にも。剣がね。さあどちらの方が強いのかな?アルフォード。」アルフォード「お前にまさかそんな力があるとはな。お前も戦いの天才なんだな。ゼットと同じように。」アルフォード、ネクロゼクスの二人は嬉しそうに戦い続ける。互いが求める理想の強さへと姿を変えながら。アルフォードは一端距離をとった。すかさずネクロゼクスは斬撃を放った。ネクロゼクス「さあくらうがいい。真の冥王の剣の力を。」アルフォードも斬撃を放った。激しくぶつかり合う両者の斬撃は相殺した。ゼット「互角か。なら勝負を分けるのはお互いがどれだけ力を引き出せるか?そこが問題だな。」アルフォード、ネクロゼクスは今度は接近戦で戦い続ける。だが二人とも血まみれになることはない。なぜならオーラで防いでいるからだ。それでも打撃の傷は受ける。つまり聖冥の剣と真の冥王の剣の肉弾戦である。ネクロゼクス「ふふ。驚いたよ。僕が自我を失わずにまさかこんなに強くなれるなんてね。ねえアルフォード。今はどんな気分なんだい?」アルフォード「俺か?うーん。まあ。どうだろうな。楽しいし、お前は悪くない奴な気もしてきたがな。」ネクロゼクス「そうか。そんな気分なんだ。僕も楽しいよ。どこまで強くなれるかな?僕らは?」アルフォード「俺もお前ももう限界を超えている。そう長くは戦えないかもしれないな。まあ。俺たち次第だけどな。」ネクロゼクス「それは残念だ。僕らは長い間戦っていたい気分だからね。魔界で戦っていることで君は不利な地獄をあじわうかもしれないね。」アルフォード「そうでもないさ。俺ももう魔族同然だからな。」ネクロゼクス「ふふ。僕の見た感覚だと君はまだ魔族化を強く引き出せていない。迷いがあるのかな?僕を倒すことに。」アルフォード「別にそんなつもりはない。ただ引き出し方がわからないままがむしゃらに戦っているからだろうな。」ネクロゼクス「なら僕の真似をすればいい。それだけでも数段上の強さを得られるはずだ。」アルフォード「お前の真似か。あんまり気は進まないが、やってみる価値はありそうだな。」二人は戦いながらも語り合っていく。互いが求める理想の強さへと近づくのがどんなことなのかを。アルフォードはネクロゼクスの真似をするかのように冥族化しようとする。だがうまくいかない。ネクロゼクス「ふふ。魔族化と冥族化の違いは邪精霊ではなく、闇の精霊そのものを体内で覚醒させることだ。君の場合は聖冥の精霊を体内で覚醒させた方がいいかな。」アルフォード「あれを覚醒させるのか。まだ生まれてまもないあいつが覚醒できるのか?まあ。いい。やってみるか。」アルフォードは聖冥の精霊を吸収し始めた。アルフォード「そうか。これなら冥族化ができる。はあ〜〜。」アルフォードは聖冥の精霊を覚醒させた。ネクロゼクス「ふふ。凄いよ。アルフォード。まさかこんなにすぐ冥族化ができるとはね。さあ始めようか。冥族同士の戦いを。」シリアス「あれが聖なる冥族化。なんて姿なの。同じ冥族化なのに全然違うのね。禍々しさか全く感じられない。あれなら倒せるかな?」ゼット「どうだろうか。まだネクロゼクスの方が強そうだな。」ネクロゼクスがどんどん強くなっていくが、アルフォードは冥族化を維持できずにいた。覚醒した聖冥の精霊の力を使いこなせていないのである。アルフォード「くそ。まだ引き出せないのか?もっと引き出すんだ。聖なる冥族化の力を。」アルフォードはだんだん聖なる冥族化を維持できるようになっていた。ネクロゼクス「ふふ。その調子だよ。アルフォード。もっともっと強くなるんだ。まあ。僕には追いつけないけどね。」アルフォード「追いつくさ。いや。むしろ追い超してやる。」ネクロゼクスはアルフォードを斬撃で吹き飛ばす。アルフォードも斬撃でネクロゼクスを吹き飛ばす。だんだん戦いは互角になってきていた。