記憶売買
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僕は冷静になってもう一度その記憶を見た。 溢れ出る感情を抑えて、客観的に、公正に値段をつける。 結局、その男は、僕と共に歩いたその夏祭りの記憶と引き換えに、三千円を握りしめて帰っていった。 僕は、店を出て歩いていく男のみすぼらしい曲がった背中を、いつまでも見つめていた。
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