カカシの独り言

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 おれはカカシ。上野一体の鳩をまとめるリーダーだ。  カカシってのは、一本足のこの姿を見て誰かが呼び始めたのさ。  おれがリーダーになってから、以前より飯の量が増えた。理由を教えてやろう。  まず人間共は可哀想なおれに飯をまく。だがここでおれはわざとありつかないでおく。一本足でテン、テンと跳ねながら。  すると、人間共は哀れに思うだろう。次こそはカカシ鳩に食べてもらおうと飯をまく。おれは無視する。更にまく。大体ここで仲間全体に飯が行き渡る。  それを確認してから、ようやく頂くって寸法さ。  ちなみに飯にありつくのは大体上野公園だ。 アメ横には少数でしか来れないが、贔屓にしている店がある。角の服屋だ。あそこは話が通じるからよく行くんだ。  で、お前はどうなんだ?  やっぱり服屋のような奴はいないもんだな。 そう言いながら彼は飛び立った。私はため息をつき、店番に戻った。 「リスニングはできるんだけどな」
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