アルフォードは凄まじい速度で強くなっていく。だんだん不利になっていくネクロゼクス。ネクロゼクス「なっ。馬鹿な。なぜ僕が押されている?まだまだだ。僕はもっと強くなれる。ああ〜〜。はっ。」ネクロゼクスは暴走しそうになりながらも強くなろうとしていた。アルフォード「また自我を失いかけてるぞ。ネクロゼクス。自分自身を見失うな。」ネクロゼクス「うるさい。もう僕がどうなっても構わない。アルフォード。君を倒すんだ。」アルフォード「よせ。自我を失う強さなんてお前の本来の力じゃない。真の冥族化を魅せてみろ。ネクロゼクス。」ネクロゼクスのオーラはどんどん禍々しくなっていく。だが力が膨れ上がっていくあまりに機動力を失ってしまう。ネクロゼクス「違う。パワー、スピード両方を高めるんだ。バランスが悪すぎる。」ネクロゼクスのスピードがどんどん早くなっていく。アルフォード「いいぞ。その調子だ。だんだん近づいてきたぞ。お互いの強さが。」ネクロゼクスもまた覚醒しつつあるのだ。真の冥族化へと。ネクロゼクス「ふふ。だんだんわかってきたぞ。冥族化を強めるコツが。真の冥王の剣を覚醒させればいいんだ。さあ。目覚めるがいい。真の冥王の剣よ。」ネクロゼクスの持つ真の冥王の剣が本来の姿へと変わっていく。紫色のオーラを纏った姿へと。アルフォードの持つ聖冥の剣も姿を変えていく。金色のオーラを纏った姿へと。まるで共鳴し合うかのように。アルフォード、ネクロゼクスの二人は覚醒し始める。真の聖なる冥族化、真の冥族化へと。アレックス「あいつら。まだ上があるのか。なんて強さだ。」エアリス「恐ろしい強さね。二人の戦いが見れるのが不思議なくらいね。」冥王「それなら問題ない。見れるのは俺たちが成長している証拠だ。」ゼット「勝てるか?アルフォードは。」シリアス「きっと勝つ。あたしたちの知ってるアルフォードは負けはしない。」覚醒したアルフォード、ネクロゼクスは戦い続ける。互いが求める真の強さへと互いを導くために。ネクロゼクス「ふふ。アルフォード。僕らはどこまで強くなれるかな?」アルフォード「さあな。お前を倒せるくらいの強さはあると思うけどな。」ネクロゼクス「できるかな?果たしてそんなことが?」アルフォード「できるさ。その証拠にお前体が震えてるぞ。」ネクロゼクス「ふふ。震えてる?この僕が?恐怖は感じないね。君はどうかな?」アルフォード「俺もそれは感じないな。」ネクロゼクス「そうか。じゃあこれはどう?」ネクロゼクスは二人に別れて襲いかかってきた。アルフォード「またそれか。そんなの通用しないぞ。ん?なんだこれ?」二人のネクロゼクスは一人一人全く違う動きをしながら、襲いかかってきたのです。片方は波動を撃ちまくる戦い方、もう片方は斬撃、真の冥王の剣で攻撃する戦い方をしているのです。アルフォード「片方は剣。もう片方は射撃。なるほど。ゼット、アレックスを同時に相手してる気分だ。少々厄介だな。」ネクロゼクス「ふふ。そうだろう。このままの勢いで君を倒すんだ。」次第に追い詰められていくアルフォード。ゼット「おい。さすがに手伝うか?」アレックス「黙って観てろ。」アルフォードは苦戦しながらもだんだん交わしながら戦えるようになっていく。アルフォード(相手をよく見るんだ。こんなの見極めるのもいともかんたんだな。)アルフォードは見極めながらも攻撃し始めた。ネクロゼクス「まさか。もう通用しないなんてね。素晴らしい対応力だ。」ネクロゼクスは二人に別れて戦うのをやめて、アルフォードと一対一で戦い続ける。ネクロゼクスの力が凄まじい勢いで強くなっていく。アルフォードはその強さについていけずにまた苦戦しながらも、戦うのをやめようとはしなかった。どうやらアルフォードよりもネクロゼクスの方が底力は多いようだ。ネクロゼクス「どうしたんだい?