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瞼が重い。
とにかく眠たい。
身体を起こそうとしても、うまく起き上がれない。
祐希が大学へ進学して1年余りが経った。
私の身体には、徐々に異変が現れ始めていた。
身体に錘が付いているかのように重い。
なんとか立ち上がるが、手脚が震える。
いつも歩いている公園なのに、至る所で頭をぶつけてしまう。
恐らく、物にぶつかり過ぎて禿げでもできて、見窄らしい姿となったのだろう。
会う人会う人に憐れんだような目、あるいは軽蔑されているような目で見られた。
祐希。
できれば、もう一度彼の懐に飛び込みたい。
でもそんな力と時間など既に残されていないことを私は知っていた。
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