明烏のブルース

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 生臭い。鼻を突き刺すような匂いで目が覚める。路地裏のゴミ捨て場に浮かぶ俺。ほんのり鉄の味がする。鼻の痺れは、匂いか別か。  一羽のカラスが睨んでいる。分かってる。酒と欲に飲まれた俺の負け。挙げ句にここに捨てられる。  なぁお前。もし本当に俺がくたばるその時は、俺の肉を残さず全部食ってくれよ。朝焼けと一緒にな。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加