アルフォード。まさかこんな程度じゃないよね?」アルフォード「はあはあ。もちろんまだまだ強くなれる。ああ〜〜。」アルフォードも強くなっていく。ネクロゼクスを超えるために。アルフォードとネクロゼクスの戦いは互角になってきていた。ネクロゼクスが斬撃を放ったらアルフォードも斬撃を放った。お互いの斬撃は相殺しアルフォードとネクロゼクスはつばぜり合いし始めた。アルフォード「ネクロゼクス。もう一度聞く。お前の目的はなんだ?マナの世界と魔界の破滅を望むのか?」ネクロゼクス「破壊し冥界を創造する。それも悪くない。だがそんなことはどうでもいい。まずはアルフォード。君を倒さないとね。すべてはそこから始めようか。」アルフォード「なら俺は負けない。お前を倒してみせる。」お互いの剣をぶつけるかのように戦い続ける。ネクロゼクス、アルフォード。ゼット「楽しそうだな。アルフォード。」シリアス「ネクロゼクスもね。二人はもう真の冥族。そのものよ。」アレックス「天才と凡人のな。」ネクロゼクス「そういえば僕はシリアスと同じ冥族の巫女だよ。」アルフォード「驚いたな。失礼だが男にしか見えないぞ。」ネクロゼクス「本当に失礼だな。見た目が男だから仕方ないか。そもそも誰が巫女を決めるか?知ってる?アルフォード。」アルフォード「いや。知らないな。」ネクロゼクス「なら教えてあげよう。それは精霊が決めるのさ。誰が巫女に相応しいかをね。ちなみに僕を冥族の巫女に決めたのは闇の精霊だよ。」シリアス「あたしを巫女に決めたのは確か光の精霊ね。」ネクロゼクス「冥族の巫女として目覚めた僕はまずは邪精霊を生み出した。大量の邪精霊を解き放ち、魔界をより禍々しい世界へと変えた。次に魔界の地下に冥界を創造する。だがごく稀に冥界へと足を踏み入れる奴がいる。僕はそれを殺して、喰らって強くなっていく。子どもから大人へとね。」アルフォード「なぜ冥王を喰らわなかった?」ネクロゼクス「彼は唯一冥族になれる可能性があるからかな。もうすでに冥族だね。」冥王「そんな理由だったのか。奴は人を見る目があるんだな。」ネクロゼクス「僕に出会った冥族は冥王、レイツェル、セルシウスの三人かな。」アルフォード「アルティーニは出会ってないのか?」ネクロゼクス「アルティーニ。彼も冥族だけど冥界には来なかった。」ゼット「俺たちと旅をしていたからかもな。」ネクロゼクス「セルシウスが一番強かった。唯一僕が戦っていて負ける恐怖を味わった相手だったよ。」アルフォード「俺も奴には勝てると思わなかった。」その時アルフォードはある気配に気づく。アルフォード(この気配はまさか。あいつは俺が倒したはず。)ネクロゼクスは後ろから波動を受ける。ネクロゼクス「うあっ。くっ。なんだ?今のは?アルフォードは目の前にいるのになぜ後ろから波動を受ける。一体誰だ?」ネクロゼクスは後ろを見た。するとそこにはセルシウスがいた。ネクロゼクス「貴様。アルフォードが倒したはずのお前がなぜここにいる?」セルシウス「死んでいたさ。だが一対一に水を指すようで悪いが地獄から甦った俺と一緒に戦ってくれるか?アルフォード。」アルフォード「もちろんだ。水くさい事を聞くなよ。セルシウス。行くぞ。」セルシウス「おう。」アルフォード、セルシウスはネクロゼクスを挟み撃ちにし襲いかかってきた。ネクロゼクス「ふふ。面白い。なら僕も二人に別れて戦うとしよう。」アルフォード「それは通用しないぞ。なあ。セルシウス。」セルシウス「ああ。一撃で消し去ろう。」アルフォード、セルシウス、ネクロゼクスの戦いは2対1から2対2、さらに2対1へと変わっていく。ネクロゼクス「なめるな。ああ〜〜。僕は負けはしない。君たちを倒すんだ。」ネクロゼクスは再び巨大化した。ゼット「ちっ。これはさすがに手伝うしかないか。」