自殺少女の願い事

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授業中、急にピチャピチャという音が聞こえてふと隣を見ると、佐藤さんが恍惚とした表情で自分の手を舐めていた。手の甲から掌に舌を這わせ、指の股まで丁寧にペロペロと舐めていた。唾液を沢山付けて舐め回した彼女の左手は、窓から入ってくる日の光が当たってキラキラしていた。俺は驚いたが、同時に惹かれもした。何かいけない物を見ている様で、ドキドキした。授業そっちのけで、俺は彼女を見ていた。そのうち、彼女も俺の視線に気付いたのか、こっちを向いた。目が合った。俺は気まずいと思ったのに、目を逸らせないでいた。彼女は俺と目を合わせたまま、指しゃぶりをし、唾液いっぱいの人差し指を俺に差し出し微笑んだ。
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