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あ、祐希、久しぶり。
ちょっと見ないうちに、また一段と大人になったね。
あれ、泣いてる。
そうか、私のせいか。
こんなに情けない姿になってしまって。
少しだけ意識が飛んでいたみたいだ。
夢でも見たのかと思ったが、祐希の声が微かに聞こえる。
匂いも少し感じられる。
もうほとんど見えないけど、たしかにそこにいる。
昔と違って、毛並みはもうボサボサだけど、それでも昔と同じように撫でてくれて嬉しい。
もう声は出ない。
立ち上がることもできない。
力を振り絞り、尾を動かすのが精一杯だった。
何か言ってるみたいだけど、ごめん。
私には届きそうにないや。
久しぶりに祐希に会えたから、安心してどっと眠気が押し寄せてきた。
まだ、いっしょにいたいし、いっしょに遊びたいし、いっぱい撫でてもらいたいけど、ちょっとひと眠りしてからね。
起きたらまたいっぱい遊ぼうよ。
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