アレックス「ああ。行くぞ。エアリス。」エアリス「結局こうなるのね。準備はいい?シリアス」シリアス「ええ。準備万端ね。冥王は魔族と共に後方支援よろしくね。」冥王「わかった。行くぞ。お前ら。」魔族「おおお〜〜。」巨大化したネクロゼクスを倒すために全員で戦い始めた。ゼット「久しぶりだな。セルシウス。今までどこにいたんだ?」セルシウス「誰の仕業かは知らんがついさっき魔界で目を覚ました。」アレックス「つまりさっきまで魔界で寝てたのか?」セルシウス「そうなるな。」シリアス「てっきりアルフォードが倒したのかと思ったら無事だからびっくりしたのよ。」エアリス「また会えて嬉しいです。セルシウス。」再会を喜ぶアルフォードたち。冥王「お前らってほんとに自由だな。こんな時に再会を喜ぶとはな。」アルフォード「それはいえてるな。どうやら巨大化したネクロゼクスは自我を失っていないようだな。気をつけろよ。お前ら。」ネクロゼクス「さあ終わらせよう。戦いを。」巨大化したネクロゼクスの姿はまるで巨大な冥獣である。ネクロゼクスは様々な方向から攻撃し始めた。様々な方向から来る攻撃を交わしながらアルフォード、セルシウス、ゼット、アレックスは攻撃し、シリアス、エアリス、冥王、魔族は後方支援をしていく。すると魔族化して戦っていたセルシウス、ゼット、アレックスが冥族化した。ゼット「これが冥族化。」アレックス「暴走するなよ。」セルシウス「力が無限に溢れ出てくる。」さらに遅れてシリアス、エアリス、冥王も冥族化した。ネクロゼクス「なっ。馬鹿な。こんなにたくさんの者が冥族化するなんて。信じられん。」極限の集中力を限界を超えて発揮しながらもだんだん強くなっていく戦いを展開していく。巨大化したネクロゼクスも負けじと体の色を白へと変えていき、強くなっていく。すると今度は小さな人と同じ小さいネクロゼクスが何体も現れる。冥王「こんな奴らに構わず巨大化したネクロゼクスを攻撃し続けろ。アルフォード、セルシウス、ゼット、アレックス。」シリアス「あたしたちが後方支援するから。ね。エアリス。」エアリス「そうよ。奴らはあたしたちに任せて、ネクロゼクスを倒すために。」アレックス「ああ。行くぞ。ゼット。」ゼット「合わせろよ。セルシウス。」セルシウス「合体技といこうか。」アルフォード「お前からそんな言葉が出るとはな。あったか?そんな合体技?まあ。いい。やるか。」アレックスは武龍、ゼットは剣龍、シリアスは精龍、セルシウスは魔龍、アルフォードは聖冥龍を真上へと放ち、その五つの龍は一つになっていく。アルフォード「真五龍真冥滅覇。」ネクロゼクスは咄嗟に真の冥王の剣で受け止める。しかし真の冥王の剣は耐えきれずに砕けてしまいました。防御することもできずにまともに真五龍真冥滅覇をくらうネクロゼクス。巨大化したネクロゼクスの姿は黒く焦げているような色へと変わり、満身創痍なネクロゼクスは巨大化を維持できずに小さなアルフォードと同じ小さい姿へと変わっていく。ネクロゼクス「はあはあ。まだだ。まだまだ僕は強くなれるんだ。あああ~。」ネクロゼクス本体の体から衝撃波が放たれます。その瞬間小さな何体ものネクロゼクス分身体も姿を消し、ネクロゼクス本体が吸収し始める。冥王「なんだ?一体何が起きている?」セルシウス「おそらくネクロゼクスの最後の悪足掻きだろう。」アレックス「そんな感じじゃないがな。これは。」ゼット「ああ。どんどんネクロゼクスの力が凄まじい速さで膨れ上がっている。」ネクロゼクスが一瞬姿を現し、姿を消します。アルフォード「避けろ。シリアス。」ネクロゼクスはシリアスを攻撃し続ける。シリアス「えっ。うあっ。くっ。うあああ〜〜。かはっ。はあはあ。エアリス。逃、げ、て。」次にエアリスを様々な方向から。エアリス「くっ。うあああ〜〜。はあはあ。気をつけて。アレックス。」ネクロゼクスの攻撃を交わしながらアレックスは指示を出します。アレックス「お前ら二人とも退がれ。後方支援しなくていい。俺たち四人が相手だ。ネクロゼクス。」ネクロゼクスは無言でゼットに襲いかかってくる。冷静に戦い続けるゼット。ゼット「なんだ?あいつは?まるで別人だ。」セルシウスに襲いかかってくるネクロゼクス。セルシウス「まるで俺たちの実力をはかっているかのようにな。」ネクロゼクスはアルフォードに襲いかかっていくがアルフォードは防戦一方である。セルシウス「どうした?アルフォード。奴を攻撃しろ。」アルフォード「あいつはまだ小手調べだ。まともに戦ったら体力の無駄だ。」ネクロゼクスが語り出す。ネクロゼクス「良く気がついたね。不思議と力が膨れ上がっているよ。アルフォード。」セルシウス「なんだ?一体何があいつを強くさせている?」アルフォード「おそらく潜在能力。奴はこのタイミングに眠っていた力を解放したんだ。」ネクロゼクス「ふふ。そんなことにも気づくんだね。アルフォード。君は本当に素晴らしい。」アルフォード「お前にほめられても嬉しくはないがな。小手調べは終わりにして、お互いにもっと眠っていた力を解放して、本気で戦おうか?ネクロゼクス。」ネクロゼクス「ならそうしようか。楽しみだね。アルフォード。」アルフォード、ネクロゼクスは眠っていた力を解放して、戦い始めるのでした。 ゼット「今俺たちも眠っていた力を解放して、戦えるのか?」アレックス「できるさ。アルフォードにできたんだからな。」セルシウス「やるなら早くやれ。一緒に戦えなくなるぞ。」ゼット、アレックス、セルシウスも眠っていた力を解放して戦い始めた。シリアス「はあはあ。私達はは悔しいけど無理ね。我慢しましょう。エアリス。」エアリス「仕方ないわね。そうしましょ。さっき襲いかかってきた傷も癒えてないしね。」シリアス、エアリスは見守ることにしました。冥王「俺たちも見守るしかないか。残念ながらな。」冥王、魔族たちも見守ることにしました。アルフォード「やっぱりお前らも戦うのか。」ゼット「当たり前だろ。」アレックス「四人が相手だと言った手前退くに退けなくなったからな。」セルシウス「四人が相手だとしても奴を倒せるかはわからないがな。」ネクロゼクス「ふふ。倒せると思うよ。僕はね。僕自身を倒せる者たちを僕は探していた。四人もいるとは思わなかったけどね。」アルフォード「確かに多すぎるな。ならお前がみつけた四人がお前を倒して魅せる。」アルフォード、ネクロゼクス、セルシウス、ゼット、アレックスの五人の戦いは熾烈を極めていた。 アルフォード「もう一度あれをやるぞ。お前ら。」ゼット「ああ。」アレックス「わかった。」セルシウス「うおおお〜〜。」アルフォード「真五龍真冥滅覇〜〜。」ネクロゼクス「そんなものはもう通用しないぞ。あああ〜〜。」シリアス「嘘でしょ。真五龍真冥滅覇が圧されてる。あれじゃ。四人とも殺られる。」その時ネクロゼクスはアルフォードたちを圧倒的な力で吹き飛ばしました。満身創痍で大の字に倒れているアルフォードたち。ゼット「はあはあ。あとは頼んだぞ。アルフォード。」アレックス「ああ。俺もギブアップだ。アルフォード。」セルシウス「情けないが俺たちはもう戦えない。アルフォード。」ゼット、アレックス、セルシウスの三人はアルフォードに力を託すのでした。シリアス「私も今眠っている力は解放できるかな?」エアリス「できるはずよ。何なら私の力もあげましょうか。」シリアス「お願い。助けるなら今しかない。」ネクロゼクスはアルフォードに覇道を放ちました。その時眠っている力を解放したシリアスが助けに来ました。アルフォード「戦えるか。シリアス。」シリアス「誰に向かって質問してるの。上よ。」ネクロゼクス「何だ。厄介だな。」アルフォード、ネクロゼクス、シリアスは戦い続ける。シリアス「準備はいい?アルフォード。蹴散らすよ。」アルフォード「ああ。早く殺ろうぜ。」ネクロゼクス「舐めるなよ〜〜。」シリアスが上から攻めるふりしてアルフォードが後ろからネクロゼクスを攻撃したり、そのまた逆もしかり。ネクロゼクスがまったくもって予想することのできない動きで戦い続ける。ネクロゼクスをだんだん圧倒しながらも。ゼット「一体何なんだ?あの二人。」アレックス「シリアスはあんな風に前線で戦える奴じゃないぞ。」セルシウス「後方支援が最適なはずなんだがな。」エアリス「あなたたちは知らないのね。シリアスは常に後方支援に撤することで、いつか前線で戦える様に必死にそなえていたの。むしろ願っていたのよ。いつか前線で戦える日が来ることをね。必死に努力もしていた。シリアスは今正に最高の気分なはずよ。」ネクロゼクス「何故だ?どうしてお前らは真の冥族化をせずに僕と戦える?」シリアス「それはもちろん。あなたと違って、戦ってこそ守る価値のあるものが支えてくれて、守られてるからよ。」アルフォード「それもあるが何よりお前が真の冥族。俺たちは真の聖族。だからこそ俺たちは聖族化をすることで戦える。お前とはもう種族その者が違うんだ。」アルフォード、シリアス「あたしたちが生まれたその時からね。はあ〜〜。」アルフォード、シリアスはネクロゼクスにありったけの波動を放った。ネクロゼクス「はあはあ。君たちは知らないかもしれないが、僕らは同じ時に生まれている。ネクロゼクス、シリアス、セルシウス、アレックス、ゼット、アルフォード、の六人はね。その時から運命づけられていた。戦う今のこの瞬間がね。君たちは強い真の聖族となるために。僕は真の冥族となるために。だからこそ僕は支えてくれている。君らの存在その者がね。」そうこの六人の戦いは時を同じくして生まれたその時から運命づけられていた。待ちに待った戦いなのである。ネクロゼクス「はあはあ。さあまだまだ続けようか。おいで。アルフォード、シリアス。」その時誰かが怒り始めたのでした。アルフォード「おい。シリアス。お前休んでろ。もうらちがあかねえ。」シリアス「へ?あっ。そう。好きにしたら。」シリアスは後方へと退いた。シリアス「ああ。こわ。」そうアルフォードはネクロゼクスに突如として八つ当たりしたのです。しかも強烈な勢いで強めた力による肉弾戦を。ゼット「もしかしたら。アルフォード。あいつ。」アレックス「ああ。アルフォードの奴。飽きたな。」シリアス「はあはあ。あら今頃気づいたの。アルフォードならセルシウスと組んだ時から飽きてたのよね〜〜。全く困ったものね。」エアリス「どこから?もしかしてあいつの巨大化が解けた辺りから?」シリアス「ああ。そうね。大体そこら辺からね。飽きたのが溜まりに溜まって今沸点に到達したのよね。アルフォードは基本短気だから。」アレックス「おい。今初めて聞いたぞ。」セルシウス「いやあれは遠回しに聖獣になろうとしてるな。たった一人で一撃で神獣を倒すくらいのな。」エアリス「えっ。確か神獣を倒すのはあたしが今戦ってやっと倒すやつよね。それを一撃で倒すんだから。なれるの?」セルシウス「噂に聞いたことはある。だがたった一人が万に一つの可能性から実現化した奴がいるってな。確かに今のお前らならなれるかもな。」アルフォードは聖冥の剣をその場で地面へと突き刺した。ネクロゼクス「ん。ねぇ。そんなことしたら。戦えないよ。いいのかい?」アルフォード「そんなことはない。戦える。」アルフォードは基本剣技で戦いますが、今は聖冥の剣を捨て、肉弾戦を要求したのです。まるで聖獣になろうとヒントをみつけたかのように。ネクロゼクス「ああ〜〜。」ネクロゼクスも呼応するかのように肉弾戦で戦いますが、アルフォードは凄まじい速さで何度も払いのけていきます。アルフォード「おい。どうした。その程度か。」アルフォードの蹴りがネクロゼクスの右腕を激突するのでした。遠くへと吹き飛ばされるネクロゼクス。ネクロゼクス「はあはあ。何なんだ。君は。君のこの力は。聖族が限界を超えて発揮する次元の域をとうの昔に超えているかのようなこの力は。」アルフォード「ごたくはいい。退屈しのぎにすらならない。」アルフォードの一撃は物凄く重い拳を敵に叩きつけていきます。ネクロゼクスの体がバッキバッキにへし折れながら、戦えなくなるように。やがて戦意喪失したネクロゼクスは八つ当たりを開始しますが、その八つ当たりさえも軽くあしらわれてしまうほどに。その時アルフォードの体から今まで発したことの無いオーラが発生するのです。そのオーラが金色の刹那を駆け抜けるかのように自然と動き始め、セルシウスは驚愕します。セルシウス「何なんだ。あれは。」想像していたのとは全く持って違う戦いを魅せるアルフォード。ネクロゼクス「あっ。あっ。あっ。あっ。あれは聖獣。正しく君は聖獣になったんだね。アルフォード。」セルシウス「あれは聖獣なんて生易しい者なんかじゃない。奴はもういきなりたどりついてしまったんだ。真の聖獣の体が発する虹の金色の刹那を駆け抜けるオーラが発生するのを。」ゼット「信じられん。あれがアルフォード。」アレックス「真の姿」エアリス「えっ。本当にアルフォードなの。」セルシウス「真の聖獣。」そうアルフォードはもう誰もたどり着くことの無い神の領域に達した者だけがたどり着く真の力を解放していく。何の代償を支払うことも無く得たその力は一撃でネクロゼクスを倒すのかもしれない。それが生易しいと感じる程の姿。その姿の反動で焼かれる事欠く戦いを続ける。しかもそれをアルフォードは永遠と戦えるかのように真の力を解放していきます。短気とは想えない職人気質が引き出す戦いを。そうアルフォードの本来の姿は繊細な職人気質が引き出す戦いを魅せることで始めて完成していく。それを戦いの申し子であるアルフォードはもう完成させて更に一つ上の領域に達した姿へと。ネクロゼクスもその境地へと。せめてたどり着こうとしていく。更に一つ上の領域に完成させるアルフォード。その永遠と続ける狂想曲は鳴り響くのです。まるで四重奏のカルテットの様に。不協和音を響かせながら。セルシウス「まずいな。ネクロゼクスの奴。冥獣に目覚めるぞ。」アレックス「はっ?まさかあいつ。追いつくのかアルフォードに。」ゼット「いや。むしろ追いこされるかもしれんぞ。」そう不協和音の原因はネクロゼクスが冥獣に目覚めたからなのです。正に此処にふたりの聖冥獣が誕生したのです。アルフォード「はあはあ。こんなに生き苦しい強さなんだな。」ネクロゼクス「我々はもう長くは戦えない。」アルフォード「どういうことだ?」ネクロゼクス「なら教えよう。この聖冥獣は我々が引き起こした頂上現象に等しい姿だからだ。そしてその代償はお互いに聖冥獣の罰を受けること。そうしなければ我々は生き残ることは愚か間違いなく死ぬ。」アルフォード「その代償は乗り超えられるのか?」ネクロゼクス「万に一つの可能性を除いてはできるかもしれない。ただできた者を僕は知らない。」その代償は二人が戦う数分後に起きました。ネクロゼクス「く。ぐあ。来た。これがその代償を支払う瞬間だよ。があああ〜〜」ネクロゼクスの体から恐ろしい力が放出されていきます。完全なる強制的に。アルフォード「俺はなんともないぞ。俺にその代償は起きないのか?」ネクロゼクス「なっ。ぐあ。馬鹿な。どうして僕だけが苦しむんだ。はあはあ。君なら僕をこの代償から解放できるのかもしれない。さあ。やってみてくれないか?」アルフォード「ああ。いいぜ。はあはあ。俺も長くは戦えないからな。はあ〜〜。」シリアス「大丈夫。アルフォードなら代償を受けることも無く彼を開放するか、倒すはず。あたしがタイミング良く手伝うから後はよろしくね。」エアリス「なっ。えっ。シリアス。」シリアスはアルフォードの手を掴んだ。アルフォード「馬鹿。よせ。お前なんかが手伝ったら確実に耐えられない。」シリアス「うるさい。それよりはマシよ。もっと集中して、足りない。」アルフォード「わかった。二人でやるぞ。ああ〜〜。」アルフォード、シリアスは今持てる全ての力を解放する。アルフォード「どうだ?シリアス。足りるか?」シリアス「ええ。もちろん。倒して。」アルフォード、シリアスの覇道はネクロゼクスを貫き、包み込むのでした。アルフォード「はあはあ。これでいいのか?奴は消滅するんだよな?シリアス。」シリアス「ええ。これで終わり。彼は確実に消滅する。」ネクロゼクス「はあはあ。ありがとう。アルフォード。」アルフォード「礼ならシリアスに言え。俺一人じゃあお前を倒せなかったからな。」ネクロゼクス「ふふ。そうだね。ありがとう。シリアス。君たち二人はもっと強くなれる。いや二人が支え合っているからこその強さなんだろうね。はあはあ。また会えるのを楽しみにしているよ。」ネクロゼクスは光り輝く結晶になって消滅した。シリアス「はあはあ。心配しないで。たぶん彼は生まれ変わらない。むしろ彼はあたしたちの力の一部でしかない。」アルフォード「そうか。人が生まれ変わる奇跡はそうそう起きないからな。しかたないか。」アルフォード、シリアスはゼットの所へと戻っていく。アルフォード「これで依頼達成だな。冥王。」冥王「ああ。もちろん。後のことは俺たちに任せろ。魔界は俺たちが守り抜く。マナの世界は任せるぞ。アルフォード。」アルフォード「ああ。さあ帰るとするか。」エアリス「ええ。風の国へとね。」アルフォードはまたマナの世界へとつながる風穴を開け、エアリスたちと共に帰ったのでした。エアリス「ただいま。」エミル「おかえりなさい。皆。休むのよね。」シリアス「ええ。そのつもりだけど。暇なの?もしかして?」アレックス「そんなことはない。と言いたいが、どう観ても暇な時の動きだな。俺たちは上に行けばいいのか?エアリス。」エアリス「はあ。好きにして。というかアルフォードをシリアスが休む場所に案内してくれる?」アルフォード「悪い。邪魔なら上に行くさ。」シリアス「いいえ。下でいいわね。休みましょう。」アルフォードたちは風の国でゆっくりと休んでいた。後日アルフォードたちは冥王たちと合流し、とある者を魅せるのです。それは魔界にある石像でした。その石像は誰なのかわからない聖冥獣を現していた。アルフォード「驚いたな。俺たちよりも先に境地にたどりついた冥族がいたとはな。」冥王「ああ。しかもあれはもう昔の話だそうだ。この石像の者は冥族だが死んでいる。少なくとも代償ではない。寿命だそうだ。」シリアス「ふーん。本当にこれを魅せるために呼んだのね。平和ね。」セルシウス「ああ。全くだ。」そう見上げると魔界には珍しい日の出が降りてきたのです。これも魔界とマナの世界が一つの世界へと繋がったからこそ引き起こした現象なのです。その魔界を照らす太陽には冥王、魔族が映っていた。その後冥王、魔族は互いに修行しながらも互いが求める平和への答えをみつけようと話し合っていた。石像の前で佇むセルシウス。ゼットはアレックスと修行していた。エアリスは風の国で忙しく働いていた。シリアスは聖域で新たな姿の女神像をみつけていた。アルフォードも一緒にみつめていた。そんな平和な日々が永遠と続いていたのです。
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